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論語や孟子や老子は古典版自己啓発書なんだろかと考えた話。

皆さんは普段どれくらい本を読みますか?私は本を読むのが好きなので結構読んでました。
しかしここ最近は読む本の量が減っています。
以下がここ四年間の遍歴ですが、かなり激減していますね。
2020年90冊
2021年 117冊
2022年 40冊
2023年 29冊

2020年,2021年は年間100冊を目標としていた面もあるからですが、ここ2、3年で「果たして大量に本を読む事は、良い事なのだろうか?」とも思いました。

特に私は今まで仕事系や自己啓発系の本ばかり読んでいたんですね。

ホリエモンの本を読み漁ったり

あとは仕事で悩みがあったら、それ関係の本をドサッと買って読み漁ったり…

不安症なんです😇

こういういわゆる自己啓発書を読んで、もちろん新しい知識を知る事は出来て良い面もあったんですが…

正直読んで疲れていたんですよね(笑)😂

本を書いている人はみんな凄くて立派で、それに比べて自分はなんて駄目なんだろうって…

もちろん仕事で活用出来そうなアイデアや、自己肯定感が低い自分に目から鱗な考え方を教えてくれる本もあって一概には言えないんですが…

けど最近はそういう本を読むのを少し減らしてみたんです。

代わりにどんな本を読み始めたかというと、人の歴史や、物語、そして知識を得られるような本を読む事を意識し始めました。

例えばライブドア事件って名前は聞いたことあるけど、一体どんな事件だったのかな?と、思ったらこんな本を読んでみる。

読書メーターというアプリを使ってます

そうすると、事件の内容だけでなくて、なんでその事件がおきたのか、そして監査人という職業の方がどんな仕事をしているのか、どんな苦労があるのか知る事ができる…

面白い!
そしてすぐ相手を赦しちゃう自分には監査人は出来ない!と知る事ができたり。

他にもこんな本。

植物という視点から世界史の流れを見るという本。めっちゃ面白い。

戦国時代の日本では、同じ島国のイギリスと比べて、すでに六倍もの人口を擁していた。その人口を支えたのが、「田んぼ」というシステムと「イネ」という作物である。

世界史を大きく動かした植物より

この目次に書かれている文読むだけでもワクワクしませんか?!(私だけ?)

そして、そういう本を読んでから思いました。

私はそれまでいわゆる論語とか荀子とか老子とか中庸とかを買い漁っていたんですが「これって古典版自己啓発書なんでは?!」と(笑)

自己啓発書についてWikipediaで調べてみるとを以下のように記載されています。

自己啓発書(じこけいはつしょ)とは、人間の能力向上や成功のための手段を説く、自己啓発を目的とした書籍。自己啓発本、セルフヘルプ本、自助本とも。
主に人生について取り扱う分野であるため人生書の一種とも考えられ、人生指南書などの表現も存在する。

Wikipediaより

この定義からいくと論語の以下の文章なんてもろ自己啓発書ですよね。

朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり。
(朝、真理の道を聞くことができたなら、その晩に死んでもよい。)
過ちて改めざる、是を過ちと謂う。
(過ちを犯しても改めない、それを過ちというのだ。)

中国古典の便利辞典(小学館)より

論語は孔子の書いた自己啓発書…
じゃあホリエモンの書いた本もまとめたら、数百年後にはホリエモン語…みたいになってるかもと思うとちょっと面白いです。

あ、毛沢東語録とかがまさにそれに当たるんですかね🤔

けど、先ほども言ったように自己啓発書は正直読んでいて疲れる。
結局はその人の主張が書いてあるだけで、それが全て正しい訳ではありません。

だって孔子ですらこんな言葉残してますからね。

唯だ女子と小人とは、養い難しと為す。之を近づければ則ち不孫なり、之を遠ざくれば則ち怨む。
(女性と小人は、とかく対処のしかたが難しいものである。近づけて眼をかけてやると、慎みを忘れて不遜になり、逆に知らぬ顔で遠ざけると、怨みに思うものである。)

中国古典の便利辞典(小学館)より

めっちゃ失礼😂
原文を調べてないので話の前後関係は分かりませんが、女性だからって一括りにしないでくれる?男性でもそういう人いるでしょ?と、思ってしまいます(笑)

なので自己啓発書を読んでその作者の言っている事に傾倒するのはよろしくないなぁと常々思います。

そんな中で逆に自己啓発書っぽくない中国古典は史記や十八史略などの歴史系。
私としてはこちらの方が読んでいて楽しいです。
前にようやく十八史略の上を読み終わったのですが…

楽しかった(^^)

なんというんでしょう。
この淡々と語られるストーリー。
良いも悪いもめちゃくちゃ淡々と語られて、良い人も死ぬし、悪い人も死ぬし。
人生の儚さと色んな人がいるんだなぁと思わせてくれるところが、なんかたまらなく好きなんですよね~。

例えば春秋戦国の所に予譲という人の話があるんです。
主人の仇を討とうと思い、一度捕まえられて、放されても諦めず、妻も夫とは気づかない程の乞食の様な姿になってまで敵討ちしようとするんですが、最後には結局あっけなく殺されます。
最初に読んだ時「何やねん!この話!(笑)」と思いました😂
(気になる方は新釈漢文体系 十八史略 (上)の109ページを読むのです(笑))

これに何の解釈を入れていないのが良いんですよ。
このストーリーで「だから敵討ちなど考えるのはやめましょう」と言うのではなく、ただ淡々と語られてるだけ。
これが…爽快(笑)😂←変態か?

自分の解釈に委ねることが出来るって、とても楽しいんです。
自己啓発書はその人の考えの押し付けな気がします。
なんて言ったって「子曰く」ですからね🤣
子の言うことは絶対だぜー!みたいな。

あとは漢詩系も自分の解釈に委ねる事が出来るので、これも今後読んでいきたいなぁと思っています。

そんな訳で自己啓発書と中国古典についてあれこれ考えてみたというだけのお話でした!(笑)

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