Logitech G×OMRONの『Romer-G』スイッチが好きだった。
こんにちは、じーゆうです。
最近『REALFORCE』が気に入っているって話をよくしていますが、実は僕は元々Logitech G(Logicool G)の『PROキーボード』に搭載されていた『Romer-G』スイッチが大好きでした。
今日はその『Romer-G』スイッチの良さについて語っていこうと思います。
OMRONと共同開発したゲーム向けキースイッチ
このスイッチ、よくあるCherry MX互換スイッチではありません。
Logitechが、OMRON(オムロンスイッチアンドデバイス株式会社)と共同で開発した独自のスイッチです。
このスイッチは、ゲーマー向けに一から設計されました。
そこでLogitechがOMRONに出した要望が以下の通り。
ショートストロークであること
長寿命であること
打鍵音が静かであること
ソフトなクリック感があること
ライティングがキーの真ん中を照らすこと
そしてそれについて私の感想も混ぜながら説明していきます。
ショートストロークであること
通常Cherry MXスイッチは4mmのストロークですが、『Romer-G』は「3.2mm」。
そしてアクチュエーションポイントが「1.5mm」と浅めになっています。
これにより、ゲームでの反応速度を早め、連打もしやすいよう設計されているんですね。
実際、いわゆる茶軸スイッチや赤軸スイッチよりも明らかに底までが浅いのですが、浅すぎることによる心地悪さもなくスムーズな打鍵感を生んでいると思います。
長寿命であること
当然寿命は長ければ長いほど良いですが、具体的には「7000万回」と、Cherry MXスイッチの5000万回を超えた耐久性を目指したようです。
打鍵音が静かであること
『Romer-G』はいわゆる「静音スイッチ」ではありません。
しかし、ゲームプレイ時にうるさくないよう音についても拘られています。
具体的には、スイッチを押したときに底に当たる部分が、ダンパーのようになっていて、Cherry MXスイッチのような甲高い音が鳴らないようになっています。
追記:改めて確認したところ、おそらく『PROキーボード』から採用された黒色のハウジングの『Romer-G タクタイル/リニア』スイッチでは、ダンパーはなくなっていました。ただCherry MXスイッチより静かな打鍵音にはなっています。
ソフトなクリック感があること
打鍵感はCherry MX Brown(いわゆる茶軸)に寄せたようで、何度も設計とテストを繰り返しながら調整していったようです。
実際の打鍵感はCherry MX Brownと少し異なり、1mmほど押したところで一瞬感じる凸が、Cherry MX Brownよりも少し小さい引っかかりといった感じです。
ライティングがキーの真ん中を照らすこと
Cherry MXスイッチは構造上ど真ん中を照らすことはできません。
だからキーキャップの印字も上の方にあります。
しかし、『Romer-G』は印字が中心にあり光漏れが少なく、しっかり文字だけが光っています。
今の流行りはむしろ光漏れで周囲まで照らせるようなキーボードが多いですが、文字だけを見やすく光らせる、というのもどこか悠然としていて好きです。
無駄のないまさに“プロ”の設計。
といったように、かなりゲーマーのことを考えて作られているんですね。
無駄を省き、勝つための要素を詰め込んだようなスイッチ。
そして実際の使用感も素晴らしかった。
打鍵音も比較的上品な音で、ルブ等Modificationしなくとも快適な打ち心地で、Cherry MX Brown(茶軸)よりもより整然とした印象を受けます。
公式サイトにもありますが、「静かでありながら確かなフィードバック」を感じるんですね。
作動点がタクタイルポイントを少しすぎたとこにあり、まさに確実性が保証されているような打ち間違いのしづらい使用感でした。
光が横から漏れないのも良い。
「ゲームで勝つために、光が漏れる必要はないでしょ?」という意図を感じました。
『Romer-G リニア』について
『Romer-G』登場後から数年経ち、リニアバージョンのスイッチ『Romer-G リニア』も誕生します。
