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【場況】場況の3要素を考えてリーチ判断に活用しよう!
麻雀に慣れてきた人がよく使う用語『場況』。
実は私も定義はよく分かっていません。
「山にある枚数」の意味で使っている人もいれば、それ以上の意味で使っている人もいます。
曖昧ではありますが、ここではその「場況」について考えてみましょう。
…
同じ両面待ちだからと言って必ずしも強さが同じわけではありません。
山1の両面と山6の両面では明確に後者の方が強いでしょう。
しかし、山にある事が全てなのでしょうか?
少なくともテンパイする前は(鳴きやすさを除いて)山にある方が良いのは間違いありません。
しかし、テンパイした後に和了出来るかどうかは少し違う要素も絡んできます。
ここでは自分の欲しい牌(や待ち)を分類してみます。
★場況要素1:山にあるかどうか
★場況要素2:他家が必要かどうか
【分類】
Ⅰ 山にある上に他家も不要な牌
Ⅱ 山にあるが他家は必要な牌
Ⅲ 山にないが他家は不要な牌
Ⅳ 山にない上に他家も必要な牌
どんな牌が該当するかは図の中に記載しています。(あくまでも例)
更に具体的に説明すると…
1巡目に、下家・対面・上家共に8mを切ったとします。
この時、6m,7m,9mを持っている可能性が下がり(特に7mはかなり下がる)、5mを持っている可能性が少し上がります。(第一打に8mを切った人の手牌傾向については国士とか染め手とか色々ありますが、ここでは説明のため普通のメンツ手前提とします)。
すると…
Ⅰ 山にある上に他家も不要な牌
⇒特に9mが該当します。よほど整っている788mからの8m切りとか、56899mからの8m切りじゃない限りは9mは不要なケースが多いですね。
Ⅱ 山にあるが他家は必要な牌
⇒必要であるとは断定出来ませんが、この場合は6mや7mが該当します。メンツ手の場合は第一打8mとしている時点で、「8mを切っても67mの受け入れがある」という事が多いです。8m以外にマンズがない所から切っている場合は6mや7mも必要でない場合がありますが、58mや458m、568mから切っている場合は6mや7mは相手も欲しい牌となります。
Ⅲ 山にないが他家は不要な牌
⇒これは8mが該当します。全員第一打に8mを切っているので、当然8mは不要です。そして8mは残り山に最大1枚しかないですよね。他に分かりやすい例でいうと、字牌の地獄単騎がまさにこれです。
Ⅳ 山にない上に他家も必要な牌
⇒これは5mが該当します。初手で8mを切る人は5mの所持率が少しUPするため、山に濃い牌ではなく、更に(重なったら使えるので)他家も結構必要である事が多いです。待ちとしては最弱の部類です。
…
流石に第一打に全員同じ牌を切る事はあまりありませんが、序盤の捨て牌からでも結構情報は出るものです。
そして、自分がテンパイした場合は、山にあるかどうかだけでなく他家が必要な牌なのか不要な牌なのかを考えておく余地があります。
例えば東1局に両面でダマ満貫をテンパイしたとします。
手牌例)345888m 67p 23466s ※ドラ8m
これをリーチするかどうかに関しては、点数状況・巡目・場況等様々な状況が関係するので一概には言えませんが、先ほどの4分類をリーチ判断に加味する事が出来ます。ここでは待ちの5-8pが下記のどれに該当するかを考えます。(場況次第)
Ⅰ 山にある上に他家も不要な牌
⇒山にある為リーチが基本だが、出やすい待ちでもある為確実に満貫を拾うのも良し。結構人に寄って判断が割れます。
Ⅱ 山にあるが他家は必要な牌
⇒これは結構リーチにに寄ります。山にあるのでツモれる可能性が高い上に、ダマって簡単に出てくる牌でもないので他家を足止めしてツモりにいきましょう。
Ⅲ 山にないが他家は不要な牌
⇒これは結構ダマに寄ります。「ダマなら和了出来ていたけど曲げたせいで和了逃した」というケースがそこそこ発生します。但し、他家に先制されて殴り合いになると(山にある枚数的に)キツいので、先に降ろすために曲げるのも無しではありません。
私は「他家がテンパイするギリギリまではダマで出和了を狙いつつ、他家がテンパイに近く先手を取られそうになったらモギリー(や空切りリーチ)」と言う選択をする事が多いです。
Ⅳ 山にない上に他家も必要な牌
⇒今回みたいなダマ満のケースは実は曲げ寄りになります。ダマった結果他家に先手を取られても両面満貫テンパイなので降りる事がほぼ無い上に不利な捲り合いになります。極端な例ですが、いくら満貫でも山0~1だと殴りあった時の収支期待値は厳しいものがありますよね。それならどうせ場況が悪いなら「和了出来れば運が良いや」くらいで他家を降ろしに行って流局時テンパイに持ち込むのも手です。自分にドラが複数ある時のリーチは他家にゼンツされる可能性が下がります。
逆に例えば自分が子でカンチャンの役無しドラ1みたいなケースはかなりテンパイ外しかダマ寄りになります。自分が子でドラが少ないリーチに3人全員が降りる事は少なく、大体誰かと勝負になります。山にあったり出やすい牌なら十分に曲げる価値がありますが、今回の分類Ⅳの牌は和了が厳しい為、守備的に進めたほうが良い事が多いです。
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とは言え、この分類はあくまでもリーチ判断や鳴き判断の「補助」となるものです。
基本的に平和ドラ1とか平和ドラ2とかは分類に関係なく即リーが正義です。
両面はよほど明確に弱くない限り先制リーチで良いでしょう。
(例えば平和のみの1-4p待ちで、他家が序盤に1pを3枚切ってるとかだと、1pが無い上に4pまで持たれてる可能性が上がる(=山に少ない)ため両面の中では最弱クラスなので子の時は守備的にダマにしたりすると良いでしょう)
…
じゃあこの分類ってどういう時に活用するのでしょうか?
