見出し画像

シン・ゴジラみました(とてもネタバレ)

『シン・ゴジラ』。満を持して、東宝の。

個人的な思い入れを差し引かずに言うと、超最高だった。エンターテイメントとしても、ドキュメンタリーとしても、ゴジラ映画としても最高だ。庵野秀明本人が語っているように本作は1954年の第一作『ゴジラ』を徹底的に意識した、現代のゴジラ第一作になっている。第一作を観ているとあれやこれやと考察が膨らむのだが、もちろんゴジラをはじめとする特撮シリーズ、エヴァ、ナディア等々を見たことがない人でも十分に楽しめる内容になっているのではないだろうか。意外だったのは、見たあとに元気になることだ。それだけエンターテイメントとして楽しめる作品なのだ。(もちろん細かな突っ込みどころは多い)

21世紀の現代に突如現れた異形の生物であるゴジラは、虚構として圧倒的な存在感を誇る。敵わない恐怖、無力感。日本(の政府)は現実的な対応を進めていくが、徐々にゴジラ=虚構のフィールドに引きずり出され、そこで戦うことになる。その戦いで日本は個人ではなく、チームとして共闘すること選ぶ。そのため数えきれないほど登場する専門用語、肩書、名前は全く重要ではない。この映画に2014年のハリウッド版のようなヒーローはいない。3.11であるべきだった、チームとしての日本の強さ、正直さ。このチームワークが見られるのが、虚構に突入してからというのがなんとも皮肉だ。虚構と現実が入り混じり、ラストでは虚構と共存することを選択し、虚構は現実となる。張り詰めた空気を残しながら。

日本政府を中心にドキュメンタリーのように物語が進んでいくのが本作の大きな特徴だ。思えば空想映画で特定のヒーローが活躍するのも、イチャイチャしているカップルも、家族愛も、もう見慣れている。本作では、国が動くのかという点にフォーカスしてブレない。思えばそういった詳細なシミュレーションは怪獣映画で見たことのない新しい視点だ。しかもそれがテンポよく進み、退屈ではない。

市民の描写も忘れていない。スマートフォンで撮影、生中継、翌日はなにもなかったように登校、ガイガーカウンター、デモ……どこかで見たことがある情景だ。

話がずれるが、「正義の味方でも市街地で激しく戦ったら一般市民が巻き添えになるだろう」という誰もが感じていた疑問をテーマとして扱った『ガメラ3 邪神覚醒』もおもしろかった。その特技監督を務めた樋口真嗣の大胆さは本作でも存分に発揮されている。

本作のゴジラ

本作のゴジラは過去作との関連は全く無い。劇中の世界で初めて登場する巨大不明生物だ。恐ろしいスピードで進化する異形の生物。ゴジラ史上初の4つの形態。ラストは尾から人型に進化し始めているような描写もある。

全く予告されていなかった爬虫類のような姿はなかなか刺激的だ(なんであんなに血を吹いているんだ、痛いなら進むのやめろよ…)ゴジラは進化するにつれ、徐々に第一作を意識したゴジラらしい形になっていく。しかし冷静になってみると、本人に殺意や憎しみがあるのかどうかもよく分からない。ただ意思疎通は無理なのは確実で、明らかに触れてはいけない存在だ。ギャレス・エドワーズの描いたゴジラのように生態系の頂点でバランスをもたらす存在ではない。

第一作のゴジラは水爆実験で目覚めた怪獣であり"戦争と核の恐怖"を直接的に訴える存在だった。戦後、ビキニ環礁の水爆実験、第五福竜丸の被爆という当時の時代背景から生まれたゴジラは、恐ろしい姿のなかに物悲しさが見え隠れしていた。本作のゴジラは"戦争と核の恐怖"が全面に押し出された印象は受けないが、これまで同様に古代生物が核(核廃棄物)触れて生まれたことは言及されている。恐怖というよりも、自らの責任で生み出したものは向き合って、共存するしかない、というメッセージだろうか。

これまでのシリーズのゴジラは、最初からゴジラたるものとしてスクリーンに現れていた。ゴジラの子供が描かれる作品もあったが、ミニラは見た感じ腹違いだし、ベビーゴジラは生まれた時からゴジラだった。そういう意味でゴジラには神っぽさがあったのだが、本作の形態が進化するゴジラは生々しく、生物っぽく、純粋な印象を受けた。こんな姿になってしまったが認めてほしい、そして否定は許さない、という雰囲気がある。人の目をしているからだろうか。人っぽい。見下ろし、反応を試しているようだ。

