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マネジメント層の皆様は、担当者のケアを忘れないでください

補助金申請や補助事業のサポートをしていて、難しい事例がある。
マネジメント層は前のめりだが、担当者が疲弊しているケースだ。
「補助金とは、会社や団体への補助ではなく、事業への補助」で書いたように、僕が伴走支援しているとはいえ、役所のロジックに戸惑いながら、補助事業を進めていると、担当者が疲れて気力を失うことがあるのだ。
そういう担当者の方々を励まし、勇気づけるのも僕の仕事の一つだが、当然ながら処遇を改善することも給与を上げることもできない。
マネジメント層がもう少し労ってくれたらと思うことがある。

ある企業は、3年間で1億円以上の補助金を獲得した。
僕はその3年間ずっとサポートしており、担当役員や経理の方が変わらなかったため、それなりに親しくなった。
補助事業がほぼ完了し、満額受領が確定的となったある日「これだけ貢献したのですから、金一封か特別ボーナスが出るのでは?」と軽口を言った。
すると寂しく笑って「金一封どころか、労いの言葉もありません」と言われるではないか。
業務としてやっているのだから、遂行して当然だとはいえ、1億円以上を真水で貢献したのだ。
売上にすれば何億円の価値があるかわからない。
僕は「それはちょっとしんどいですね」としか言えなかった。
それからしばらくして、次の補助申請をどうするかの話をしていると「3年間お世話になりましたが、疲れたのでちょっと休憩します」と言われ、4年目の補助金申請は行われなかった。

ボーナスを出せと言っているのではない。
それぞれの企業に、それぞれのやり方があるだろう。
しかし、大変面倒な申請書を書き、審査員に内容プレゼンし、採択を受けてややこしい書類整理を行いながら補助事業を遂行し、最後まで補助事業をやり切って補助金を獲得したのだ。
もちろん僕のような専門家のサポートは受けていても、大金が動く仕事なのでストレスは大きい。
初めて採択を受け、補助事業を行う企業の担当者は、行政庁の検査が入る際、必ず「ものすごく緊張します」とか「胃が痛いです」と述べる。
僕は検査には必ず同席し「大丈夫ですよ、何かあったらフォローしますから」と明るく声をかけることにしている。
名の知れた企業の優秀な担当者でも、行政庁の検査対応には大きなストレスを感じるのだ。

もちろん、そういうケアも仕事の一環だが、しょせん僕は外部の人間だ。
担当者の人事や給与を握っている上司からケアしてもらったほうが嬉しいに決まっている。

補助金を初めて受領し、初めて補助事業というプロジェクトを動かしているのに、担当者が何に苦労し、何に悩んでいるのか理解者が企業の中にいないケースもある。
僕はそんな事態を避けるため、事前に「一人で全部抱えず、会社内でチームを組んでやりましょう」と助言するようにしている。
担当者を孤独にさせないためだ。

人手不足が加速するこれからの時代、優秀な人材が貴重であることは改めて僕が指摘するまでもない。
補助金は上手に活用すると企業の成長を加速させる。
そんな大仕事ができる人材を大切にしてほしいと思うのだ。

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