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なんの変哲も無いヤカンの不思議な水

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

一見なんの変哲も無い、どこの家庭の昭和の家庭に存在したこの手のアルマイト製のヤカン。

家庭では普通にお湯を沸かしたりするために使用する調理器具でしかないモノだが、いつのころからだろうか?
このヤカンに入れた水は不思議な能力を発揮するとの伝説が都市伝説どころか日本国中に広まった。

効能はというと、このアルマイト製のヤカンに入れた水をラグビーやサッカーなど辺りの強い競技で気を失ったモノに頭からかけると甦生する。
また、攻守交代のタイミングでこのアルマイト製のヤカンから水を口に流し込むと気合いが入る。

大小いろいろとあるようだが、総じてこのような効能である。
たしかに、気を失ったモノに水をかけると息を吹き返すというのは昔からドラマや映画、コントの中でもありふれた演出である。
夏の暑い中に走り回っていたら、それはただの水道水でも甘露であろう。

このただの水でも魔法の水のように感じる背景には、それまで極限までに押さえつけられストレスフルの中で我慢を重ねてきたというバックボーンが在るからでは無かろうか?

我慢に我慢を重ねてきた果ての解放のキッカケがこのアルマイトのヤカンの中の魔法の水のような気がしてならない。
それは戦前戦中の軍事教練の流れをくんだ昭和スポーツの流れの中にある悪しき慣習ともいえる。

ちなみに私にはそんな不合理に耐えられる根性を持ち合わせてはいなかったので、中高とその手の部活に足を踏み入れたことはない。

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