君の言葉

わたし、君の言葉が大好きだった。
一目惚れをした。
恋ってこんなのだったなあって
捨てたはずの感情を拾ってしまった。
好きになりたくはなかった。
報われないから。
でも好きって言ってしまった。
君は返してくれた。
「大好きだよ」
夢かと思った。これが現実とは思えなかった。
ディズニーランドに行く前の夜よりも、
初めてセーラー服を着たときよりも
鼓動が早まった。
好きな人に大好きって言ってもらえた。
でもね、わたし、君の全部を知ってるよ。
君が他の女の子に大好きって言ってるのも知ってるよ。
グループワークで余ったときよりも、
教室に入ったら机がなかったときよりも
鼓動が早まった。
わたしは君にとって特別でもなんでもないんだね。
浅い大好きなんかいらないのに。
そんなんじゃわたしは救われないよ。
ちゃんと救ってよ。
言葉には責任を持ってよ。
わたし、君の言葉が大好きだった。
唯一無二の、
君が、
君だけが持つ感情を、
君自身の言葉で表した、
君の言葉が、大好きだった。

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