快食ボイス240・ラーメン1,000円の壁問題についての課題整理

■ ラーメンの価格に対する考え方

はい、こんにちはシャオヘイです。快食ボイス。
最近、アスマークという会社が実施したアンケートにおいて、ラーメン1,000円の壁というのは未だに抵抗があるという人がとても多く、9割を超えるという調査結果が出ていたので、このことについてちょっと深掘りして話をしてみようと思います。
僕自身は材料費が上がれば、いいものを作ろうと思えば売価が上がるのは当然なので、1,000円超えてもおいしいラーメン出してほしいと思います。
逆に500円で提供するラーメンがあってもいいと思います。
結局、値段なりの価値が提供できていればいくらだろうがいいじゃないかというのが 僕の考え方なんです。
こういう考え方でやっている業態というのもあって、例えば蕎麦とかがそうです。
立ち食い蕎麦はすごく安いけれど、お腹いっぱいにならないのに1,500円ぐらい取る蕎麦店というのは普通にあります。
でもそういうちょっと高級な蕎麦店に対して、1,500円も取るのにお腹いっぱいにならないじゃないか、高すぎるじゃないかみたいな指摘は誰もしないわけです。
これはなぜなのかということなんです。
同じようにフレンチとかイタリアン(パスタ専門店とかじゃなく)ちゃんとしたイタリアンとかね、フレンチの店に行ったりなんかすると、男性は僕一人しかいないみたいなことよくあるんです。
男性でフレンチとかイタリアンとかのちゃんとしたところに行かないって人は結構多いと思うんです。
女性はまあまあ行きますけれど、そういうところに行って、この値段は高いとか安いとかあんまり言わないんです。
ランチでも5,000円以上する店というのは普通にありますが、そういう店に対してランチで5,000円もするなんて高すぎるっていうことを誰も言わないわけです。
なぜなのかということなんですけれど、こういう店は業態的に蕎麦が好きな人は高くても行く、フレンチとかイタリアンなんかもそれだけの値段でもそれでもいいと思う人は行くっていうことになっているわけです。
つまり、行く人と行かない人というのが分かれちゃってるんです。

■ 国民食における価格と料理形態の関係

だけどラーメンっていうのは 国民食の一つになっているので、比べるならば牛丼とかハンバーガーと一緒なんです。
牛丼店が値上げするとかなったら値上げになりましたみたいな感じで ニュースになりますよね。
ハンバーガーもマクドナルドなんか、そんな感じです。
国民食という業態で仕事をしている以上、どうやっても値段について言われてしまうのは仕方がないんです。
これは広島ならではの業態でも同じようなものがあるんです。
お好み焼です。
お好み焼も1,000円超えてないですよね。
やっぱりお好み焼きは庶民の食べ物だみたいに言われて、なかなかベーシックなお好み焼きが1,000円超えるというふうにはなってないです。
こういう自分たちの食べ物であるお好み焼きなんかは、県民食、市民食かもしれないですけど、そういう料理形態というのは、どうしても値段に対する抵抗感というのは 強くなりがちです。
でもその分だけ多くの人に愛されているということです。

■ 料理の業態変化と値段上昇について

例えばラーメンが今後、蕎麦とかフレンチとかなんかと同じような、好きな人は行くけれど、そうじゃない人は行かないという業態に移行していこうと、業界全体としてそういう方向に行こうとするならば、値段をガンガン上げやすくなるけれど、食べない人は全く食べない料理になると思います。
どちらの道を行くかなんです。
国民食とか、そういう多くの人に 愛される料理を目指すとどうしても値段的には制約がつきやすいというのはあると思います。
ただじゃあ値上げというのは難しいのか?
そんなことはなくて、今のような民主主義が始まって、市場経済が成熟した中で、材料費の高騰による値上げというのはありとあらゆる業態で行われてきたことなんです。
これラーメンだけの話じゃないんです。
小売りやちょっとした製造業なんかやっているところはいろんな対策を打ってきた。
マーケティング戦略の中ではものすごくありがちな内容なんです。
だからマーケティングをちゃんと調べると、過去にさまざまな業態の中で、どのような形で値上げを容認してもらえるよう動いてきたのかというのは知見が積み上がっているんです。
こういうのを体系的に勉強すれば自分ところの店だったらこのやり方が合うだろうなというものが見つかるんです。

■ MBAとマーケティングの重要性

こういうのを体系的に学んでいるのが MBA(経営学)です。
MBAというのは企業が成功したとき、失敗したとき、なぜ成功したのか、失敗したのか、それはどういう時代的背景があったのかなど、そういうことを学んで自分がビジネスをやっていくときに生かしていこうとする学問形態なのです。
同じようにマーケティングという学問領域があって、そこでは同じように知見が積み上がっているので、それを正しく学んでいくということは重要だと思います。
愚痴を言うよりも勉強したほうがいいということです。
いろいろあるので端的な言い方になりますけど、材料費が高騰しているから値上げしますというのは、あまり良い策じゃないんです。
これはどちらかといえば下策になります。
上策というのはもっと上手な別のやり方というのがちゃんとあるし、そういうのは知見がちゃんと積み上がっているということです。
このアンケートを見ていて少し救いがあるなと思ったんですが、20代の人は比較的1,000円の壁に抵抗がないみたいなんです。
一番やっぱり抵抗が強いのが50代の人みたいなんです。
これはホモサピエンス仕草というか、ホモサピエンスあるあるなんです。
自分の経験からそういうふうに感じてしまうというのは、これはしょうがないです。
50代の人は500円でおいしいラーメンが食べられていた時代を知っているので、僕なんかそうなんですけれど、そういう人はどうしても自分の経験上そこに抵抗を感じやすいです。
逆に20代の人というのは1,000円近いラーメンをおいしく食べてきた世代なんで、おいしければ別に1,000円を超えてもいいという抵抗が少ないわけです。
なので若い人をとにかく大切にして、彼らを育てていくというのは戦略的にものすごく正しいというか、業界的にこういうのはやっていったほうがいいわけです。

■ 中年世代の健康意識と若者重視の傾向

どうせ50代の人はこれからラーメンをそんなに食べられなくなる、いろいろ体の不具合とかがあるので、あまりここを重視してもしょうがない。
若い人たちをとにかく大切にしていこうとか、このアンケートから見えてくるわけです。
どうやったらという方法はロジカルに考えていくと、方向性というのは出せるものなので、このアンケートも中身を分析するとか、マーケティング理論というのをきちんと学んでみるとか、そういうふうなやり方で、1,000円の壁は簡単に乗り越えられるものではないけれど、ヒントはたくさんあるので、そういうことを学んでいくということが大切なんじゃないかなと僕は思います。
ではまた。

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