【点数状況】ラス回避の秘訣は「オーラスをラス目で迎えない事!」(前半)
戦術第三弾になります。
今回のお題はラス回避の秘訣!
前半と後半に分けます。前半は理屈の話です。今までの場況の話よりは簡単だと思います。天鳳で言うと二段~四段くらいの方にもっとも響く話になると思います。
ルールは完全順位戦(天鳳、いるか麻雀オフ)もしくは順位点の大きいルールと思ってください。要するにオーラスのラス目で降りるという選択が基本的に無いルールの話です。
結論から述べると、オーラスをラス目で迎えない事が最も大切です。当たり前の話ですが少し掘り下げます。
…
◆局収支期待値と暫定着順
点数が大きく開いているわけではない東場では、局収支期待値が最大となるように打つのが基本です。
即ち、その局(半荘ではなく局)で点棒収支が最大となるように打つ事です。
分かりやすい例でいえば
・先制リーチに対して放銃率10%程度の無筋を切って、平和ドラ2を曲げるか ⇒ 巡目がよほど深くない限り曲げた方が局収支期待値が高い
・先制リーチに対してドラ無しのカンチャン*カンチャンのイーシャンテンから放銃率10%程度の無筋を押すか ⇒ 降りても局収支期待値はマイナスだが、押すと更にマイナスになる
・子リーに対して放銃率20%の牌を切ればケイテンが確定するが押すか ⇒ 相手のリーチがたとえ満貫だとしても数値上は押し得(局収支期待値+)
みたいな話です。純粋に自分の点棒が多くなるように打ちます。
因みに上記の例はまだ分かりやすいですが、実際に「局収支期待値を最大にするように打つ」というのはクッソ難しいです。トッププロでも100%実戦出来ている人はいないと思います。当然私も無理です。
そもそも局収支期待値自体が人間の脳みそで瞬時に計算出来るものではないので、理論を学んだ後は感覚に頼る事になります。麻雀の強い人は"大体"局収支期待値が高くなる選択肢が出来ているというのが正しい表現になります。
話が若干脱線しました。
前半は局収支期待値が大切ですが、後半(特に南3~4局)では異なります。後半で大切なのは暫定着順です。
トップ目で満貫テンパイしててもラス目の親リーには極力無理したくないですよね。逆に南3局で自分がラス目のラス親なら大体ゼンツですよね。これも暫定着順の大切さに則った打ち方です。
では、何故そこまで暫定着順が大事なのでしょうか?
オーラス 自分(子)と特定の相手(子)とでラス回避争いをしている時の、点差におけるラス回避率のイメージを見てみましょう。
※自分が暫定ラス目の時がマイナス側とする
なるほど!綺麗な一次比例ですね!これだとあんまり点差を気にしないで良いですね!暫定着順なんて要らんかったんや!
…
というのは勿論間違いで、正しくはこっちです。
あくまでもイメージとして捉えてください。数値は適当です。(私が自分の持ってる印象で数値を適当にExcelに入力して3分で作りました。何の根拠もありません。)
本当は不連続でもっとカクカクしています。(例えば10000点、8000点、4000点などの重要な点差を境に確率がガクッと変わります)
ここで重要なのは1点です。自分と相手の点差「0」を境目に確率が急激に変化します。つまり、たとえ-100点差だとしてもオーラスをラス目で迎えてしまうとかなりの確率でラスります。(体感7割弱)
言い換えると、相手より100点でも上回ってオーラスを迎えれば結構ラス回避出来るんです。
オーラスの着順意識として、満貫ツモ圏内(子対子で10000点差以内)や、流局時テンパイノーテン圏内(4000点差以内)を意識するのはめちゃくちゃ大事です。でも、それ以上にたとえ100点差でも暫定着順で上回る事が大事なのです。
例えば、自分が-100点差でラス目のオーラスとしましょう。
この時に自分がラス回避出来るパターンは
①自分が和了する(ツモ もしくは3着目含む他家からのロン)
②3着目が他家に振り込む
③流局時に自分がテンパイ、3着目がノーテン(親がトップ目の場合。2着目の場合は更に分岐が続きます。)
この3つに分類出来ます。
①に関しては自分の普段の和了率(普通レベルの環境なら大体の人が19-24%くらい)にゼンツ係数()を足したものになります。いくら何でも和了してよくてゼンツ可能だとしても、まず35%は超えないんじゃないですかね。多分25~30%くらいなんじゃないかと思います。
②に関しては対局相手のレベルが高ければ高いほど発生しません。麻雀の上手い人は「絶対にやってはいけない場面での放銃」の回数が極端に減ります。この例でいうと、3着目⇒1着目や2着目への横移動は基本的にあまり発生しないものと思ってください。但し流局間際になると3着目も状況次第でテンパイを取る必要が出てくるので、4着目との差が4000点差以内だと状況無理押しを強いられる事があります。その場合横移動もたまに発生します。4000点差以上だとほぼ3着目⇒1着目や2着目の横移動は発生しないでしょう。(勿論ダマ警戒もいつも以上に激しくなります)
③に関してもたまに発生しますが、3着目も流局が見えると極力テンパイ目指してきますのでそんなに頻発はしないはずです。
…
と言うことで、基本的にラス目は自分が和了を目指さないとどうしようもないのです。他力本願が効かなくなります。子VS子の場合は、オーラスをラス目で迎えない事が圧倒的有利になるのです。
どちらかが親の場合は、親被りが関係するため更に複雑になります。
自分がオーラスで親の場合、理想としては「満貫を親被りしても親被りが原因で着順が落ちない(=2000点差以上)ようにしておく事」です。
逆に自分が10500点で親、ラス目が10000点の場合、こんなもん実質自分がラス目です。横移動が発生しない限り(誰かからツモって言われた時点で)ほぼラスです。
では、どうやって「オーラスをラス目で迎えない事」を達成するのでしょうか?
