午後ゆらぐ日輪

まだ西日がひかり
水面をまだらに照らす午後
河川敷に集う人々の
影はまるい

着水を続ける白い鳥の
断続的な打点は
緊迫のあとの安堵か
安堵のあとの緊張か
わからないが
確かにのぞまれていた

破った恋について話す
男の子
その横に置かれたアルコールの缶を
無邪気に倒して走り去る子供

これも打点だ

数メートル先で
音を集めた右手には
着水を覚えたばかりの
手紙が握られている

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