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夕遊の漫画cafe

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大好きな漫画その他をここにまとめておきます。本当は、ここに書ききれないくらい好きな作品がたくさんあるのですが...
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#おすすめ映画

日露戦争に人生を狂わされた男たちの物語。映画『ゴールデンカムイ』2024年

オープニングのすさまじい二〇三高地のシーンから、主人公の杉元とアシㇼパが出会い、困難を乗り越えて相棒(バディ)を組むまで。この映画は、壮大な物語の「序章」です。内容は原作のテイストそのままですが、なんといっても生身の俳優さんたちがくりひろげるアクションシーンがすばらしい。そして、合間、合間に広がる試される大地、北海道の雄大な景色。映画ならではの表現で、原作の世界を存分に表現しています。 タイトル『ゴールデンカムイ』のロゴがラスト近くに大きく映し出され、今後の続編に出てくる、

自然の恵みと山の村の暮らし。『リトル・フォレスト』五十嵐大介

以前から気になっていたけれど、きっかけがなかったマンガ。映画館で見た韓国リメイクの予告編があんまりきれいだったので、ようやく読みました。この『リトル・フォレスト』は田舎の農作業の日常が、地道に技術的に淡々と描かれていて、ファンが多いのも納得の内容。マンガの舞台は岩手がモデルとのこと。 私は信州の山のムラで育ったし、祖母の山菜採りや農作業、保存食作りにつきあわされた経験があるので、ムラのご近所とのやりとりも、町とムラの生活の差も、いろいろわかる部分があります。 山のことにつ

大好きな漫画家さんの作品が映画化。『金の国 水の国』2023年。

いやもう、公開すぐに家族で行ってしまいました。岩本ナオさんは、『町でうわさの天狗の子』から『雨無村役場産業課兼観光係』、そして初期の作品から今連載中の『マロニエ王国の七人の騎士』まで全部読んじゃうほど、家族でみんな大好きですから。 でも、今回の映画化では「最高純度のやさしさ」とか「号泣」みたいなキャッチコピーが踊っていて、「あれ?岩本さんの作品って独特な色があって、そういう万人受けの感じじゃないはずなのに?」とか思ってしまいました。 登場人物がみんなテンプレじゃなくて、ち