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夕遊の連続劇

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連続ドラマは、見始めてからしばらくの間、現実を忘れさせてくれる元気の素です、映画よりも物語を深く長く描いてくれるのが素敵です。わくわくするドラマを、誰かにそっとご紹介。
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#ゲーム・オブ・スローンズ

人間くさいドラマが魅力。『剣嵐の大地』中(氷と炎の歌3)ジョージ・R・R・マーティン

ページをめくるのがもどかしいくらい、先が楽しみな読書です。 以下、これまで同様、ドラマと原作の違いをチェックしつつ、感想をメモしていきます。 デナーリスの親友になるミッサンディ。彼女が10才ということに驚きました。これだとドラマとかなり違う感じな展開になっていくんじゃないでしょうか。まあ、原作ではデナーリスも16才くらいですが。それにしても、6才も差があれば、ドラマのような親友のような関係にはなれません。保護者と被保護者です。 あと、些細なことですが、この巻でもデナーリス

人の愚かさと愛しさと。『狼王たちの戦旗』上(氷と炎の歌2)ジョージ・R・R・マーティン

ドラマの世界から原作の世界にはまりました。電子書籍割引セールのせいです。ステイホームや非常事態宣言では図書館も自由に使えないので、電子書籍率がいつもより高まった気がします。 さて、今回も原作との違いがチェックポイントになります。本書では、サー・ジョラーの過去に涙しました。ドラマで、どうしてあんなにデナーリスに忠誠を誓ったのかがよくわかるというか、性癖…もとい、女性の好みは変えられない哀しい実例というか。 ジョラーは、二度目の若い美人の奥さん(南部出身のいいとこ出、しかも自

続きが気になりすぎる。『剣嵐の大地』下(氷と炎の歌3)ジョージ・R・R・マーティン

原作もとうとう6巻目。未読分が少なくなってきました。作者様、マーティン様、過去編の執筆も、ドラマ化もいいですが、本編をぜひ進行させてくださいませ(懇願)。 6巻まで進んでくると、だんだんドラマと原作の違いがはっきりしてきました。原作では、竜の母となったデナーリスの周りに集まる男たちに嫉妬するけど相手にされないジョラー。しまいには、新たに加わった老騎士サー・バリスタンに、過去のスパイ行為をバラされ、ジョラーは追放されてしまいます。 サー・バリスタンは、元キングスランディング

原作の登場人物はみんな若い。『剣嵐の大地』上(氷と炎の歌3)ジョージ・R・R・マーティン

シリーズが進む毎に、各方面、色っぽい話になってきました。引き続き、ドラマと原作の違いに注目して読んでいます。まず、ロブから。 ドラマと違って、原作のロブのお相手は16才の女の子。いい子だけど、賢くなるにはまだ幼い。そして、長男ロブもまだ16才になるか、ならないか。恋愛未満で手を出してしまった感じ。ロブは戦場では無敵でも、大局的な戦略を上手くたてることができない。 本来なら、その役割は父親がするのだけれど、なんせロブが立ち上がったのは、父親を殺されたその敵討ちなのだから。女

ほぼティリオン主役。『竜との舞踏』上(氷と炎の歌5)ジョージ・R・R・マーティン

『竜との舞踏』は、ほぼティリオンとデナーリス、ジョンが主役っぽくて、前作『乱鴉の宴』であまり登場しなかった人たちが登場します。のっけからティリオンは父殺しのショックを引きずり、初恋のティシャを娼婦だと偽ったジェイミーへの恨みつらみを引きずっています。これは、シェイを殺したことへの自己嫌悪の裏返しか。だって、ティシャの名前はずーっと出てくるのに、シェイの名前は一切出てこないから。 ティリオンは、その後もずっと身内殺し(とくに父殺し)で自分を責めますが、サーセイもタイウィンも平

登場人物たちの成長が見ごたえあり。『乱鴉の饗宴』下(氷と炎の歌4)ジョージ・R・R・マーティン

この巻でもデナーリス、ヴァリスは出てきません。ティリオンはジェイミーの回想や会話の中、ジョンもサムやマイスターなんかの会話の中でだけ登場します。アリアの出番は少しだけですが、着実に修行しているようです。ただ、内容は原作とはだいぶ違う感じ。ドラマでは敵を娼館で見つけて殺して視力を奪われるけれど、原作では黒衣の脱走者を殺して視力を奪われます。 ジェイミーとサーセイの関係は、齟齬から反発へと変化していく描写が見事です。サーセイの政治センスのなさ、自分が操れる人、色香に惑わされてく