科学と人類社会 野依良治教授の講演

みなさんが今、お使いになっているすぅーっとするメンソールは、光学異性体のL型(左手型)

ゴーギャン

“われわれはどこから来たのか われわれはなにものなのか―”

←これに答えを出すためや真実を探求するために化学をやっている

我々は宇宙における燃えカスに過ぎない

そして巨大な太陽系さえも

人類の自己中心性からの脱却

謙虚に生きなくてはならない。×強欲

1/25/10=1÷25÷10

物質と反物質との相違を判別する

きわめてささやかなはかない存在。

生命体と人間

人間と人生の無限の多様性こそが人類存続、社会持続の根源である。他方、これが社会的軋轢、不安定性を生む。

数学原理、科学法則に厳密に支配される。しかし、現象は条件に依存し多様である。

人間が生きる意味は?

ミクロ 自己実現←目標は何か?

マクロ 世代の継承

①種の保存(DNAの伝達) みなさんもぅ、お済でしょう。

②文化の伝承←息子二人、一応義務をはたしているが、まだ生きている。

…なぜか?

自己実現 目標←じぶんで決めてー

教育に疑問∵受動、受け身にならざるを得ないため。

ケーススタディ

左右非対称性―無生物質(←これへのチャレンジ)の化学と生物物質の化学との間にはっきりとひける唯一の境界線。

(パスツールの話:割愛)

鏡像体と生物活性

ういきょう(フェンネルのこと)の左手形とスペアミントの化学構造

ちょうど鏡に映したように左右対称

( R )-BINAP 遷移Fラル

これがうまくいったのは、先生が日本人だったから。美しく見える。

美しさと触媒がー機能がーどうのこうの。

東洋人は回転対象がすき―柳宗説「用の美」

西洋人は平面対象がすき―ドイツ Bauhaus運動「機能は美なり」

人類が生存していくためにきわめて本質的

両方とも相互関係

科学と芸術は共に自然と人間の対話である。

知性、感性、技術、自己実現と社会のため

豊饒な日本文化 世界にないもの

日本人は非常に可能性をもった人種

科学と芸術における創造性

科学と芸術の創造性の根源がそれ自身の内部にいるとは限らない。

キュビズム

(パプロピカソ アビニョンの娘たち)が透視図法を追及

相対性理論が空間と時間の絶対的地位を覆す

☆哲学者 ポワンカレの「科学と仮説」幾何学

Ex.)地球から月を観測した場合、月の表側しか見えない。

月の裏側は地球にいたままでは見えないが、宇宙へ行けば見ることができる。

∴一点に留まっていても全体は見えない。ものごとを総合的に見る。自分から動く。

科学と芸術の関係

科学も芸術も―Jプロノフスキー 『知識と想像の起源』

文学的知識人を…一方の…理解しようとしないことだ―

C.P スノー『二つの文化と科学革命』

(中略)

☆科学と社会のかかわりは時代の宿命である。時代が必要とする知は何か

☆文化を学ぶ文明に向けて

文化―精神的特質、永続性をもつ

≪言語、情緒、論理、科学が四大要素≫

文明―文化に人知による技術的物質的所産を含めた社会の状態。

現代文明は後者の要素が強い。普遍的で拡張伝搬し進歩し続ける。

人類存続に向けて

ハイデガー(1889-1976)

人間は死に臨む存在である。

しかし人類は自らの愚な行為で破滅に至る存在であってはならない。

⇒知の統合を!

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