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町工場のシンプルさ。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

昨年に始まったコロナ禍によるステイホーム生活。
幸か不幸か、もともと私の勤める会社では東京オリンピック関連施設の近所だったため、2020年夏の通勤困難を想定して前々からリモートワークのインフラ整備をしていたため、ステイホームを呼びかけられるようになる頃からリモート生活に切り替わってもたいした支障も無く業務遂行が可能という事実を垣間見ることになった。

以来一年以上、未だに続くコロナ禍の中でリモート生活が続いているわけだが、入社以来日常のタスクとして意識することも無く過ごしてきた「通勤」というタスクにかかる時間が浮いたことで、私は毎朝愛犬を連れて散歩をすることが習慣となった。

平日はウチの近所を中心に30分〜45分程度の範囲。週末はさらに足を伸ばして往復2時間程度のコースを回り、なんやかんだで池袋周辺の路地という路地を踏破した一年だった。
もともと路地好きで、昭和を感じる町並みにカメラを向ける性癖なのだが、池袋という山手線北西部の都市であっても、いがいと町工場が残っていたりするのだ。

どちらかというと池袋でも北部、池袋本町といわれる町内や上池袋あたりにけっこう点在しているのである。
町工場というと町そのものが町工場という集積された地区もあったりするが、池袋の町工場はそれほど集積されて残っているわけではない。商店街の並びや、住宅地の並びにポツンポツンと点在している。

そのポツンポツンという間引かれた並びのせいか、本来ナンの変哲も無い四角四面な町工場のフォルムが逆にシンプルなデザインとして目を惹くのだ。
四角いフォルムに大きな出入口。大体出入口の近くには鉄そのものの階段が二階に向かって伸びている。
出入口の脇にユンボでも駐車されていたらしめたものである。

そんな町の一つの顔を醸し出してくれる町工場。
そういえば、昔通った所に町工場あったよな?と薄らとした記憶を頼りに訪れてみると、綺麗な住宅に変わっていたり、再開発用地としてグリーンフェンスが囲んでいたりするのを見ると、また一つ町の顔が薄くなってしまったなと思うのだ。

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