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『J.Boy』

Show me your way!

浜田省吾『J.Boy』

こんにちは。
どうも、けこぜろです。

今回は1986年に発売された、浜田省吾10枚目のアルバム『J.Boy』よりアルバム表題曲『J.Boy』について。
浜田省吾を象徴する曲にして代表曲であり、ライブでも最高に盛り上がる曲です。


J.Boy

仕事終りのベルに
とらわれの心と体 取り返す 夕暮れ時
家路たどる人波
おれはネクタイほどき
時に理由もなく叫びたくなる 怒りに
J.Boy 掲げてた理想も今は遠く
J.Boy 守るべき誇りも見失い

果てしなく続く生存競争 走り疲れ
家庭も仕事も投げ出し 逝った友人
そして おれは心の空白 埋めようと
山のような仕事 抱えこんで凌いでる
J.Boy 頼りなく豊かなこの国に
J.Boy 何を賭け何を夢見よう
J.Boy…I'm a J.Boy.

午前4時 眠れずに
彼女をベッドに残し
バイクに key 差し込み
闇の中 滑り込む
すべてが消え去るまで
風を切り 突走る
J.Boy.
Show me your way!

水平線 昇る太陽の中 突き抜けたい

J.Boy 打ち砕け 日常ってやつを
           乗り越えろ もう悲しみってやつを
J.Boy 受け止めろ 弧独ってやつを
           吹き飛ばせ その空虚ってやつを
J.Boy…J.Boy

浜田省吾『J.Boy』

冒頭でも触れましたが、この曲は浜田省吾の音楽性の全てが詰まった曲となっています。
『J.Boy』は『Japanese Boy』の略で、「成熟しない日本」という意味も込められているそうです。
この曲が発表されたのはバブル景気の初期の頃。
社会への虚しさや怒りを感じつつも日々猛烈に働き続ける「J.Boy」が主人公であり、当時の日本社会の影の部分を捉えているのです。

今でこそ身に染みて分かる歌詞ですが、これを1986年当時に歌っていたということに衝撃を受けましたね。
僕はその当時は生まれてすらいないので、その頃の空気感は分かりません。
でもこの楽曲を歌うことで、当時の日本に警鐘を鳴らしていたということが思い起こされますね。

この曲はライブではほぼ必ずと言っていいほど歌ってきています。
ライブ終盤の盛り上がる定番の曲でしたが、2011年のコンサートツアーからこの曲の意味合いも大きく変わったのです。

ライブの冒頭にはこの『J.Boy』をミックスした新しい音源が流れました。
すごく現代的なアレンジで、スポーツの応援歌のような『J.Boy』のサビのコーラスが印象的です。
ライブが始まるという高揚感を感じさせる素晴らしいアレンジとなっていますね。

2011年のコンサートツアー『ON THE ROAD 2011 The Last Weekend』はこの『J.Boy Mix 2011』から始まりますが、『J.Boy』が歌われたのはライブ中盤以降。
CDではカットされていますが、長いイントロの合間にMCを挟んでいました。
その内容はこの曲が作られた1986年から2011年までの25年間の日本の歩みを浜田省吾の視点で振り返ったというものでした。

1986年、25年前、俺は33歳、この歌を作りました。
80年代半ば、戦争が終わって40年、「Japan as No.1」と言われアメリカを抜いて世界一の経済大国になる。
そう正にバブル経済、これから頂点に向かっていく、そんな時代でした。
でも、その頃俺が感じたのは、そんな中で少しずつ、日本人の持っていた慎ましさや謙虚さや勤勉さ、そのようなものが失われていっている、そんな風に感じました。

そして90年代、バブルは崩壊し国の財政赤字は瞬く間に膨らみ、格差は拡がり、あっという間に10年が失われました。
21世紀になって明るい未来が待っているのか、そんな風に思っていた矢先、9月11日、同時多発テロで世界は全く違う扉を開いてしまう。

そしてつい最近、世界的な金融危機。
あっという間に20年が失われた。

そして今年、3月11日。
間違いなく戦後最も困難な時期にこの国はあると思います。
しかしこれを乗り越えて、いつの日にか、多くのことを教訓にして次の世代に、そのまた次の世代に、何かを残していけるのかどうか、そんなことを考えなきゃいけない2011年だったような気がします。
そして25年前に、自分自身に問いかけた言葉が、あの頃よりもっと深い意味になって自分に返ってきました。

浜田省吾『J.Boy (ON THE ROAD 2011 "The Last Weekend")』

2011年当時、僕は20歳の子どもでした。
あれから12年。
次の世代に何かを残せているのでしょうか。

さて、『J.Boy』は毎回ライブではアレンジが変わっているのが楽しみな曲です。
2005年のはシンプルなアレンジ。
2011年はホーンにストリングスも加わって、1番豪華なアレンジとなっています。
YouTubeに映像はありませんが、2016年のライブ版は『J.Boy』30周年というのもあるのか、そこからホーンのみとなってオリジナルアルバムの原曲に近いアレンジとなりました。
1周回って原曲に近づくのは最高です。
どのライブでのアレンジも好きですが、やっぱり実際にライブに参加して思い入れのある最近のが好きですね。
今夜のライブでも聴けることを願っています。



まとめ

こんな感じで、浜田省吾の代表曲『J.Boy』の紹介でした。
MCを書き下ろすために久々にライブ映像を見たのですが、当時の思い出が蘇って目元が潤んでしまいました。
『J.Boy』は毎回ライブで違うアレンジとなるのが素敵ですが、最近のはオリジナルに戻りつつあるのが最高ですね。
今夜のライブもすごく楽しみです。

それでは、また。

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