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”In Stars And Time”の感想を殴り書きしながら多くの人に勧めるレビュー

あぁ、星たちよ…なぜポチってしまったのか…

時は2023年12月24日…
私はウィンターセールを眺めながらいつものように積みゲーが増えるのにも関わらず新たなゲームをを購入している時、ふとこのゲームが目に入った。
ぶっちゃけ割引されてない作品だったのでスルーしようと思っていたのだが、ふと思ったのだ。

”このゲーム…色々なとこで紹介されてるし面白いんじゃね?”

そう思ったが吉日。気が付けばポチっとライブラリに追加してパチッと事前知識もほとんどなしにゲームを起動してみたのだ…

それが年を跨ぐぐらいの長さでありつつもしっかり人を沼に落とすゲームだとは思わなかったのだ…

とりあえず大体のあらすじ

 最初にキャラを動かせるようになって思ったのがこれRPGMVか!となったこと。別にMV自体は珍しいことではないし、インディーズ作品の一つである『OMORI』だってRPGMVから作られたゲームだ。でもそれにしたって出来が良すぎだろう。動かすまで分からなかったぞ。
 次にメニュー画面を開いて仲間を確認。

それぞれに愛嬌のあるキャラクター達。
一目見てこういう立ち位置なんだなと何となくで伝わるのいいっすね
ちなみに私はシフランが一番のお気に入りです。

 左から軽く紹介すると
・ジョーク好きな旅人であり主人公でもあるシフラン。
・ウツロイ様と呼ばれる神に祝福を授かった女侍祭ミラベル。
・心優しき元防衛隊のイザボー。
・冷静な性格で博識であるオディール。
・そしてどこからついてきた子供ボニー。
 このパーティーは時間停止をして世界に影響を及ぼしまくっている”王”を倒すために長い間旅をしてきたという。現にこの”王”が住んでいる城の近くの町では時間停止された村人や町の被害が出ており一刻も早く止めないと危険な状態なのだ。
 そうして、色々な準備が整いラスダンを探索している途中、不慮の事故でシフランが死んでしまう。しかし次の瞬間、草木が蔓延る原っぱに場面転換。そこはラスダンに行く前のシフランが寝ていた草原だった。1回目の記念すべきループである。最初は何度でもやり直せるから喜んでいたシフランだがこのループが過酷な運命の第一歩だった…

プレイヤーと主人公の精神的疲労の同調

 実質2回目、3回目まではなんだかんだ余裕を見せる主人公。というのもループの力によってより良い選択肢を常に選ぶことができるのである。この頃からプレイヤーの気持ちとシフランの気持ちが重なりつつあったと思う。例えばループの最中にどうしても避けられない敵が来た時や、同じ質問の繰り返しが来た時にプレイヤーもシフランも『またかよ…』とうんざりしながら処理するようになってくるのだ。またループの最中もシフランだけがレベルが上がっても仲間はレベルがリセットされる。そのため強敵が現れても最初は歯ごたえを感じてもだんだんぬるくなってくるのである。

ボニーのおやつタイムのシーン。
ダンジョンを進む際に必ず三つの候補があるおやつを選ばされる。
なおSteamのマニュアルに実際にボニーのおやつのレシピがあるのでチェックしてみると良い

私自身もループ4回か5回目ぐらいは新鮮に感じたが終盤でループが100回目いく頃にはスキップ機能で高速化していった。そういう意味ではプレイヤーと自然に気持ちがシンクロさせられるすごいゲームだと思った。
 そして無事”王”を倒してさあエンディングだ!!と思ったらなんとまたループが発現。カニったれ…シフランもなぜループが発現してしまうのか。その答えを探すためにループを何度も試行錯誤する。ある時は仲間を怒らすような行動をとったり、ある時は仲間の秘密を知ったり。敵である”王”と話したりと色々試すがうまくいかない。それどころかより最悪な結末を見てしまったり仲間内に怪しまれたりするためどんどんシフランが文字通り壊れてくる。

何十回目の場面。
幾度も繰り返してなりふり構わなくなるところが素敵ですね

 ここで仲間内のちょっとした事情について少し語らせていただきたい。ループで実際に知るまではシフラン以外のメンバーもそれぞれ難しい悩みを抱えていた。そういうことに対しても最初はシフランは真摯に答える。そうして仲間との絆の深め合いをすることで新たな力を得られるようになる。所謂どのゲームでもよくある仲間との絆イベントというやつだ。ただしそのループだけの力なのでその仲間の絆の力に肖りたいなら同じことをループごとに何回もする必要があるのだ。そう、ループをする度に、何度でも…

何度でも繰り返すため次第に自己嫌悪がひどくなっていく。
もちろんそれは自分自身だけではなく仲間にも…

…タイムループ系ではよくあるキャラクターの精神的疲労の描写はよく描写されるがゲームで、しかもここまで文字通りでも立ち絵的にも細かく表現されているものはなかなかないだろう。ミームでよく見る『金髪の子かわいそう』みたいな感じかなと思ったらおもっくそボディーブローをくらった気分である。一応、Shiftキーを押せば一度聞いた会話は飛ばすことができるがこういった細かな描写を見逃しがちなのであんまりここは一緒だろうなぁと思うとこ以外は割と抑え気味だったと思う。

隠し要素も込みこみでクリアした感想

 このようにこのゲームは一つ一つの描写に対してわずかなテキストの差異ではあるものの変化を見せるゲームなので確認するのにすごい時間がかかった。

30時間近くやっているが実は全部の実績は取ってない。
初見プレイの通しで残ったのは幽霊と3回皆と完璧な幕引きを見るのとレベル上げぐらい

それでもこのゲームは全体的にSNSやらそういうので見るとあまり大きい盛り上がりが見れてない。このゲームもっと評価されるべきだろ。マジで。
 
最初はまあいうて5日ぐらいで終わるかなぁと思っていたら見るべき箇所や、これどうなるんだろうという邪悪な好奇心を持ってプレイするためどんどんこの世界の、特に5人のキャラクター性に引き込まれていくのだ。
 そのため、このゲームただのループものそういうやつなんだなぁと軽い目で決して見てはいけない。もし貴方がOMORIUndertaleOneShotといったものが好きならぜひこのゲームを手に取っていただきたい。きっと気に入る1作品になるはずだ。

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