【1972年レコード】21)Elvis Presley : ELVIS NOW
■データ
・リリース : 1972/02/22
・レーベル : RCA VICTOR
・プロデュース : フェルトン・ジャービス
チップス・モーマン(ヘイ・ジュード)
・チャート : US 43位 UK 12位
・スタジオ : アメリカン・サウンド・スタジオ(メンフィス)
RCAスタジオB(ナッシュビル)
・所有ver : LSP-4671
■トラック・リスト
[SIDE-1] ※()内はカバーの原曲を唄ったミュージシャン
1. ヘルプ・ミー・メイク・イット・スルー・ザ・ナイト
(クリス・クリストファーソン)
2. ミラクル・オブ・ザ・ロザリー
3. ヘイ・ジュード(ザ・ビートルズ)
4. プット・ユア・ハンド・イン・ザ・ハンド(アン・マレー)
5. アンティル・イッツ・タイム・フォア・ユー・トゥ・ゴー
(バフィー・サント・マリー)
[SIDE-2]
6. ウィ・キャン・メイク・ザ・モーニング
7. アーリー・モーニング・レイン(ゴードン・ライトフット)
8. シルビア
9. フールズ・ラッシュ・イン(スウィングのスタンダード曲)
10. アイ・ワズ・ボーン・アバウト・テン・サウザウンド・ア・ゴー
■メンバー
・エルヴィス・プレスリー(ボーカル)
・ジェームス・バートン(リードギター)
・ノーバート・パットナム( ベース)
・チップ・ヤング(リズムギター)
・チャーリー・ホッジ(アコースティック・リズム・ギター)
・デヴィッド・ブリッグス(ピアノ)
<ヘイ・ジュード収録メンバー>
・レジー・ヤング(ギター)
・ボビー・ウッド-(ピアノ)
・ボビー・エモンズ(オルガン)
・トミー・コグビル(ベース)
・マイク・リーチ(ベース)
・ジーン・クリスマン(ドラムス)
■LINK
■メモ
”え?エルヴィスって1972年も現役だったんですか?”(ゴメンナサイ)「NOW」と銘打っているが、エルビスともなると膨大なセッションのストックがあり、本作は1~3年前の曲の集めたアルバム。
同年にゴスペルアルバム「He Touched Me」をリリースし、グラミー賞も受賞している。その他、MSG録音のライブ盤「As Recorded at Madison Square Garden」(US11位)。大ヒット(US2位)したシングル曲「バーニング・ラブ」と過去の主演映画サントラを混ぜた「Burning Love and Hits from His Movies, Volume 2」、新旧の曲をパッケージングした「Separate Ways」のコンピレーションアルバム2枚を出している。
多産というか集大成というのか、1年で5枚も出せる程充実したライブラリを持つエルヴィスのアルバムの中から「NOW」を選んだのは、ただ単に目の前にあったからというのもあるが、本作がもっともバラエティに富んでいたからでもある。他はゴスペル、ライブ盤、サントラのベストなどで、1971年にはカントリーソング集「Elvis Country」、クリスマス・ソング集「Elvis Sings The Wonderful World of Christmas」と特定のジャンルに縛られた内容になっている。
天下のエルヴィス・プレスリーもやはりビートルズの爆風には耐えられず、また50年代からなるアメリカのシングル曲メインという業界のスタイルで生きてきたエルヴィスにとって60年代後半からのアルバム単位に変わったスタイルに乗り切れていなかったというのもあるだろう。
それでも本作含めしっかりゴールド・ディスクを取って行くのは流石エルヴィスだ。本作で唯一のシングル曲「アンティル・イッツ・タイム・フォア・ユー・トゥ・ゴー」はUS40位、UK21位を記録した。
オープニングの低音ボイスで情感タップリに歌い上げるエルヴィス節で引き込まれてから「ヘイ・ジュード」での甘く瑞々しい歌唱は、エルヴィスってやっぱスゲーなと思わされる。その他、カントリー、ゴスペルと全く聴き飽きない佳作だと思う。
前述のシングル曲「バーニング・ラブ」(原曲はアーサー・アレクサンダー)は大ヒットしたが、同時にエルヴィス最後のTOP10ヒット曲になる。他の多くのミュージシャン同様、エルヴィスも1972年という絶頂と凋落の年を象徴する一人であった。
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