と思った人もいらっしゃると思います。
ドラ1愚形とか、ダマ満貫以上テンパイとかの曲げ判断に使うのもそうですが、待ちが必ず単騎待ちになる七対子の時に特に重要な考え方なのです。
七対子の細かい解説はまた後日行いますが、七対子は
"待ちの自由度が無限大" かつ "待ちが少ない為捲り合いになるとめっぽう弱い手役"
なので、いかに場況の良い待ちでさっさと先制リーチをかけられるかが鍵です。
待ち選択やリーチ判断が結果にもろに影響する事が多い為、上記の2要素4分類をよく考えておく必要があるのです。
…
さて、本当に↓の2要素4分類だけで良いのでしょうか?
★場況要素1:山にあるかどうか
★場況要素2:他家が必要かどうか
何か忘れてませんか?
そうです。
★場況要素3:リーチ時に自分の河的に他家が出しそうかどうか
これも考えなければいけませんよね。
という事で先ほどの2要素4分類を、更に3要素8分類にします。
Ⅰ-A 山にある、捨て牌的に出やすい、他家も不要な牌(ツモりやすいロンしやすい)
Ⅰ-B 山にある、捨て牌的に出にくい、他家は不要な牌(ツモりやすい 押す人からはロン可)
Ⅱ-A 山にある、捨て牌的に出やすい、他家は必要な牌(ツモりやすい)
Ⅱ-B 山にある、捨て牌的に出にくい、他家は必要な牌(ツモりやすいロンしにくい)
Ⅲ-A 山にない、捨て牌的に出やすい、他家も不要な牌(ツモりにくいロンしやすい)
Ⅲ-B 山にない、捨て牌的に出にくい、他家は不要な牌(ツモりにくい 押す人からはロン可)
Ⅳ-A 山にない、捨て牌的に出やすい、他家も必要な牌(ツモりにくい)
Ⅳ-B 山にない、捨て牌的に出にくい、他家も必要な牌(ツモりにくいロンしにくい)
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分類が高校数学みたいですね。
多くてすみません。
ここでの「捨て牌的に出やすい/出にくい」とは、自分のリーチ(捨て牌)に対する客観的な安全度の話です。
例えばスジ牌や全員から見える壁の外側、序盤に切った牌の外側は「出やすい」に分類され、単なる無筋は「出にくい」に分類される。
また、この分類による「リーチをかけた場合のツモりやすさ/ロンしやすさ」は相手の守備力(技量)や押し引きによって大きく変わる事に注意して下さい。
例えば自分がリーチし、相手が押してる状況の時の分類の視覚イメージはこちらです。
点数状況や手牌の関係上、相手がゼンツしてくる場合は、「自分の捨て牌的に出やすい/出にくい」という要素(A、B区分)は殆ど関係ないんです。
例えばこんな捨て牌でリーチしたとします。
8s 東 西 6s(リーチ) 待ち:9s単騎
非常に陰湿でかなり勝てそうなリーチですよね。
でもこれがオーラスで、ラス目がソウズに染めてたら出て来ませんよね。そういう話です。(他家から出る可能性は高いと思いますが)
要するに、捨て牌の迷彩が効いていてどんなに心躍るような引っかけの待ち牌でも、相手が押している場合は(その人が必要な牌である限り)出てこない、という事です。
因みに私が最近ミスったと思う事例を紹介します。
七対子のみの1枚切れ東待ちをテンパイしました。
12巡目である事、35000点トップ目の仕掛けてる対面の捨て牌からの手牌構成的に字牌を持ってそうな事を推測し、「東は対面が2枚持ってる可能性が高いが、仕掛けが安そうなので東を対子落しして降り打ってくれるに違いない。降り打ち狙いで曲げよう。」と判断しリーチしました。
すると対面は2000点のシャンテンから無筋を切り飛ばしてきて、自分がリーチ後に切った牌で放銃しました。東は対面に対子でした。
対面はよくセットで同卓する人であり、かなり攻撃型でテンパイするなら安くともあまり降りないタイプです。
今回はトップ目なので降りてくれるかと思いきや、いつも通り押されました。
