【鳴き】自分の仕掛けがどう見えるかを考える

今回については、今までの戦術と比較すると優先度は落ちます。

どちらかと言うと、初心者~中級者の方は「へえ~麻雀って思ったより深いんだなあ 面白いな」と思うような内容だと思います。天鳳でいうと五段~六段くらいの方が引き出しとして増やす為に意識すると今後どこかで役に立つんじゃないかなと思います。

先日私が麻雀を打っていて、どのように鳴くか悩む場面があり、twitterでアンケートを取りました。

どうなく

牌姿にするとこんな感じです。

鳴き方1

ここで、国士模様の上家から赤5sが出てきます。当然鳴いて満貫テンパイを取るのですが、鳴き方が3種類あります。(アンケートに記載のとおり)

「どうやって鳴いても待ち一緒やからどうでもええやんけ!そんなん気にするなや!」と思った方!大体そうです!ぶっちゃけ結果に大きく影響するような内容ではないかもしれませんw でも微妙に違うんです!

まずは、5sポンと5sチーの比較をします。

●5sポンのメリット

①57p引きで3面待ちに変化する(例えば5pを引いたら、22234s55pに出来る)、2-5s引きで単騎待ちに変化する事が出来る。

②持ってる牌の種類が多い為、脇からリーチが来た時に安牌に若干困りにくくなる。34sを引いた際にどちらを切るか選択が出来る。

①に関しては、3面待ちに変化しても待ちの枚数が少なすぎるので大したメリットではありません。単騎の場合も自動的に赤5p単騎になるので、カン6pより枚数が少なくなりあまりメリットとは言えないでしょう。

②に関しても、そもそも満貫確定テンパイでほぼ(流局が近くなるまで)ゼンツなので守備力上昇は大したメリットではありません。しかし、22234sから3sか4sを引いたときにマシそうな方を切る二択を選択出来る事はまあまあメリットにはなるでしょう。

●5sチーのメリット

③2sが出たときにカン(暗槓、ダイミンカン)が可能

④赤546sで鳴いておくと、ピンズが1手替わりで三色になる

③に関しては現状カン6pのままでダイミンカンはしない人が多いと思いますが、上家が国士模様で後1人でも鳴けばリーチ候補者が1人しかいなくなるため、カンも候補に入ってきます。もしくは両面変化したりしたらツモを増やす為にカンは義務になりますね。既に4翻だから鉄スルーだろ!と思った方、ちゃんとカンをして新ドラを4枚乗せて倍満にしていきましょうww まあ、これは一応メリットではあります。

④に関しては現状4翻で三色がついても5翻なので、カンが入らない限りは特にメリットにはなりえません。カンが出来た時には結構メリットになると思います。

平面的な・デジタル的なメリット(言葉選びが不安ですが何となく意味は察してください)については上記の通りです。ポンorチーについては好き好きかと思います。私はカン出来るメリットを見て534sチーとしました。

ここからが今日の主題です。

何故546sチーではなく534sチーとしたのかを説明します。

鳴き方によって他家からどう見られるのかを考えましょう。

鳴き方2

チーしてここから打3s


鳴き方3

チーしてここから打6s


どうでしょう?他家の視点から見て印象は違うでしょうか?

まずは上の546sチー打3sですが、「456の三色を狙って6を残してたんじゃないか」「456の三色で振り込むと、タンヤオ三色赤赤とかで満貫あるな」と思えませんか。

実際自分は三色ではない訳ですが待ちはカン6pです。三色だと勘違いされる事で必要以上に456pが警戒されるので出和了率が下がって損します

一方で534sチー打6sの場合、「456三色なら546sで鳴くはずだから、6sは三色ではなく別の用途があった牌という事か」と思えるはずです。

例えば、34667s(534sチーして5-8s待ち)とか、34688s(534sチーして8sとなんかのシャボ)みたいな感じだと推測される可能性が上がります。

546sチー打3sと比較して、534sチー打6sの方がソウズの上を少し警戒させやすいのです。つまり、自分の待ちであるピンズへの警戒度がMAXから一段階下がるかもしれません。(「そもそもこんな鳴きされたら危険牌切らねーよ!」というツッコミについてはまさにその通りだと思いますが、押し引きが微妙な手の人の選択には少なからず影響するはずです。)

これがもし全く牌姿が異なり 34667s 22567p みたいな形なら、534sチー打6sよりも、546sチー打3sの方が、最終的な待ちの5-8sの警戒を少し薄められるので逆に得になります。

※534sチーして打6sする事で5-8sを警戒させたいというのは、いるか麻雀オフ常連のりお君からの意見でした。私はどちらかと言うと456を推測されたくない側の意見が主であり、鳴き方の選択は同じでしたが彼とはメインの理由が少し違いました。議論する事でお互い納得した感じです。スペシャルサンクス!

