見出し画像

Backrooms JP のこの階層がスゴい!超おすすめ主観傑作選2023夏

(↑こちらを先に読んでいただけると、より一層この記事を楽しめます)

こんにちは。最近ちゃんとした作品を全然世に出せていないし、Note更新もだいぶサボっててご無沙汰といった感じです。では、その間何をしていたかというと…………

Einoshima は私です

The Backrooms JP の階層記事の執筆と批評に明け暮れ、気づいたらサイトモデレーターなるなんか強そうな役職に就いていました。怖い。

この記事では、私をここまでの大沼に落とし込んだ The Backrooms JP の、珠玉の作品を紹介していきたいと思います。
さっきまで敬体で書きましたが、階層紹介では雰囲気を出すために常体に切り替えます。是非自分で読んでほしいので、階層解説というより読書感想文に近いです。



Backrooms Wiki(FD-JA)

Level 11 η: "一服分の夜景"

Level 11 η の山頂から見える夜景

Level 11 η に到達した人間は、自身の所持する食料や飲料や光源などといった生存に役立つ物資が消失しており、代わりにポケットに見覚えのないタバコが 1 本入っていることに気が付く。

Level 11 η

現実の夜の山林のような場所から、そのふもとの町までを含む空間。あなたがこの階層に到達したとき、その山のてっぺんに立っていて、そばで焚き火の燃える音が聴こえることに気づくだろう。
今回紹介する階層記事の中では比較的短く、おそらくはほんの1~2分で読了できる。だが、この記事はシンプルながら、厭らしくも爽やかな後味を残す。The Backrooms を放浪する中での一コマとして、完成された作品である。

Level 303 η: "荒れ果てた市場"

初めて投稿された Level 303 η の画像。

Level 303 η に侵入すると、所持品のうちバックルーム内で入手した物品が全て失われる。紛失した物品は消失する訳ではないので運が良ければ階層内のどこかで再び見つけ出せる事ができるが、その前に後述する色のない存在によって破壊されてしまう可能性がある。

Level 303 η

荒廃した市場のような建物がどこまでも立ち並んだ空間。高温多湿ですごしにくく、また先ほど引用したような特殊な性質のために探索しづらい。この階層には「色のない存在」や「風景のような存在」がいることが知られている。
この階層記事では、一貫性のある記述により、どこか退廃的で物悲しい雰囲気が、直接的な言葉を使わずに表現されている。物理法則すら超越した超現実的な空間にて、見捨てられ取り残されたような何者かに思いを馳せることができる、朽ち果てた不朽の名作であると感じる。自信をもってオススメしたい記事。

Level 475 η: "白く微笑む車両群"

Level 475 η 内部の画像。

この階層が発見された当初、Level 475 η には「暗闇の中に、目と口を白く光らせながらこちらを見つめてくる、人と同じくらいかそれよりも大きい敵対的な存在」がいると度々指摘されていた。

Level 475 η

どこまでも広がる立体駐車場の階層。屋上からの景色を示した画像が良い雰囲気。ときどき食品や生活用品が詰められた段ボールが車内で見つかるほか、すごしやすい気候から休息のできる階層として知られている。
しかし、この階層であなたの心が安らぐことは決してないだろう。この階層には「目と口を白く光らせながら、こちらを見つめてくる存在」が潜んでいて、それがあなたに今にも襲いかかろうとしていると噂されている。この記事内では、"ある理由"によってその噂はキッパリと否定されているが、果たして真相はどうなのだろうか……

余談だが、この敵対的な存在に関する描写は、The Backrooms の海外コミュニティで考案された生物の"Smilers"がモチーフであると考えられる。

Level 560 η: "氾濫した青"

探索者によって撮影された Level 560 η 内部の写真。溜まっている「物質」が写されている。

また通路の大きさも様々で、数人程度が横に並んでも余裕があるほど大きいものから匍匐前進で進むことすら困難な物も見られる。また通路の壁から別の通路が伸びていることもあり、階層全体が多層的に積み重なっているとされている。

Level 560 η

大小さまざまなタイル張りの部屋部屋が無秩序に積み重なり、水平にも垂直にもどこまでも広がっている階層。画像で示されたような青く粘っこい液状の「物質」が、階層の遥か上から下へ向かってゆっくりと流れている。万が一この階層に訪れてしまったときは、危険な「物質」に触れないように慎重に探索すべき。
この階層の「物質」の性質と危険性は、不安をあおり緊迫感をもたらすものとしても、その流動性で階層の縦横無尽な広がりを再確認させるものとしてもあなたへ強くはたらきかける。そして、極めつけは"概要"の最後の一段落である。この短文がもたらす、言葉にできない余韻がこの階層の不可解さ、理不尽さを体現している。

Level 4444 η: "地獄"

理解度: 1%

これらの DVD には未知の空間の中を映す数十分間の映像が記録されており、標準的な機器で再生することが出来る。この未知の空間を Level 4444 η と命名している。

Level 4444 η

「The Backrooms 内のさまざまな階層で見つかる、不明な DVD 群に録画された未知の空間」という、かなり特殊な定義の階層。それはほとんどの場合で、薄赤く照らされた暗い家の中のような空間を歩く映像であるらしい。
そして、「ごく稀に、その映像中に特徴的な構造や現象が記録されていることがある」と示されたのち、その内容が列挙されていくが、そのスクリーンショットが一枚も用意されていないのである。だが、その"答えを明示しない演出"が、かえって文章の内容を鮮明に想像させることに繋がっている。この記事を読むとき、その映像はあなたの頭の中に自ずと浮かぶだろう。大迫力の演出が、まさに"地獄"の名を冠するにふさわしい記事である。


