見出し画像

スナップの王道も慣れるとモノ足りない。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

カメラを手にして街中スナップをしてみようと思った際に、都内で頭に思い浮かぶ場所の一つがこの谷中の『夕焼けだんだん』ではないだろうか?

私もご多分に漏れず、極最初期に訪れた場所である。
そもそもTV番組や映画の映像を通してインプットされてきた場所ではあるが、袋小路から階段に繋がる階段路地という変わった形状であったり、活気のある昭和風味の残る商店街といった被写体は、ある種の特別感もありそこかしこに被写体を見つけては衝動に駆られるようにシャッターを押す。

谷中銀座で撮った写真は当初は満足をしていたモノの、いつしかモノ足りなく感じるようになってきた。
なにが違うンだろうと考えると、その後私は池袋を中心として徒歩一時間半圏内くらいの界隈の街の路地を徘徊するようになり、時代と共に廃れていく表の顔や裏の顔に好んでレンズを向けるようになり、あれやこれやと人の手が加わらずに朽ちていく姿を好みとするようになったからかもしれない。

谷中銀座という商店街は、今となっては珍しいくらいに人が集まる活気のある商店街である。街ぐるみでのPR戦略も見事で昔ながらの商店もあれば、新たな若い世代の開業も快く受け入れて、人の手を加えて時代と共に変わっていっている商店街なのだ。

コレが悪いというのでは無く、時代の経過と共に味わいがますのではなく、時代と共に化粧を加えてその顔を変えていくという街のスタンスが今の私にとってはモノ足りないということなのかも知れない。


画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?