電車がすきで
別にオタクとかではなく。
いろんな人がちょこんと座って、同じ時間にそれぞれの人生をやっているのをこれだけ間近で見られる乗り物はない。なんかすごくちっぽけでそれでいて壮大なものが動いている、膨大な数のドラマがそこにある。電車はすきだ。
春になると毎年友人の墓参りに行く。営業の鬼みたいな同級生が毎回レンタカーを茨城の山中まで走らせてくれるのだ。僕が朝に弱いことは既に知られているので、後部座席に乗る友人の家に前泊することになった。
家まで少し距離がある。頑張って音楽をやりに行こうと思えばできる程度の距離。僕がもっと生活を安定させたらテリトリーにしたいくらいの距離に、ふたりは住んでいる。久々に山の中から離れて電車に乗るといつも以上に刺激を感じた。今週はある程度仕事に夢中になれていたのかもしれない。ありがたいことだ。
電車に乗るといつも僕はよそ行きの気持ちになる。乗るたび大人になるような気がして、密かにそれを楽しみにしている。今日は特にノスタルジーを感じる。もうこの駅に出会って10年になるのか。ずっと行き交う大人は何を考えてるかわからなかった。今なら少しわかる。
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