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夕遊の漫画cafe

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大好きな漫画その他をここにまとめておきます。本当は、ここに書ききれないくらい好きな作品がたくさんあるのですが...
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#おすすめ漫画

大好きな漫画家さんの作品が映画化。『金の国 水の国』2023年。

いやもう、公開すぐに家族で行ってしまいました。岩本ナオさんは、『町でうわさの天狗の子』から『雨無村役場産業課兼観光係』、そして初期の作品から今連載中の『マロニエ王国の七人の騎士』まで全部読んじゃうほど、家族でみんな大好きですから。 でも、今回の映画化では「最高純度のやさしさ」とか「号泣」みたいなキャッチコピーが踊っていて、「あれ?岩本さんの作品って独特な色があって、そういう万人受けの感じじゃないはずなのに?」とか思ってしまいました。 登場人物がみんなテンプレじゃなくて、ち

激しくて、あたたかい。『3月のライオン』羽海野チカ

アニメ化もされて、神木隆之介さん主演で実写化もされた名作。将棋のネットTVを始めた頃に読んでみました。15歳でプロ棋士になった主人公の桐山零と、彼を取り巻く人々の日常や成長を描いた作品で、東京下町のあったかい雰囲気と、将棋の世界の厳しさのコントラストが際立ちます。 最初は将棋の世界のことを全然知らなかったので、棋戦とか専門用語の解説なんかは、実は飛ばして読んでいました。(監修の先崎先生すみません、でも老眼には、字が細かすぎたので、『うつ病九段』は別に読みました)三姉妹がかわ

SFかと思ったら寓話のような現実でした。『銃座のウルナ』伊図透

主人公のウルナは孤児で、自分を育ててくれた教会や友達を守るために、志願して兵隊になります。長い間、戦争ばかりしている祖国が、女性ばかりを配属する先は、雪深い島で、敵は口だけの大きな怪物たち。なぜ、彼女たちは化け物と闘わなければいけないのか。読み進めていくと、驚愕の事実がわかってきます。 辺境の部隊にいる女性兵士たちの、悲惨な人生がやさしい筆致で描かれていています。最初の戦場シーンはSFかな(?)と思うような場面が続きます。1930年代と思うような、雪深い、きれいな風景と、対

いつ読みかえしても切ない和歌と恋のものがたり。『うた恋い。』杉田圭

小さい頃から大好きだった『百人一首』。母親が、1つ1つの和歌の背景を教えてくれたから、とてもロマンチックなものだと子供心にときめいていました。高校生になって、織田正吉さんの『絢爛たる暗号』という本にハマりましたが、大学生になって田辺聖子さんの解説を読むと、「この本はフィクションとして『百人一首』を楽しむもの」=「歴史的に正確じゃない部分がたくさんあります」だったことに、少しショックを受けたりして。 なので、大人になって読んだ杉田圭さんの『うた恋い。』の衝撃度といったら!!!