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岸見一郎『愛とためらいの哲学』

 2023年、記念すべき読み終わった一冊。部屋で長いあいだ読まれてない数々の本を無視して、「いま、この本を読まなくては」と思い、読み始める。読み終わって「愛することは勇気が必要だ」という想いを抱く。

 昨日、初めて彼女を両親に会わせた。引越しの準備をするという理由を建前に、車に乗って小1時間ほどドライブし、実家に帰った。車内でぼくは「家に帰りたくないな…」と本音を何回か漏らしていた。それは家が無くなるという現実から逃げたいのもあったし、彼女が両親に受け入れられなかったらどうしよう、という不安もあった。「大丈夫」と彼女が言うので、それ以上は何も考えず、「きっと大丈夫だ」と信じることにした。

 家に帰る。彼女を両親に紹介する。何か飲み物はいる?と聞いてきた母に「彼女はカフェインがダメなんだ」と言うと、気遣ってお水を渡してくれた。ぼくは無糖の午後の紅茶を飲む。
 引越しのパッキング中に「今日、おでんを作ったから家で食べて行く?」と聞かれたので、食べて帰ることにした。彼女はぼくの家で人生で初めてのこたつ体験をした。「これがこたつなの!?」という驚きが目に宿っていた。
 おでんを食べて、彼女の母国の文化や食べ物の話をした。ぼくも初めて聞く話があって面白かった。母は持ち前の好奇心から出てくる数々の質問を彼女にする。彼女はそれに答える。うむ。父は恥ずかしそうに、敬語で、ゆっくりと自分の好きなことを、彼女に、話しをしていた。

 ご飯を食べ終わり、飼っているペットと遊んでリラックスすることが出来た。勇気を出して、彼女を両親に紹介できて良かった。ぼくが車内で抱いていた不安は安堵に変わった。

 「勇気を持つ人だけが、愛を実現できる」

 ぼくは他の人より時間が掛かる人間だけども、ゆっくり一歩一歩前に進んでいけたらと思う。

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