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獲物の仕留め方

前回の更新から時間が経ってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?
既に捕まえたという方には後追いの更新になってしまいますが、今回はイノシシを例に仕留め方について書きたいと思います。

イノシシが罠にかかると、罠を固定した木の周辺は写真のように激しく掘り起こされます。

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写真の場合、半径1.5mほどの範囲が掘り起こされてしまいました。つまり、イノシシが暴れまわれる範囲=絶対に入り込んではいけない空間を意味します。なので、くくり罠を固定する木から罠の設置場所はなるべく近くにし、暴れる範囲が極力狭くなるようにしましょう。


さぁ、罠にイノシシがかかっていたら、まずやることとして罠のかかり状況を確認ですが、この時絶対に斜面の下側から近づかないこと!
斜面の下にいるとイノシシの突進の勢いが強まり、ワイヤーが切れたり、罠が外れたりする危険性が高まるためです。必ず斜面の上側からアプローチしましょう!
ここで罠のかかりが甘かったりワイヤーが毛羽立っていたりしたら、銃を持っている人に止め刺しをしてもらう判断をしてください。リスクは侵さない!これが狩猟を行う上で最重要!(写真は意外と危なかった時の写真)

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罠のかかりは大丈夫そうで、自分で仕留める場合、次は3点固定をします。
3点固定とは①罠にかかった足、②鼻くくりによる口、③足錠による①とは別の足の固定です。

①罠にかかった足
これは既に罠で固定されているのでOK。

②口の固定(今回の鼻くくりは三生社製のものを使用。自作の写真がなかったので・・・)
罠にかかったイノシシは人が近づくと突進してくるので、それ以上進んで来れない場所まで近づきます。鼻くくりのワイヤーを前にかざすと、噛みつこうとしてくるので、上あご・下あごをまとめて締めてください。(最悪上あごだけでも大丈夫)鼻くくりでワイヤーを縛ったら、罠を固定している場所とは別の木に固定しましょう。

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③罠とは別の足の固定
最終段階として足錠を、罠がかかっている足の対角の足に取り付けてから木に固定して、3点固定完了です。

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ここからはいよいよ止め刺しです。
止め刺しでは、まずイノシシの気を失わせることから始まります。
イノシシの後頭部(図の←付近を後ろから前に向かって)を固い棒叩き、失神させます。(上手くはいれば、フラフラになって首の力が抜け、立てなくなります。)

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その後エラの位置付近(図の←付近)からナイフを刺し、背面に向けて切ることで頸動脈をカットして放血させます。

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頸動脈を上手く切れれば、ナイフをいれば場所から断続的に放血されます。およそ2分ほどで痙攣が始まり、足がバタつき絶命に至るという流れです

この時の作業は精神的に非常につらいところではありますが、心臓がポンプとなりしっかりとした放血が可能となり、臭みのないおいしい肉に繋がります。苦しむ時間を短くするうえでも躊躇はしないでくださいね。
ただし、少しでも早い止め刺し、精神的負担の軽減を図る場合は電気ショッカーによる止め刺しもありだと思います。

ここまでが、止め刺し迄の流れになります。次回からは解体作業に入っていきますね。