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夕遊の漫画cafe

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大好きな漫画その他をここにまとめておきます。本当は、ここに書ききれないくらい好きな作品がたくさんあるのですが...
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#映画感想文

日露戦争に人生を狂わされた男たちの物語。映画『ゴールデンカムイ』2024年

オープニングのすさまじい二〇三高地のシーンから、主人公の杉元とアシㇼパが出会い、困難を乗り越えて相棒(バディ)を組むまで。この映画は、壮大な物語の「序章」です。内容は原作のテイストそのままですが、なんといっても生身の俳優さんたちがくりひろげるアクションシーンがすばらしい。そして、合間、合間に広がる試される大地、北海道の雄大な景色。映画ならではの表現で、原作の世界を存分に表現しています。 タイトル『ゴールデンカムイ』のロゴがラスト近くに大きく映し出され、今後の続編に出てくる、

神様の記録。映画『ペレ 伝説の誕生』アメリカ、2015年

娘と映画を見に行くときは、なるべく楽しい映画を選びます。スポーツ映画は王道。深刻なドキュメンタリーも必要だけど、見た後に元気になって、「明日からまたがんばろう」って思える映画や思い出が人生には必要だから。 ペレといえば、サッカーの神様。ブラジルの英雄。サッカーにあまり詳しくない私でも知っています。でも、一番昔の記憶では、夜中まで起きてワールドカップの試合を見ていた頃のスター選手はマラドーナやベッケンバウアー、プラティニ。 ペレは、さすがにリアルタイムでは見れていません。私

アマチュアの歴史的大発見と実話ベースのファンタジー。映画『ロスト・キング』イギリス、2020年。

シェイクスピアの演劇で有名な、イギリスの王様リチャード3世。多分、日本ではそれほど有名じゃないと思います。私が知っているのも、『7人のシェイクスピア』という名作コミックのおかげ。本題から少し脱線しますが、この作品の中でもリチャード3世の演劇は魅力的です。続きが早く読みたくてたまりません。 さて、歴史上のリチャード3世は身体が不自由で、野心家で正当な王の権利を持たない簒奪者というイメージらしく、それをシェイクスピアがあまりにもおもしろい作品にしてしまった(?)ということで、よ

大好きな漫画家さんの作品が映画化。『金の国 水の国』2023年。

いやもう、公開すぐに家族で行ってしまいました。岩本ナオさんは、『町でうわさの天狗の子』から『雨無村役場産業課兼観光係』、そして初期の作品から今連載中の『マロニエ王国の七人の騎士』まで全部読んじゃうほど、家族でみんな大好きですから。 でも、今回の映画化では「最高純度のやさしさ」とか「号泣」みたいなキャッチコピーが踊っていて、「あれ?岩本さんの作品って独特な色があって、そういう万人受けの感じじゃないはずなのに?」とか思ってしまいました。 登場人物がみんなテンプレじゃなくて、ち