メンバーに仕事を押しつける無責任なリーダー
メンバーに「任せてる」?
わたしの職場に「メンバーに仕事を任せている」というセリフをよく言うチームリーダーがいます。でも本当にきちんと任せることができているでしょうか。任せるという意味が分かっているのでしょうか。任せると頻繁に言う割にはそのリーダーはきちんと理解していないようなのです。任せるというよりも放任しているのです。
「任せる」と「放任」は当然ながら意味がまったく違います。任せるというのはリーダーが主体的にメンバーに仕事を割り当てて、任せた仕事がどうなっているかメンバーをフォローすることです。これに対して放任とは「とりあえずこの仕事やっといて」などと言ってメンバーに仕事を振ってそれっきり何もフォローしないことです。
仕事を任せる方にも責任がある
「任せる」の「任」という漢字を含む「責任」ということばがあります。「責」はしなければならないつとめや義務という意味で、「任」はまかせられたつとめという意味があります。仕事における責任とは自分自身に任せられた仕事を遂行する義務ということになるでしょう。チームにおいて、リーダーにはリーダーの、メンバーにはメンバーの義務があります。
チームのメンバーにはリーダーからの指示を遂行する義務があります。仕事を任せられたらその仕事を最後まできちんと進めなければなりません。そしてその仕事の進捗状況を逐一リーダーに報告し、最後まで与えられた仕事が完了できるよう適宜軌道修正しなければなりません。
それとは反対に、仕事を任せた側のリーダーにも義務が発生します。メンバーに仕事を任せるというのは、仕事を実行する義務をメンバーに課すのであって、その仕事の責任そのものはリーダーにあります。仕事の成果の責任までメンバーに任せることはできません。仕事を任せられたメンバーがきちんと成果が出せるように見守って、時にはアドバイスをしたり仕事をしやすい環境を与えなければなりません。仕事を任せるとは、リーダーがメンバーに仕事を丸投げすることではないのです。
仕事を単に「任せる」だけでは無責任
チームのメンバーはそれぞれの役割を全うすることがミッションです。リーダーは各メンバーがパフォーマンスを最大限に発揮できるようにメンバーに気を配り、全員の仕事を合わせたチーム全体の成果に対して責任を負います。
リーダーは軽々しく「メンバーに任せてる」と発言してはいけないのです。任せてると言うリーダーほど現場のメンバーがどういう仕事をしているのか具体的に把握していません。リーダーはチームの全責任を負いますので、メンバーに仕事を任せたからといってリーダーの責任はなくならないのです。成果が出ないときなどにメンバーに任せているといって逃げるリーダーはもうリーダーを辞めましょう。「任せる」を言い訳にしてはいけません。
リーダーのみなさんはメンバーに仕事を「任せる」まえに仕事意識してみてください。
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