今回みたいに鳴き方による平面的な・デジタル的なメリットにさほど大きな差が無い場合、他家からの見え方(読まれ方)を考えて選択してみると少し得になります!

…という事を踏まえてもう1点例を出します。

南ポン1

西は1枚切れの字牌、2mは他家1人の安牌、1人の筋、1人の無筋とします。

こんな感じで自分が鳴いて混一色をやってるものとします。南をポンして、先に西を切るかもしくは2mを切るかという選択です。自分の河は他家視点でもかなり混一色(+トイトイあるかどうか)が濃厚なものとします。

西を切った場合、受け入れ枚数が増える訳ではありませんが3mを引くと最後に両面待ちになります。

2mを切った場合、最後がシャボ待ちになる可能性が高まりますが、他家からリーチが来た時に2mよりは比較的マシな西を残せます。

正直これは状況次第としか言えないのですが、「他家からどう見えるか」を考えると選択に大きな影響が出ます。

この手はまだイーシャンテンですので出来ればもう1つ鳴きたいですよね。

そして「染め手はその色が余ったらテンパイっぽいから押しにくい」という基準を押し引きの要素として適用している雀士は結構います。

つまり、先に2mを切ると他家からテンパイ濃厚に思われて、マンズや字牌が出て来にくくなります。他家を降ろしたいだけなら良いですが、この手は和了したい手なので実質的なテンパイ速度が遅れるのは致命的です。少し守備力を下げてでも、西を切ってもう1つ鳴けることを祈りたい場面です。

因みに2mを先に切った場合、もう1つ大きな弊害があります。もしもこの後に1mが鳴けた場合の最終的な待ちが透けやすくなる事です。

鳴き方4

南ポン打2m⇒1mポン打西

他家から見ると「112m西の形から西を残してまで先に2mを切っている」事が確定します。打点の高そうな染め手に見えるにも関わらず、わざわざ受け入れを減らしたのか?と思いませんか?

そうなると少し読みの得意な人なら勘付きます。「ああ、112mから2mを切ってても3mの受け入れが存在する(ロスにならない)のね」と。

つまり、今回みたいな1124588m西みたいな形か、1124455m西みたいな形から2mを切ったと読まれやすくなるのです。更に例えば、直前に4mや5mが切られてて自分がポンしていなかったら後者の形も無くなるので、かなり3-6mである事が透けてしまいます。

「読まれてても読まれてなくても3副露してる染め手相手にどうせ危険牌は切ってこないだろ!」と思った方、それも大体その通りです!

でも、ギリギリ勝負できそうな形になっている人の待ち選択に影響が出るのです。「9mや7mはギリ勝負出来るけど3mだけはまず無理」となるかもしれません。この事例を100回繰り返したらそのうち数回は必ず「待ちが読まれやすかったせいで和了を逃した(最悪の場合他家に回されてあがられた)」なんてケースが出てきます

よって今回のケースでは、西を先に切った方が和了率は高まると言えるでしょう。

最後になりますが、これだけは覚えておいてください。

まとめを兼ねます。

「読まれやすくしない工夫をする事」は確かに大事かもしれませんが、それよりも「牌効率」「テンパイまでの速度」「待ちの良さ」「(守備が必要な場面での)守備力」などの基本的な事項の方が圧倒的に大事です!

今回の事例ではそれらの事項にあまり差が無かったため、ついでに「読まれにくさ」を考えると少し有利になりますよ、という内容です。

後日戦術を公開しますが、七対子の時も「自分の河の迷彩に拘る事」よりも「しっかり山にある牌を読んでテンパイする事」の方が大事です。

今回の戦術はあくまでも補助的な要素だと思ってください。実践しても平均順位にはあまり大きな影響は出ませんが、確実に引き出しは増えます。

因みに、こういうのは同卓者のレベルが高ければ高いほど大事になってきます。逆にそもそも鳴きを警戒しない人やゼンツしてくる人には使っても意味がありませんので、そんなに気にしなくてOKです。

Mリーグでもこういった選手同士の水面下の駆け引きをしっかりと解説してくれる人もいるので、耳を傾けてみると麻雀が楽しくなるかもしれませんね。

それでは良い麻雀ライフを!

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