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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#日本史

近現代日本の偽史とオカルト文化『隠された聖徳太子』

ブラジル出身のオリオンさんの聖徳太子本。出る前から、どんな本になるのか楽しみにしていまし…

夕遊
4か月前
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平安時代、最大の対外危機『刀伊の入寇』関幸彦

今年の大河ドラマは、私の好きな清少納言が出るというので、楽しみにしていました。見る時間は…

夕遊
4か月前
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知らなかった日本のタイル文化。『和製マジョリカタイル―憧れの連鎖』INAXライブミュ…

先日、台湾の彩色タイルの本を買って、ちょっとづつ楽しみながらパラパラめくって読んでいたら…

夕遊
8か月前
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ポップな懐かしさ。『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』康鍩錫

台湾の裏通りや下町を歩いていると、レトロな建物や壁、看板があって、歩きながらみているだけ…

夕遊
9か月前
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人はなぜ戦場に行ったのか『明治・大正・昭和軍隊マニュアル』一ノ瀬俊也

軍隊に入りたい人はいても、戦場に出たい人はいないと思います。もし、自分が死んだり怪我した…

夕遊
2年前
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ラストエンペラーの物語。『溥儀』入江 曜子

人生で3度皇帝になった溥儀(ふぎ)。そして、人生の後半は「一般人民」として生きることを強…

夕遊
2年前
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メディアが煽った戦争。『帝国日本のプロパガンダ』貴志俊彦

『ゴールデンカムイ』に石川啄木が出てきた話のとき、ちょうど国内外の新聞に写真が載せられるようになって、部数を伸ばしていたという話がありました。かわら版や錦絵なんかは、先日の『もしも猫展』でも見ましたが、庶民の大好きな情報源。幕末から明治の前半まで結構売れて、その後、リトグラフやコロタイプ印刷なんかの技術が発展したそうです。 おかげで、日清戦争(1894-95)の時期には、錦絵がリバイバル。技術の向上で大量生産が可能になり、戦争場面を描いて大人気になったそうです。日露戦争(1

北海道を旅したくなる名作でした。『ゴールデンカムイ』野田サトル

『ゴールデンカムイ』は、日露戦争後の北海道を舞台に、アイヌが隠した大量の金塊を探す物語。…

夕遊
2年前
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リアルと漫画はどこが違う?『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』中川裕

楽しみに待っていた1冊。わくわくしながら読みました。アイヌ研究の中川先生の文章は、『ゴー…

夕遊
2年前
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戦争で残された人たちの物語。『銃後の社会史』一ノ瀬俊也

この本は、一ノ瀬先生が、全国各地の遺族会(第二次世界大戦までに戦争で家族を亡くした人たち…

夕遊
2年前
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日本人はずっとアメリカが好き。『戦前昭和の社会 1926-1945』井上寿一

大正デモクラシーが終わった後の暗い時代。それが、戦前の昭和に対する私たちのイメージです。…

夕遊
2年前
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岸和田藩の元藩主のお話。『評伝 岡部長職』小川原正道

サブタイトルは、「明治を生きた最後の藩主」。岸和田藩の最後の藩主になった岡部長職(ながも…

夕遊
2年前
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戦前に伝説だった人。『頭山満 アジア主義の実像』嵯峨隆

頭山満(1855-1944)は、明治から大正、昭和にかけて活動したアジア主義者。もう、ほとんど忘…

夕遊
2年前
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たどってみたい場所。『台湾 近い昔の旅』又吉盛清

リトル東京のような台湾の首都、タイペイ(台北)。日本人にもおなじみの店の看板が多くて、整った楽しい町。でも、大きな通りの何気ないカドとか、ちょっと横道に入った先に、昔の遺跡が残っています。それは、日本植民地時代の石造りのりっぱな建物だったりします。 かつての総督府は、いま台湾総統府になっているし、旧台北市役所は、いま行政院になっています。台湾総督府研究所は教育部(=日本の文科省)だし、台北帝国大学医学部専門部は国立台湾大学医学院付設医院に変わり、台湾総督府の官舎は国家図書館