◆有利なオーラスを迎える為に南3局で点数を調整する
麻雀はラス前です!
実際は南2局あたりからかなり着順は意識しますが、本気で意識する必要があるのが南3局です。
南3局開始時点では必ず状況を整理し自分がすべきこと(目標)を確認します。
例えば下記のような状況とします。
南3局
対面(親):35000点
上家:45000点
自分:9000点
下家:11000点
ここで1000点の手を積極的に和了しに行くべきですか?答えはNoです。
ここでドラが1枚ある手で無理矢理速度を落として満貫を狙いに行くべきですか?答えはNoです。
ここでの目標は「2000点以上の手を出来るだけ速度重視で和了する」です。
このまま上家がトップ目でオーラスを迎えると、連荘が発生しないので1局勝負になります。尚更ラス目でオーラスを迎えると辛いですね。
ここで早々に1000点を和了するのは自分の首を絞めるようなものです。
但し目標の下方修正が必要な状況になる時もあります。目標には遠く及ばないが、最悪の結果を招くくらいならマシな方を選ぶのは大事です。
自分の高い手の和了>自分の2000点以上の和了・下家の2000点以上の放銃>>>親の連荘>自分の1000点の和了≧上家の和了>下家の和了
結果の評価はこんな感じのイメージですね。
2000点以上(速度的に和了出来そうなら高い方が良い)を狙い攻撃・速度重視で進めつつ、無理そうなら親の連荘期待。それでもダメそう(自分と親が苦しくて上下家が和了しそう)なら1000点でもやむを得ず和了する。こんな方針が良さそうです。
1000点と2000点の間にはめっちゃ大きな差がありますが、2000点と3900点の価値はあまり変わらない点数状況という事です。もしこれが3着目と1000点差とかなら、卓上で土下座してでも1000点欲しい場面です。
また、押し引きについても東場とはかなり異なり暫定着順を意識したものになります。
間違っても大した手ではないノーテンから親リーには押さないようにしましょう。親が連荘しても南3局が継続するので、あまり損失はありません。
逆に自分がテンパイや好形のイーシャンテンならば上家や下家とは積極的になぐり合うべきです。ここで上下家に振り込むとオーラスの条件が厳しくなりますが、そもそもラス目でオーラスを迎えた時点で厳しいので多少のリスクは背負ってでも暫定着順を上げに行くべきです。
30%を10%にするリスクを背負ってでも、30%を70%にするリターンを得に行くみたいな感じです。(数値は適当なイメージです)
また、ここでもう1つ大事な事があります。
自分の目標を確認するだけでなく、他家の動き(目標)を想定する事です。
下家は暫定3着目でオーラスを迎えたいですが、1,2着目には絶対に振り込みたくないので無茶はしないでしょう。但しライバルである自分に対してはかなり攻撃的に来るはずです。
対面の親はトップを取るためにここが勝負所です。3,4着目に放銃すると親が無くなることは痛いですが、ラス落ちの危険性は無いのでそこそこリスクを背負ってでも攻撃的に来るはずです。
上家のトップ目は対面の親さえ流せればトップ率が一気に高まるので、局流しを最優先で進めます。但し高い手の放銃だけはやってないので、3,4着目のリーチにはあまり押さないでしょう。もし手が良ければ和了を目指しますが、手が悪い場合は親以外の他家の和了に期待してくるはずです。つまり、自分が鳴いた場合に上家の手恰好によってはアシストが期待出来るかもしれません。2000点以上が見えるなら積極的に鳴くと和了率が一気に高まるかもしれません。(※上家も2000点以上和了するとオーラス満貫ツモに耐えられるのであくまでも彼自身の和了を最優先にするため、アシストが来るとは限りません。手が悪ければ可能性があるかもというレベルです。)
こんな感じで他家の動きを想定しながら、自分の動き方(鳴き判断・リーチ判断)等を考えていきましょう。
子供の頃の道徳の授業で「人の立場に立って考えましょう」と言われるアレと同じです。麻雀では人の立場に立って、自分の利益が最大になるように人を利用しましょう。人の嫌がる事をしたもん勝ちです。もはや道徳どころか悪徳ですがそういうゲームですww
…
こんな感じで前半を終えます。
後半は、点数状況の具体例を出して、それぞれどのような考えを持って動くべきかを紹介していきます。(ラス前だけでなく飛び寸の人がいる場合の動きとか)
また、別の時に戦術を公開しますが、麻雀の引き出しが多い人ほど「選択の多い場面で輝く」ので、そういう人ほどゼンツ以外にやりようのない(選択の少ない)点数状況に追い込まれないようにするのが大事です。
【まとめ】
◆前半は局収支期待値を高めながら打つが、後半は暫定着順を重視して打つ
◆オーラスをラス目で迎えない事が物凄く大事!
◆その為に南3局で状況を整理して目標を考えながら動く
◆他家全員の立場に立って、彼らの動き方を想定しながら打つ
いるか麻雀オフでわいとよく打つ人ならきっと分かると思いますが、わいは南3でラス目だとモードチェンジしてめちゃくちゃゼンツします。多分飛んでる回数もまあまあ多い方ですが、ラス回避率は2年間2000半荘(いるかオフ、フリー、天鳳個室合算)で15~16%です。
皆さんもこれを徹底すれば一気にラス回避率が上がります!でも上がらなくても責任は取りませんww 因みにラス回避だけじゃなくて連対確保とかトップ取りでもこの「暫定着順」の理屈はめっちゃ大事なので覚えておきましょう!Mリーグだとパイレーツあたりがこういうのめっちゃ得意なので参考になりますね。
それではみなさん、良い麻雀ライフを!
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