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2023年ジャパンカップ、イクイノックスの不安要素

まあ私は結局イクイノックス本命にしてしまいましたけれども、一応不安点もない中で考えてみました。


1.ローテーション 初中3週過密ローテの課題

イクイノックスは元々体質が弱いと言われてた馬であり、出走間隔は広くとって出走させる方針をとられてきました。3歳秋以降は成長して体質は強くなってきたとはいえ、初の間隔に戸惑う可能性があります。

過去の天皇賞秋→ジャパンカップ連勝馬はすべての馬が中3週以内でのG1出走経験がある

①1999年スペシャルウィーク:3歳時中2週で菊花賞→JC出走
②2000年テイエムオペラオー:3歳時中2週でステイヤーズS→有馬記念出走
③2004年ゼンノロブロイ:3歳時中3週で青葉賞→日本ダービー出走
④2010年ブエナビスタ:3歳時中3週で秋華賞→エリザベス女王杯出走
⑤2020年アーモンドアイ:5歳時中2週でヴィクトリアマイル→安田記念出走


これまで天皇賞秋からジャパンカップの連勝または連続連対をしている馬は、それ以前にハイレベルの過密ローテを経験してきた馬が多いです。
代表例が1999年に天皇賞秋・ジャパンカップを連勝したスペシャルウィーク、2000年に天皇賞秋・ジャパンカップを連勝したテイエムオペラオー
スペシャルウィークはダービー馬でありながら3歳時に菊花賞からジャパンカップを中2週で出走。
テイエムオペラオーも3歳時に皐月賞馬でありながら菊花賞から中3週でステイヤーズS、ステイヤーズSから有馬記念を中2週で出走。
ともに出走間隔も短いですが、長距離レースからのG1出走でもありました。
この苦しいローテを乗り越えて2頭とも古馬になって強くなり、スペシャルウィークは天皇賞秋・ジャパンカップ連勝を含む古馬王道完全連対、テイエムオペラオーは古馬王道完全制覇を成し遂げました。
ゼンノロブロイは3歳時にG2青葉賞からダービーに中3週で出走して、翌年天皇賞秋・ジャパンカップ連勝を含む秋古馬三冠を達成。
またジャパンカップは快勝しつつ2着降着になってしまった天皇賞秋とジャパンカップを実質連勝しているブエナビスタも、3歳時に秋華賞からエリザベス女王杯に中3週で出走しており、翌年はG1に海外含め6戦出走し、天皇賞秋ジャパンカップを含むG1年間6戦全連対を果たしています。
最近のアーモンドアイですら、マイルですがヴィクトリアマイルから安田記念に中2週で出走の過密ローテを経験しており、天皇賞秋とジャパンカップを中3週での連勝につながっています。
そしてスペシャルウィーク、テイエムオペラオー、ゼンノロブロイ、ブエナビスタ、アーモンドアイは過密ローテ初経験時には敗れている点も共通しています。(0-1-4-0)と連対連勝が得意な馬たちが3着になってるのもローテの厳しさかもしれません。唯一2着のアーモンドアイは中2週とはいえマイルからマイルなので負担少なめローテでした。

イクイノックスが連勝を達成すれば、史上初めて中3週以下G1出走経験のない馬の秋天JC連勝になります。
まあ、今は間隔を広く使うローテが日本では主流なので今回のイクイノックスではなくても次に秋天JCの連勝をする馬は中3週経験のない馬になる可能性が高いとは思いますが。

この他、歴史的名馬でいうと天皇賞秋は大外枠の不利もあって2着に敗れてしまったものの秋天JCを連続連対している三冠馬シンボリルドルフも3歳時には菊花賞からジャパンカップまで中1週で出走という過密ローテを経験しています。これも無敗で出走しながら3着と初敗北となり、勝てませんでした。
どれほどの名馬でも初の過密ローテG1出走は難しいのかもしれません。まあ他の馬含め3歳時に経験した影響もあるでしょうけど。
イクイノックスは充実の4歳での初経験ということで、こなせる可能性も十分ありますが、もしパフォーマンスが落ちてしまった場合はこの影響が出た可能性が高いと思います。

「反動、疲労があるなら出走させない」「影響が出てるならプロには分かる」はあまり信用できない

この話はイクイノックスの今回についてよく言われてますけれども、競馬といえば「見えない疲れ」という言い訳がよく使われるように、正直良くも悪くも分かりません。
まあただ言えるのは確実に悪い時は分かると思います。でも確実に良い、確実に悪くないかどうかは分からないと思います。分かるなら故障とか急な惨敗なんて起こりません。
世界一の調教師といえる欧州のオブライエン師でも英愛ダービーなどを勝ったオーギュストロダンについて状態や適性を見誤り惨敗を何度もさせてるわけですから、状態に問題あったらプロなら分かる理論はあまり信用ならないと思います。
同じ木村哲也厩舎でもスキルヴィングが青葉賞から中3週でダービー出走してアクシデントが起こってしまいましたし、まあ疲労というより偶然の不運かもしれないですが。

