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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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2022年1月の記事一覧

移民焼き畑国家、日本『「低度」外国人材』安田峰俊

安定の安田峰俊さんのノンフィクション。悪名高い「技能実習制度」で騙されて、日本に来てひど…

夕遊
2年前
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アンケート結果が実態とは限らない。『変わる家族 変わる食卓』岩村暢子

サブタイトルは「真実に破壊されるマーケティング常識」。20年くらい前に調査ですが、今読ん…

夕遊
2年前
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西遊記の旅の本当の話。『玄奘三蔵 史実西遊記』前嶋信次

『西遊記』でおなじみの三蔵法師。三蔵法師といえば、日本では玄奘のことだと思っている人も多…

夕遊
2年前
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日本女性の百年をふりかえる。『モダンガール論』斎藤美奈子

斎藤美奈子さんは、女の子には出世の道が二つあるといいます。それは、立派な職業人になること…

夕遊
2年前
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『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』香月美夜

以前、歴史読書系のblogで紹介されていたので、試しに読んでしてみた本です。小説投稿サイトで…

夕遊
2年前
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心をとらえてはなさなかった絵本。『九月姫とウグイス』サマセット・モーム

心優しい末っ子が成長して、いじわるな姉たちより美しくなる。これは、おとぎ話の王道。『九月…

夕遊
2年前
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懐かしの名著といったら怒られる?『京都人だけが知っている』入江敦彦

学生時代に、友達に何度も案内してもらった京都。その後、しばらくして久しぶりに歩いた京都の変わり様にびっくり。とくに、河原町は私の知っている河原町じゃなくなっていました。 本屋さんの看板が変わり、京都っぽい店が減って、ゲームセンターや安売りのお店になっていました。なじみの紅茶屋さんは、なんとか見つかったけど、値段がすごく上がっていてショック。寂しさをかみしめながら、本屋で見つけた、この『京都人だけが知っている』を読みました。 「三代住まないと京都人になれない」。「京都の人に

「研究者あるある」傑作選。『さいえんす川柳』

毎年サラリーマン川柳が話題になるように、川柳ってクスっと笑えて、おもしろいですね。最近、…

夕遊
2年前
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猫と散歩してカフェでお茶したい。『ぼくが猫語を話せるわけ』庄司薫

奥様でありピアニストである中村紘子女史の飼い猫、シャムのレオナルド・ダ・ピッツィカート・…

夕遊
2年前
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デジタル監視は14億人を統制できるか?『中国「コロナ封じ」の虚実』高口康太

AIやIT方面に詳しい、定評あるフリーのジャーナリストさん。東大の伊藤亜星先生や、神戸大の梶…

夕遊
2年前
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たどってみたい場所。『台湾 近い昔の旅』又吉盛清

リトル東京のような台湾の首都、タイペイ(台北)。日本人にもおなじみの店の看板が多くて、整…

夕遊
2年前
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「骨」をめぐる民俗宗教。『骨のフォークロア』藤井正雄

骨について調べてみたいときに読んだ本。専門知識がないと、ちょっと読みにくい部分もあるけれ…

夕遊
2年前
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映画のような物語。『碁を打つ女』シャンサ

舞台は、1937年の「満州」。中国東北部の厳しい寒さの中で、広場に集まって男たちが碁を打…

夕遊
2年前
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明治政府のサプライズ人事。『お殿様、外交官になる』熊田忠雄

明治維新によって、近代国家への歩みを始めた日本。ヨーロッパやアメリカに追いつくために、新政府はいろんな官僚を視察や留学に派遣しました。多分、新政府のいろんな官庁の中で、一番海外情報が必要なのは外務省。多くの外交官が海外に派遣されました。 どんな人が明治の外交官になったのか。明治維新というと、江戸時代から一気に新しくなったというイメージがありますが、実は旧大名とか旧公家、旧幕臣の人たちが結構いて、目端のきいた彼らの中には若い頃に息子たちを海外留学させて、その後の就活に備えたと