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夕遊の漫画cafe

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大好きな漫画その他をここにまとめておきます。本当は、ここに書ききれないくらい好きな作品がたくさんあるのですが...
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#マンガ

大好きな漫画家さんの作品が映画化。『金の国 水の国』2023年。

いやもう、公開すぐに家族で行ってしまいました。岩本ナオさんは、『町でうわさの天狗の子』から『雨無村役場産業課兼観光係』、そして初期の作品から今連載中の『マロニエ王国の七人の騎士』まで全部読んじゃうほど、家族でみんな大好きですから。 でも、今回の映画化では「最高純度のやさしさ」とか「号泣」みたいなキャッチコピーが踊っていて、「あれ?岩本さんの作品って独特な色があって、そういう万人受けの感じじゃないはずなのに?」とか思ってしまいました。 登場人物がみんなテンプレじゃなくて、ち

北海道を旅したくなる名作でした。『ゴールデンカムイ』野田サトル

『ゴールデンカムイ』は、日露戦争後の北海道を舞台に、アイヌが隠した大量の金塊を探す物語。戦争帰りの元日本兵杉元佐一とアイヌの少女アシリパのバディものでもあります。明治日本の歴史文化紹介と北海道サバイバルに、アイヌ文化&グルメ紹介などなどを追加して、とにかく内容てんこ盛りの作品。読んでいると、ものすごく北海道に行きたくなります。 アイヌに関しては専門の中川裕教授が監修されているので、専門性もバッチリです。主人公の相棒アシリパちゃんは賢くて強い(というか、たくましい)。父親直伝

いつ読みかえしても切ない和歌と恋のものがたり。『うた恋い。』杉田圭

小さい頃から大好きだった『百人一首』。母親が、1つ1つの和歌の背景を教えてくれたから、とてもロマンチックなものだと子供心にときめいていました。高校生になって、織田正吉さんの『絢爛たる暗号』という本にハマりましたが、大学生になって田辺聖子さんの解説を読むと、「この本はフィクションとして『百人一首』を楽しむもの」=「歴史的に正確じゃない部分がたくさんあります」だったことに、少しショックを受けたりして。 なので、大人になって読んだ杉田圭さんの『うた恋い。』の衝撃度といったら!!!

おとなのための青春ファンタジー。『町でうわさの天狗の子』岩本ナオ

ファンタジーなのに、妙に現実があって、でも独特の浮遊感ある作品です。昔話と少女漫画を合体させたような、不思議な魅力があります。天狗が住んでいて、それをみんなが受け入れている町っていうのも、すごくファンタジーなのに、なぜか自然。 物語の舞台は、ある中国地方っぽい田舎町。父親は、天狗になった元人間で何百年も生きています。母は、年上好みのしっかり美人。主人公の秋姫は、二人の間に生まれた娘で、力自慢。でも、お山で修行するのが嫌で、父親のような天狗になりたくなくて、怪力じゃない普通の