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くくり罠の設置のコツ

さて、罠を設置する場所が決まったら、罠の設置を行いましょう。
わな猟の原則は極力変化を最小限にすること、なので準備を万端にしてから取り掛かることを心がけてくださいね。

最初のステップとして、けもの道の上に直径12cm程度の円を描くようなイメージでスコップを垂直に差し込み、土をすくい上げます。そうすることで、土を余計に崩すことなく掘ることが可能になります。
※この時点で、太い木の根があった場合は、悔しいですが別の場所に変える決断をしましょう。無理やりカットすることもできますが、原則:極力変化最小限にするためにも。かなり細い場合はナイフでカットしてしまうのもありです。スコップよりはナイフの方が鋭利に切れ、断面積を小さくして木の青臭さを抑えることに繋がります。

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すくい上げた土はけもの道とは離れた場所に放り投げたり、砕いてからけもの道上にばら撒きます。極力変化最小限にするですが、土を掘ると新しい土の匂いが出るため、どうしても掘った場所に変化が生まれます。そのため、掘った土を周囲にばらまくことにより、あたり一帯が新しい土の匂いが充満して、罠の仕掛けた場所への警戒心を和らげるためだと考えてください。

ある程度の穴が掘れたらくくり罠(しまるくん)の大きいほうのパイプを差し込み、その内側だけを掘り進めます。パイプ長さよりも5cm程度深く掘ったほうが、獲物の足首より上でワイヤーが締まり、からはじき(バレること)を防げるような気がしています。

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穴が掘れたら次は内側のパイプとねじりバネをセットしましょう。
ねじりバネの先端の輪を広げて、小さいほうのパイプに写真のように引っ掛け、安全装置を解除します。

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地面にセットした大きいパイプの中に小さいパイプをはめ込み、けもの道からそれた場所にバネが埋まるように少しだけ地面を掘り罠全体をセットします。
※この時、小さいパイプがパコパコ動いてしまうようだと、獣が踏んだ瞬間に違和感を覚えて足を引いてしまうため、遊びがないか手で軽く押してチェックしましょう。強く押すと罠が作動してケガするかもしれないので、気を付けてくださいね。

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セットが終わったら、ふんわりしないように軽く押さえながら近くの表層の土→葉っぱの順で覆い、前後のけもの道と違和感がないようにカモフラージュします。特にワイヤーや塩ビ管が露出しないようにしていってください。

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カモフラージュが終わったら、罠の前後に石や太めの木の枝を置きます。シカやイノシシはかつてはオオカミなどに追われる立場であったため、足をくじく=死を意味します。そのため、不安定な石や枝などの上に足を置こうとしないため、前後に枝を設置することで罠の上に足を置くよう誘導することができます。

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ここまで完了したら、あとは近くの木にワイヤーを括り付けて完了です。この時、意識してほしいのが、獲物がかかった後の止め刺しのことです。ワイヤーを括り付けた木を中心に彼らは暴れまわります。そのワイヤーが長いほど、向こうの間合いが広くなり、危険が増すため、より戻しから先(シャックル側)の遊びは極力なくなるように、木に何重が回して長さの調節をするように心がけてください。それと、最後に気を抜いてしまってシャックルを閉め忘れることがないにようにしてくださいね。

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最後に名札とオレンジテープを近くの木に括り付けたらくくり罠設置の完了です。

取り急ぎ、罠猟の設置までを駆け足で書きましたが、補足があれば修正を加えていきたいと思います。

皆さん、おいしいジビエが食べられますように!それではっ