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世界の切れ目を垣間見られる北陸の冬空。

『2014年夏から2016年夏に撮られた写真から、当時の二年間の金沢生活を振り返り、想い出を記録に定着させる写真で二言三言。』

つい先日も日本海の荒波の写真を元に一文アップしたところであるが、なにせ同じ日本とはいえど、太平洋側と日本海側ではまるで天候が違うものだということを生まれて初めて教えられた金沢生活である。

前にも触れたが、まず海といえば関東では東か南に位置するものであるが、金沢では西か北である。
また山といえば、関東では北か西にあるものであるが、金沢では東か南である。この地形のせいで川も関東では北西から南東に流れていくものと思っていたが、金沢では南東から北西に流れていく……。

とにかくこの地形の線対称性が影響して天候も全く変わったものとなる。
今回アップした写真は12月初旬。北陸ではもう完全に冬の季節到来である。
冬の天気といえば関東では西高東低、天高く馬肥ゆる秋のとおり雲一つ無い高い青空と乾燥した空気が続く季節であるが、金沢では同じ西高東低がピーカンの天気かと思ったら大間違い!?

この写真のようなこの世の終わりのような雲模様が頻繁に続くのである。
これは日本海で充分に水分を吸収した空気が南の山々にぶち当たって舞い上がり、冷えて次から次へと雲として立ち籠めることを繰り返すので、どんどん空が低くなっていくのである。
かと言えば、写真の西側のように全く我関せずで晴れ間となっている部分もあり、まさに明暗を分ける天候が生み出されるのである。


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