また調教もしっかり積めていて、疲労の影響はなさそうというのも、逆にダービーのダノンベルーガが調教やりすぎて疲れてしまってたとかいう説があったり、アーモンドアイの凡走の有馬記念、アーモンドアイやグランアレグリアがVM楽勝の後の安田記念で負けた時ように状態良さそうに見えても結局レースではベストのパフォが出せなかったということがあるので、正直終わってみたら反動の影響も否定できないってことは十分有り得ると思います。
スタートしてレースをしてみないと本当の調子は分かりません。
まあ、スタートしてみたら調子の悪さが出ても結局3着は外さないと思いますが。

2.臨戦過程と戦法 逃げ先行した次走のスタートは鈍くなり先行できない

イクイノックスの先行・逃げレースの次走の戦法

ジャパンカップ予想(1)でも触れたことの繰り返しになります。
イクイノックスは自在な脚質と万能な能力、それを自在に操るルメール騎手の手綱さばきを武器に活躍してきました。
しかし、皐月賞では東スポ杯からぶっつけ本番G1でもいきなり先行し2着好走したものの、次走ダービーでは大外枠の影響もありますがスタートが遅く最後方からのレースになりました。結果後方待機に展開は向いたのですが勝ちは逃しました。
ドバイシーマクラシックではスローの展開もありハナに立ち逃げると末脚も伸びて圧勝しましたが、次走の宝塚記念ではスタートで躓き、行き脚も悪く最後方からのレースになりました。結果展開は後方待機に向きましたが、2着馬がスムーズなら負けてた可能性が高い覚醒後唯一の辛勝になりました。
そして今回も、前走天皇賞秋では先行して快勝しています。
これまで通りならジャパンカップでは出遅れたり行き脚が悪く後方からのレースになる可能性が高いということになります。
体質の弱さの影響もあるかもしれず、体質は改善して強化されてきているから今回は問題ないと思いたいところですが、皐月賞からダービーは中5週、ドバイから宝塚記念は海外帰りというハンデはありますが中12週ありました。
それでも影響が出たとしたら、今回は天皇賞秋から初の中3週という過密ローテであり、体質改善できていても影響を受ける可能性があります。

ただ、予想でも書いた通り、イクイノックスとルメール騎手は仮にスタートが悪くてもなんとかする対応力や能力があるので、スタートが決まらなくてもあまり大きなハンデにはならなそうですが。


3.斤量 古馬牡馬斤量58kgのジャパンカップは初開催

前述したスペシャルウィーク、テイエムオペラオーら他の秋天JC連勝時はジャパンカップの古馬牡馬斤量57kgの時代でした。(2022年まで)
イクイノックスが連勝を達成すると当然58kg斤量での連勝は史上初になりますが、1kg増の負担がより不利を生む可能性があります。
しかし悪いことばかりでもなく、従来53kgで出走できた3歳牝馬54kgに斤量増
これまでの3歳牝馬、三冠牝馬含む秋華賞好走馬の3歳ジャパンカップ成績がいい理由が古馬牡馬との斤量4kg差ではなく、53kg出走のおかげだとしたら最大のライバルである3歳牝馬リバティアイランドの有利点を削ぎ、天皇賞秋で58kgでも問題ないパフォーマンスを見せたイクイノックスに逆に追い風になる可能性もあります。

4.オカルト

(1)イスラボニータの再現説

ルメール騎手の東京芝G1、2000m以上のレース1番人気馬での成績、10戦9勝3着1回。これで唯一勝てなかった1回。それが天皇賞秋で3歳時のイスラボニータに騎乗した時でした。
だから何だという感じですし、私も最初はそう思いました。イスラボニータは皐月賞こそ強い勝ち方をしましたがその後はそれなりに強い馬で終わった馬で、イスラボニータで1番人気3着なら十分だろうと。それはそうなのですが、イスラボニータといえば…イクイノックス。
イクイノックスは2歳時点から見た目がイスラボニータに似てることで話題になっていた馬でした。流星がエクレアのチョコのように鼻まで覆っているのが特徴です。