本作のゴジラがなぜ日本の東京に上陸するのかは示されていない。第一作のゴジラ上陸コースは東京大空襲におけるB29の爆撃ルートをなぞっているという話がある。厳密に同じというわけではないらしいが、太平洋戦争の被害にゴジラを重ねている。しかしゴジラと日本は戦争状態にあるわけではない。本当に敵意があるのだろうか。

なぜゴジラは日本に来てしまうのか。この疑問を作中ではっきりと示したのは『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃(以下GMK)』だ(たぶん)。平成ガメラシリーズを手がけた金子修介監督によるGMKのゴジラは、作中で「太平洋戦争で犠牲となった数多くの人々の怨念の集合体」であり「忘れてしまった現代人への怒り」であると語られている。実際、GMKのゴジラは白目だし、凶悪だし、最強だし、そうとう怒っている。敵意むき出しだ。そういうことなら仕方ない。

もちろん作り手の頭の中にはゴジラとはなにか、なぜ日本を目指すのかは設定されているのだろう。この問いには正解がなく、受け手がそれぞれ考えれば良い話なのだが、東京湾で発見されたボートの主、牧悟郎教授の存在は引っかかる。結局最後まで1つの謎として残ったままだ。彼は東京湾で一体何をしたのか、なぜゴジラはあそこにいたのか。「最後に何を好きにしたんだ?」という矢口のセリフのあとに映るゴジラの尾。不気味な金属音を響かせたその尾は、ラストシーンで人型に分裂を始めている。牧悟郎がゴジラの一部となっていることを思わせる。

また、本作のラストでゴジラが固まった先には皇居がある。ゴジラは一体どこまで進むつもりだったのだろうか。そういうことを考えるのもおもしろい。

楽曲

本作には「ゴジラ」「キングコング対ゴジラ」「メカゴジラの逆襲」「宇宙大戦争」「怪獣大戦争」といった昭和シリーズの楽曲がオリジナルのモノラル音源で使われている(サントラのライナーノーツになんか書いてあるらしい…)。伊福部昭の説得力を実感する部分であり、ゴジラ映画だと再認識させらせる。エンドロールで流れる「ゴジラvsメカゴジラ」のメインテーマには個人的な思い入れもあり、感極まった。しかし実際のところ、当時のままの楽曲は異色な雰囲気を放っている。だが、ここがこの映画の良いところだ。本作が特撮少年庵野秀明の「僕の考えた最高のゴジラ映画」であり、ゴジラファンは彼に自分を重ねる。この演出はこれまでのシリーズを観てきたファンにしか通用しないかもしれない。それでもこれらの楽曲を劇場で聴けるというのはファンの夢であり、本作が東宝のゴジラなのだとはっきりと示している。

そして本作の巨大不明生物としてゴジラ、恐怖を表現するのは鷺巣詩郎だ。映像表現を強化し、感情を揺さぶる素晴らしい仕事をしている。ぜひ音響の良い劇場で聴いて欲しい。また『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で『ふしぎの海のナディア』の楽曲が流れたように『シン・ゴジラ』ではエヴァンゲリオンでお馴染みの「Decisive Battle」が使用される。これが会議のシーンにバッチリとハマっているのでおもしろい。たびたび言及されているが、カット割など、本作にはエヴァ的な表現が随所に見られる。そもそもエヴァが特撮的なのであり、彼が似た表現を用いるのは当然であろう。彼の夢見てきたものが『シン・ゴジラ』に凝縮されている。鉄塔は最高。

***

真面目に書いてしまった。まだ1回しか見てないから間違ってたらごめんよ。

僕ゴジラめっちゃ好きなんですよーーーーめっちゃ!!!庵野秀明さん、もう大好きって感じだ!!

リアルタイムで劇場で見たのは「ゴジラvsメカゴジラ」でした。小林清志さんのナレーションで予告するやつね。生頼範義さんのイラストと実物全然違うやつね。メインテーマ曲が最高のやつね。海底からメカキングギドラを引き上げて云々のやつね。もうね、メーサー全然効かないの。だけどGフォースマーチめっちゃ良い曲なの。勝てるかもなって気がしてきちゃうの。でもラドンが謎のチート発動するの。ね?

