檻
胸に張る蜘蛛の巣に
質問するように胸をおさえた
書けなかった言葉は
どこへ行ったのか、と
深く沈んだ芽を
摘めるのにちょうどいい
手の強さを獲得するまで
潜水を続けた
水面に映る月を見れなくても
夜行バスの揺れのように
信じるということは
目を閉じて海底へ進む
終わりがかろうじて読める旅
完成した蜘蛛の巣に水が引っかかる
無意識に挟み込んだ栞が
点滅する
✽ ✽ ✽
1/7の琉球詩壇の投稿欄にて採用していただきました。
新聞に詩が載るのは初めての出来事でした。
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