これは私の対面に対する「人読み」が甘かった結果です。
対面が私自身であれば東を捉えることが出来たと思いますが、そう上手く行かないのが麻雀です。
雀士は十人十色です。だからこそ人と打つ麻雀は面白いんですけどね。
…
本題に戻ります。
一方で、相手が降りている/回し打ちしている場合の分類の視覚イメージはこちらです。
この場合、「相手が必要としているかどうか」よりも「自分の河的に出そうかどうか」の方が和了率に影響する事が多いです。
特に現物の少ない序盤(1段目)のリーチは尚更です。
中盤以降だと現物や情報が増えてくるため、先切りやスジ、字牌でもそう簡単には切ってこなくなり話は変わります。
また相手の実力や雀風もかなり関係しており、情報収集能力が高い人は「見た目が結構通りそうな牌」でも押していない限りはそう簡単に切ってくれませんし、とりあえずリーチにには現物ばかり切るタイプの人も同様です。
逆に、1枚切れ字牌くらいはあまり悩まずに切ったりして完全には降りずに回してくる相手の場合はこの要素が結構重要になってきます。
相手のタイプだけでなく点数状況もかなり大事です。
南場で自分がラス目の親とかだと他家はかなり守備に寄りやすいので、序盤のリーチであれば出和了狙いでかけてみるのも有りです。
例えば殴り合いになったら絶望的な字牌の地獄単騎も、全員が降りるような状況だと非常に有効ですよね。文字通り掴んだ人を地獄に落とすロシアンルーレットを安全圏からニヤニヤしながら眺め…おっと、こんな事言ってるから卓上の悪魔と呼ばれるんですね分かります。
…
場況を細かく3要素8分類までして何が言いたかったのかって話ですが、
テンパイして「手牌・状況的にかなりリーチ/ダマ寄り」ではない時(悩ましい時)は、常にこの要素を考えながら打ってみると麻雀が楽しくなります。ついでにちょっと強くなるはずです。
リーチ後放銃率がやたら高い人とかは多分減らせると思います。
リーチは最強の手役ですが、和了の望みが薄い上に他家の足止めにも失敗した場合は無防備になりますからね。いかにそういう二重苦の状況を読みで減らせるかがカギです。
また、ダマにしすぎて勝負手を流されまくってる人も同様です。どんなにひどい待ちだとしても、リーチ発声は降りるべき状況の他家を降ろすのには十分な効果があります。
常にツモばかり狙ってる人は、たまには出和了の事を考えて見ましょう。
逆に、常に陰湿な待ちで出和了ばかり狙ってる人も、たまにはツモ狙いで曲げてみましょう。
【まとめ】
◆自分が欲しいターツについて、常に「山にいそうか」「他家が必要かどうか」を考える
◆テンパイ時にリーチ判断に悩んだ時は、「自分の河的に出やすそうか」も考慮し、待ちを場況3要素8分類して判断に生かす
◆特に七対子等の単騎待ちについては必ず考えるようにする
◆自分の押し引きだけでなく、自分がリーチをかけた場合の他家の押し引きを常に想定する(点数状況・手の速さ・人読み等)
『一言戦術』と言いながら5000文字も書いてしまいました。
1時間少しかかりました。
初回なので気合が入ってしまいましたが、次からは本当に一言レベル(10分くらい)で執筆する予定です。
因みに私はとにかく考えて打つのが好きなタイプで、打牌選択にややウマぶりの気があるので、「何でもリーチが正義!カンチャンドラ1はなんでも即リー!リーチ後放銃しても構わない!曲げてツモるのが全て!」という人は多分読んでてかなり違和感があると思いますが、ご了承ください。
↑個室1300戦の筆者の各要素の傾向です。考えすぎてリーチ率があまり高くない事が分かると思います。
それではみなさん、良い麻雀ライフを!
※気に行ったらRT・いいね頂けると筆者が喜んで満貫を振り込んでくれるかもしれません。
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