まぁそんなこんなで。伊福部昭さんも大好きになりまして、初めて買ってもらったCDは『東宝怪獣行進曲2』だったりして。生まれて初めてハマった音楽は、ゴジラとスーパードンキーコングだったなぁとか思い出すわけですよ。ああノスタルジー。今でもサウンドトラックのようなビジュアルを想像できる音楽が好きです。

で「ゴジラvsデストロイア」で1回シリーズが終わるじゃないですか。スーパーXⅢの曲が最高にぶち上がるのね。そして「レクイエム」からのエンドロールの感動と言ったらそれはもうね。将来は映画監督になってやろうと思ったよね。悲しかったなぁあの時は。全怪獣のソフビほしかった(結構高い)。

遡って昭和のシリーズ、特に1954年の『ゴジラ』1971年の『ゴジラ対ヘドラ』見て、その社会性に衝撃を受けた。小学生の自分は第五福竜丸事件のことなど全く知らなかった。プロジェクトXで「ゴジラ誕生」って回があったんだけど、もっかい見たいな。

で今度は平成ガメラシリーズですよ。

もうね、歴史に残る最高のシリーズ。さっきも見直しちゃったし。金子修介監督と樋口真嗣特技監督ね。曲は大谷幸さんね。これまた最高(のちにGMKでゴジラもやるんだけどね)。自衛隊がカッコイイの。めっちゃ。そしてレギオンね。ビオランテと並ぶかっちょよさ。人間の目線で怪獣を撮るとこうなるのかとか、見せ方が衝撃でしたよ。いま見ても凄い。いま見ても全然問題ない。

そりゃ確かにCGはローランド・エメリッヒのトカゲのほうが凄かったよ、でも見せ方でまだまだやれるやん!って思ったんだ。くうううんくううん、投機を凌駕、ロックオンできませんってとこととか、雨を砂で表現してるところとか。興奮してきてもうめちゃくちゃだよ。あー入ってて良かったアマゾンプライム。渡良瀬二佐!(『シン・ゴジラ』で怪獣映画見たくなった人がいたら、第一作『ゴジラ』と平成ガメラシリーズを見ればOK。わりとまじで)

その後ゴジラ復活するんですよね。ミレニアムシリーズ。なんか違うの。いや、嬉しいんだよ。嬉しかったよ。でもなんか違うの。これは自分が大人になったということなのか? なんて困惑したよね。「機龍の背びれ、ぐにょってなった」とか気にしちゃってさ。純粋に楽しんでいた俺はいずこにって感じだったよ。GMKは良かったけどね。まぁ基本的に話はあんまりおもしろくないからなぁ。

海外発では『クローバーフィールド』きて『パシフィック・リム』きて、ギャレス・エドワーズよ。『モンスターズ』がすげえ良かったから、期待してたの。まぁ良かったよ。でも生態系の頂点的なのはちょっと違うなとかさ。色々思っちゃうわけ。画面暗いし。5回くらい見たけど。いや、好きだけど、シリーズ化するらしいし、楽しみだよ。そしたらギャレス・エドワーズ降板したらしいじゃん。まぁ劇場で見られるんならなんでも良いや!キングギドラ!

そしたら今度はガメラよ。リブートする雰囲気?映画やんの?よくわかんないけど頼むぜ!!?かどかわ!!

で、どれだけ待ったことか。制作発表が4月1日だったからもうヒヤヒヤよ。嘘だったら死んでた。ガッツポーズよ。最高でした。総理!打ちますよ!いいですね!!?お願いいたします~!叫びたかったね。CGも上出来よ!そりゃハリウッドと比べたらあれかもしんないけど!感極まった。泣きそう。嬉しくて嬉しくて。これこれ、こういうのって思った。うん。見て。まじ。笑えるし。背中と尻尾からビーム??!きゅいいいいんっていったぞ!よっしゃー白組!!無人在来線爆弾!!???曲が!!!!宇宙大戦争!!?エンドロールは怪獣大戦争!?vsメカゴジラ!!やったー!!そんなことよりサントラはどこで売ってんだよ!!くそが!!続編はやめとけ!!!おれもゴジラ撮りてえ!!!今日もっかい観るわ!!!!おーーパンフレット買えてねえええええLOVE東宝&庵野!平泉成!!!


また一歩、天国に近づくのです...💃