イスラボニータ
イクイノックス

まあ、イスラボニータとイクイノックスといえば…一応関係が全くないこともないな…というだけのネタに過ぎませんが、万が一これでイスラボニータと同じ3着になったりしたらちょっと面白いと思ったりします。
まあ既にイクイノックスでは東京2000m以上G1で2戦2勝(1番人気時)なので問題ないはずですが、かといって既に異常に良すぎるルメール騎手の東京2000m以上G1での1番人気馬戦績が続くのかという疑いも多少あります。

(2)シンボリクリスエスの再現説

イクイノックスはダービー2着の後に、3歳で天皇賞秋と有馬記念を制覇。そして4歳で先日の天皇賞秋を連覇しました。
シンボリクリスエスもダービー2着の後に3歳で天皇賞秋と有馬記念を制覇。4歳時に天皇賞秋と有馬記念を連覇しており、戦績が似ています。
シンボリクリスエスといえば同じく3歳時にダービー2着の後に天皇賞秋と有馬記念を制したエフフォーリアの父父であり、エフフォーリアこそシンボリクリスエスの再来かという感じだったのですが、エフフォーリアは皐月賞を制覇しており、クラシック未勝利&天皇賞秋連覇という点でイクイノックスの方がシンボリクリスエスと似た戦績になっています。
さらに主に外国人騎手(シンボリクリスエス:ペリエ&イクイノックス:ルメール)を背に活躍した点でも横山武史騎手が主戦だったエフフォーリアは異なります。

天皇賞秋と有馬記念は連覇したがジャパンカップは勝てなかったシンボリクリスエス
エフフォーリアとイクイノックスは3歳秋は天皇賞秋と有馬記念の2戦に出走し2勝していますが、シンボリクリスエスは3歳秋から秋古馬三冠を皆勤しており、ジャパンカップで3着になっています。そして4歳時にも天皇賞秋と有馬記念の間のジャパンカップでは3着と2年連続して秋古馬三冠を同じ着順で終えました。ジャパンカップではなぜか2戦して3着2回と勝てなかったどころか連対もできませんでした。
しかもシンボリクリスエスは引退レースの有馬記念の圧勝から考えると中山が得意だった可能性がありますが、3歳時は東京競馬場改修工事のため、天皇賞秋もジャパンカップも有馬記念もすべて中山開催で、中山2000mの天皇賞秋を勝ったのですが中山2200mのジャパンカップでは3着になってしまいました。
翌年4歳になってから改修後の高速化した東京競馬場でも対応し、改修前レコードと同タイムで天皇賞秋を制し、東京適性も問題なしを示すものの東京2400mのジャパンカップでは重馬場になったこともありますが3着に敗れてしまい、東京でも中山でもジャパンカップだけ勝てませんでした。

イクイノックスは4歳の今年は現状はジャパンカップのみで有馬記念の出走予定は明言されていませんが、ジャパンカップに初出走してきました。
ダービー2着と天皇賞秋連覇で東京競馬場自体の適性は高いことを示していますが、シンボリクリスエスの再現ならジャパンカップは3着ないし勝ちを逃すという可能性があります。


(3)WBCで日本が優勝した年のジャパンカップは日本ダービー馬が優勝


2006年WBC日本優勝→ディープインパクト優勝(2005年ダービー馬)
2009年WBC日本優勝→ウオッカ優勝(2007年ダービー馬)
2013年WBC日本ベスト4→ジェンティルドンナ優勝(牝馬三冠馬)
2017年WBC日本ベスト4→シュヴァルグラン優勝(初G1制覇)
2023年WBC日本優勝→ドウデュース(2022年ダービー馬)優勝?

日本ダービー馬でジャパンカップを優勝しているのは
1985年シンボリルドルフ(1984年ダービー馬)
1992年トウカイテイオー(1991年ダービー馬)
1999年スペシャルウィーク(1998年ダービー馬)
2001年ジャングルポケット(2001年ダービー馬)
2006年ディープインパクト(2005年ダービー馬)
2009年ウオッカ(2007年ダービー馬)
2021年コントレイル(2020年ダービー馬)
上記7頭しかいないのでダービー馬がジャパンカップで勝つ確率はそこまで高くありません。
しかし、初めてWBCが開催された2006年以来、WBCで日本が優勝した年に必ず日本ダービー馬が優勝しています。
2021年も、新型コロナ流行による延期がなければWBCが開催されていた年であり、コントレイルが優勝したことから逆算するとその年に開催されていても日本がWBC優勝していた?なんて。

つまり、このオカルト理論でいえば今年も、ジャパンカップで優勝するのは日本ダービー馬ということになります。
今回のジャパンカップに出走するダービー馬は1頭しかいないので今年の優勝馬はドウデュースということになり、イクイノックスにとってはダービーでの負けがここに響く…かも?

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