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広島市南区出汐「香 -xiang-」

この店のウリは中国の東北料理。
よく見ると、東北料理だけで一枚の品書きがある。
中でも酸菜粉、地三鮮、水餃子がオススメだ。
まだ食べていないが酸辣土豆絲、木須肉、西紅柿も旨いのではないか。
料理人の腕が良く、味付けが上品なので、何を食べても旨いけれど、料理人自らが子供の頃から食べていた料理は味の解像度が違う。
どういう味付けが正しいのか、自分の中に明確な基準があるので、自信を持って味を決めることができる。
エビチリ丼や天津丼なんて、東北地方どころか、本国のどこにもない日式中華なので、料理人には正解がわからない。
この店に限らず、その国の人が作る店では、料理人の出身地の料理を選ぶことが鉄則なのだ。

初めて訪れたのは2019年12月だった。
その時に食べたのは酸辛トウメン。

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これって台湾ラーメンでは?と思いながら食べた。
現在はメニュー落ちしているので食べることができない。
この時に驚いたのは酸辛トウメンよりも、ビュッフェの内容だ。

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これでも一部で、他にもたくさんあった。
下の写真は別の日のもので、時間が遅めだったので少なくなっているが、それでもかなり多い。
これとは別に、ご飯とスープもおかわり自由なのだ。

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スゴい店だが、それほど量を重視しない僕は足が遠ざかっていた。
しかしその後、この店に五目焼飯麻婆天津丼という、非常にユニークな料理があることを知った。
以前、訪れた時にはなかった料理だ。

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食べに行ってみると、どう考えても味がとっ散らかる組み立てなのに、ギリギリ踏みとどまっていた。
日本料理で言えば、炊き込みご飯の上に、玉子丼のアタマと天ぷらをのせたようなもの。
よほど慎重に作らないと、味の主張が強すぎてバランスしないのだ。
ところが、焼飯と天津丼のアタマ部分の味付けをかなり控えてあり、麻婆豆腐も品よく仕上げている。
発想はハチャメチャだが、この料理人、腕がいいぞ?と気が付いた。

そして夜の料理をよく見ると、酸菜粉があるではないか。
マジか!これも最初の時は品書きになかった。
という訳で、やっとこの店の真骨頂、酸菜粉を食べることができたのは、初めて訪れてから1年半ほど経った2021年3月だった。

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これがもう、思った通りの旨さ!
白菜の漬物の酸味と、豚の脂身のコクが程よいバランスで、コクがあるのに食べ飽きない。
さらに、そのエキスを春雨が吸って、モチモチと絡んで来る。
ニンニクの風味も下支えして、控えめに言っても絶品である。
熱いうちが断然旨いので、出てきたら速攻で食べることを勧める。
首都圏では「味坊集団」が東北料理を提供して人気を得ている。
広島でも少しは東北料理が注目されるようになってほしいと願っている。

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地三鮮も地味な料理だが、東北料理を代表する料理だ。
ジャガイモ、ナス、ピーマンというナス科三兄弟を素揚げして炒めてある。
ジャガイモは表面がカリッとして、中がホクホク。
ナスも表面はパリッとして、中はトロトロにジューシー。
ピーマンはシャクシャクで、甘い良い香りが広がる。
見た目は地味だが、テクスチャーが豊かで滋味深いのだ。
さらに味付けが甘塩っぱさだけでなく、微かに酸味を効かせてある。
これが味のフックになり、次々と手が伸びてしまうのだ。

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当然、水餃子も旨い。
焼餃子は業務用の皮を使っているが(そっちのほうが旨い)、水餃子は東北地方と同じように手作りだ。
そのまま食べても旨いが、一緒に出されるタレの味が良く、やはり腕がいいなぁと感心した。

とにかく料理の数が多く、日式中華も大量にあるため、そこから料理人の故郷の料理を見つけ出して頼むのがコツ。
これはこの店に限らない。
中国料理だけでなく、インド料理などでも共通するコツなので覚えておくと良いだろう。

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