私はこのスイッチが採用されたキーボードを使ったことはありませんが、量販店で試打した感じではストロークが浅めのスムーズなリニアスイッチでした。
タクタイルバージョンもそうなんですが、上下左右へのキーのぐらつきが少ないのがとても良かったです。
スイッチのハウジングを大きく使った“軸”になっていたため、安定感が全然違いました。
『Romer-G』の欠点
ここまでは緻密に考えられて作られた理想のキースイッチのようでしたが、僕が思うに2つ欠点がありました。
まず、Cherry MX互換でないため市販のキーキャップが使えないこと。
まぁこれはキーキャップを変えなければいいだけなのでそこまで問題ではないように思えますが、次の欠点が強く関わってきます。
それは、キーキャップのツメが折れること。
どの程度発生している破損かはわかりませんが、僕の使っていた『G PROキーボード』では左下Ctrlのキーキャップ側のツメが折れてしまいました。
さらにそのツメがスイッチ側に残ったままなのでどうすることもできません。
僕は、AliExpressから『Romer-G』スイッチのみを取り寄せ、キーボード本体を分解しハンダごてでスイッチごと交換しました。
キーキャップは右のCtrlと入れ替え、一応事なきを得ました。
この破損が一般的かどうかはわかりませんが、Twitterや海外の掲示板(Reddit)でも報告している方がいたため、珍しいことでもないと思います。
キーキャップが交換できたとしてもスイッチ側にツメが残ってしまっては困りますし、これはもう設計上の欠陥かもしれません…。
『Romer-G』の今
2024年現在、『Romer-G』スイッチのキーボードはすでに販売されておりません。
『Romer-G リニア』が出て間もない頃に、今度は『GX Blue』というCherry MX互換のスイッチが登場しました。
それ以降新製品には『GX Blue』『GX Brown』『GX Red』スイッチが採用されるようになり、『Romer-G』が搭載されたキーボードは開発されなくなりました。
Cherry MX LowProfileのような『薄型GLスイッチ』が出たりと、Cherry MX互換のスイッチを開発する方向に舵を切ったようです。
確かに、ツメが折れる欠陥があるためそれで見限ったのかもしれませんね。
最後に
『Romer-G』、とてもいいスイッチで気に入っていました。
OMRONの開発力、すごいです。
最初にも申し上げた通り、現在僕は『REALFORCE GX1』を使っています。
打鍵感は正直言ってかなり素晴らしいです。
でもちょっと『Romer-G』も恋しくなる。
茶軸とは違うんですよ。Holy Pandaクローンもいいけど、それもまたちょっと違う。
タイタイルポイントまでの遊びも少なく、あのリニアなスイッチにクリック感を足したような感触、理想のスイッチでした。
ただ、今はゲーマー界隈では「Rapid Trigger」機能が話題です。
これは物理的な接点ではなく磁気を検知するスイッチ等を使い、より高速な入力を可能にしたものです。(『REALFORCE GX1』も対応しています)
『Romer-G』ではおそらく設計的に今から磁気方式に変えることは難しそう。真ん中にはLEDがありますからね。
といいつつLogitech G(ロジクールG)はまだ「Rapid Trigger」機能を搭載したキーボードは出していないので、そのために『Romer-G』を採用しなくなったわけではないと思いますが…。
『Romer-G』、とてもいいスイッチだったので突然『Romer-G 2』とか言って新製品出してくれないかな。
そうだ、その前にロジクールさんには日本でも「US配列(英語配列)」のキーボードを出してほしい。
僕は絶対JIS配列は使えない人なので日本からUS配列が買えないとなると完全に選択肢から外れてしまう。
そういう人も結構いると思うのでロジクールさんにはぜひ「US配列」のキーボードを日本でも販売することを検討して頂きたいです。
参考にした記事
『Romer-G』について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
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