実は存在しない?トロオドンについての話

トロオドン。2023年のNHKの番組などで最も知能が高いとされている恐竜として知っている人も多いのではないでしょうか?しかし実はトロオドンという恐竜は現在、疑問名(種の分類に不適切とされた学名)となっています。なぜこのようになったのかをこれから説明していこうと思います。

そもそも実はトロオドンの化石は歯の化石しか発見されていない

もちろん最初からそうだったわけではなく、発見から1世紀ほどたった時、現在では別の種類とされているステノニコサウルスの化石が見つかり、それには頭蓋骨などが残されていてトロオドン復元の元になっていました。しかしある時ステノニコサウルス共々トロオドンと扱われていたラテニベナトリクスが新種として独立!ステノニコサウルスも研究によりトロオドンとは違う特徴が多いとして独立してトロオドンという恐竜の化石は歯の化石1、2本になってしまいました。あぁ無常。そして歯の化石の1、 2本では種の分類に使えないとされてトロオドンは2017年に疑問名、ついに存在したことさえ疑われる分類になってしまいました。

ではなぜトロオドンと言われ続けるのか。

だとすると今までトロオドンと言われていた恐竜は全てステノニコサウルス、もしくはラテニベナトリクスとされるはずです。しかし何故いまだにトロオドン、トロオドンと言い続けられるのでしょう?NHKでも、ご存知ジュラシックワールドでも!ほとんどのメディアなどではトロオドンと言われ続けています。おそらく次に述べることと同じようなケースだと思われます。
実はご存知ティラノサウルスの学名は忠実に命名法に則るならば消えています。本来ならばマノスポンディルスと先に命名されているので、先に命名された方をとるとするルールからするとティラノサウルスの名前は抹消されています。しかしここで多少強引にティラノサウルスの学名は残されます。このケースは知名度がより重視された稀有な例でしょう。おそらくトロオドンのケースも似たようなもので今から名前を変えるのには知名度が上がりすぎてしまったのかも知れません。なのでおそらくこれからもトロオドン呼ばれている恐竜がステノニコサウルスやラテニベナトリクス日は来ないでしょう。合掌。しかしトロオドンという恐竜は本来これらの学名で呼ばれる方が正しいはずなので名前をぜひ覚えてあげましょう。(とてつもなく覚えづらいですが)


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