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責任について再考する
最近慢性疲労に片足を突っ込んでいる。
1年半これが続くと倒れるのはもう経験済みなので、早いところここから脱却したい。まあそれは今はどうでもよくて、事務員をして4カ月が経過した。どうも僕の仕事はわりかし大企業のちょっと偉い人の意向に沿って作られた選ばれしポジションらしく、ここから正社員になろうが派遣社員のままでいようが日々少しずつ責任が重くなっていくようである。それは僕の成長にとっては喜ばしいことで、どちらを選ぼうと一定の幸せは確約されているような、そんな気がする。
ところで、最近責任感という言葉の意味を再考する事が多くなった。
技術者脳だった時の僕が考えた責任感についての所感は1年前に書いている。しかしなんというかこの会社でサラリーマンのコスプレをしながら生きてみると、そんなに高尚なことでもなく、しかし僕にとってはできていないことのように思えた。特段あたまが良かろうが良くなかろうが責任を全うしている人達を毎日横目で見ていたら、こんな大それたことをいちいち言わなくても良かったのではないかと思う。まああの頃はあの頃で科研費とか触っていたので責任は重かったのだが。
身体と家計を立て直し、派遣から正社員への道を周りに勧められている最近だが、先日派遣会社の私担当の方と面談をする機会があった。この方には僕が死ぬ気でSOSをここに書き殴っていた半年前からずっとお世話になっていて、大雪で風邪を引いた2月も、今の先輩におこられ慣れてない時にプライベートの悩みが重なって体調を壊した5月も(本当にバカみたいだなと自分でも思うが)、出勤報告ボタンを押すのも億劫な弱い自分をずっと支えてくれた。今でこそ残業もできるがこれに戻るまで正味6年かかっているのだ。
過去のことはいくら書いても清算が終わらないが、担当の方と今後どうするか話していたところ、興味深い意見をもらった。僕は今まで正社員しか運よくしてこなかったので分からなかったが、改めて派遣社員と正社員の違いについて教えてもらったのだ。つまりは正社員になったら、何が何でも自分で自分の(ひいては周りの)尻拭いを引き受けねばならないと。
当たり前だと思っていたがこの会社を見ていると本当にそれが危険なことだと分かった。僕は現場の誰かが失敗したら8年運転していない乗用車に乗って夜中の3時だろうが客先まで頭を下げに行かねばならないのだ。果たしてそんなことが半年前まで夜中の3時に寝ていた男に務まるだろうか。
それはそれとして、もし今の仕事が僕の本当にやりたい事でなく、他にもっと人生の軌道修正先としていい選択肢が見つかる場合であれば、責任の軽い今の内に勉強をやり直して、帰宅後でも何でも来るべきその瞬間に向かって準備をしたほうがいいと言われたのである。これは今の僕にとって正直「音楽家になること」ではなくなってしまったのだが、だとしてもそれは正しい意見だなと思った。僕の独学と内省が客観的に見ても何かしらの実力を正しく伸ばせる、信頼に値する行為であるならば、この立場から次のまだ見ぬ夢に対してアップを始めても悪くはない。その選択も今なら取れるのである。
この半年で極貧を経験して金銭感覚が正常に戻った今、過剰な自己投資にさえ一人前に恐怖できるようになった自分だが、それでもなお空き時間に「自分でも達成できるレベルの課題を選択しそれを自力でクリアすること」は僕にとって価値の高い行為である。昔ほど高い理想は持たないにしても、短期目標、中期目標、予算、スケジュールを組んで簡単な資格でも取ってみるのは悪くないなと思うし、毎日そんな勉強のかけらのようなものをしている。
自分を過信しないこと、人の影響を受けやすいこと、正しく影響を受ければよい人生が待っていること、相手にとってもそうであってほしいと願いその通りに行動すること。そういうことを大事にしたいと思う。人生の岐路ばかりあったなあと振り返ると思うが、ここ最近は毎日が人生の岐路に感じる。
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