キュンチョメ《声枯れるまで》:揺らぎの声を聴くこと
ジェンダーと政治の揺らぎ「ジェンダー平等」
あいちトリエンナーレ2019において掲げられたその理念は、参加作家の男女比率を等しくすることによって具現化され、大きな話題を呼んだ(1)。一方で「表現の不自由展・その後」の中止に伴う「表現の自由」対「検閲とテロ」という膠着した構図(2)の中で、ジェンダー平等に関する話題はほとんど吹き飛んでしまったかのように見える。しかし、本来これらの問題はジェンダーの問題と政治の問題として切り離されるべきものではない。むしろ地続きの問題として考え