The Backrooms JP Wiki(WD-JP)

Level 23 N: "無心論"

Level 23 N に存在する斎場の一例。

従って放浪者はこの階層にできるだけ立ち入らないようにして、この階層に到達してしまうような不審な行為は厳に慎んで貰いたい。

Level 23 N

葬儀場を模したような、無限に広がる空間。清潔で長い長い廊下から、大小さまざまな斎場や宴会場へと侵入できる。写真から分かる通り遺影などの欠落が見られるほか、ところどころに火葬場への入口が隠されているのだとか。
この記事の素晴らしい点は、なんといっても臨場感と雰囲気の出し方が抜きんでているところ。是非、深夜に電気を消して、頭で絵面を浮かべながらこの階層記事を読んでほしい。この文章を読みながら「もし、ここに私がいたら……」と想像を膨らませることで、本当に無人の葬儀場を歩いているかのような没入体験を味わうことができるはず。

Level 113 N: "雷鳴の街"

雷雨に移行する直前の Level 113 N 内部の写真。

Level 113 N では好天時にも時折遠雷の音が聞こえ、雷雨が近づくにつれてその頻度が多く、音が近く大きくなっていく。
それと共に空が厚い雲に覆われていき、風量が増し、気温が急速に低下していく。

Level 113 N

地平線の彼方まで際限なく広がる、住宅街のような空間。まさに雨が降り出そうとしていることが一目でわかるこの画像が、この階層で起こることを何も語らず体現している。
この記事の素晴らしいところは、事実を書き綴るのみの淡々とした文章から、何時でも予断の許されないであろうここでのあなたの生活が鮮明に浮かび上がる点。叩きつけるような雨と轟く雷鳴で状況の把握は難しく、そんな中でも得体の知れない存在が少しずつにじり寄ってくる。この階層で悪天に出会ったら最後、怯えながら雨宿りをすることすら許されないことが、自ずと想像できてしまう。

Level 549 N: "感光する闇"

フラッシュ撮影された Level 549 N の居室。階層内で発見されたデジタルカメラによる。

もしもあなたが今 Level 549 N でこれを読んでいるのであれば、
あなたの端末が故障するのは時間の問題です。
可能な限り早急に必要事項を把握し、階層から脱出してください。

Level 549 N

この記事を開いた瞬間、まず「緊急用ガイド」が目を引き、それから得も言われない緊迫感が脳裏によぎるだろう。この緊張が、記事を読んでいて最後までおさまることがないと約束する。
"緊急用ガイド"を読み終わったのち、初めてこの階層が集合住宅の内部を継ぎ接ぎにしたような、暗闇に包まれた空間であることが明かされる。「一寸先は闇」を体現するような、暗闇が抱く未知と不安定さ、そして根源的な恐怖を象徴するような記述によって、警戒感が一瞬たりとも止まることはない。そこそこの文量のある記事だが一文も無駄がなく、最初から最後まで丁寧に空間を描き切っている。本当に読んでみてほしい記事。

Level 720 N: "一軒家"

Level 720 N の一軒家

先の見えない地平線から連想できるように、階層は無限に広がっていると思われ、道に沿って一軒家が見えなくなるまで進んでも目新しいものは見つけられない。

Level 720 N

晴れ渡る青空、太陽に照らされて鮮やかに輝く草原………そんなほとんど何もない広大な空間の中心に細い道が敷かれ、ぽつんと一軒家が立っている。その内部構造は扉を開けて進むたびに目まぐるしく遷移する。
あなたが The Backrooms に超現実的な感覚を求めているのなら、この記事を読めば間違いない。しっかりとした現実感を持ちながら、まるで読者がそこにいるかのような没入体験をもたらし、どこか不思議で晴れやかな余韻を残すこの階層は、まさに夢と現実の狭間。超現実という言葉を体現する、圧倒的な体験があなたへ迫る。

Level 808 N: "おびただしい"

Level 808 N 内部、 及び、実体群

先述したように、Level 808 N 内はおびただしい実体によって埋め尽くされている。この実体群がどこから現れているのかは不明であり、当階層に到達した放浪者は皆一様に、気づいた時には既にこの群集に埋もれていたと証言している。

Level 808 N

屋台の立ち並ぶ、夜のお祭りのような光景が続く階層。この階層内には「浴衣を着た、背の高い人間のような」実体群が跋扈しており、足の踏み場もない状況である。……ここで、先ほどリンクを貼った私の前作Noteの内容を踏まえて、「この階層の性質は、孤独感を重視する際性の定義に反するのではないか」と。
しかし、この記事は、卓越した想像力と文章力を以てこの階層を際の空間として見事に表現している。見ず知らずの群衆が生み出す圧迫感………子どもの頃に誰もが覚えたことがあるであろうあの感覚を、この階層はあなたにもう一度味わせる。


総括

全部凄い記事です!!!!読んでください!!!!!!

ちなみに、一通り読んでみて「自分も、The Backrooms JP で活動してみたい!」と思った方は、誰でも実際に参加してみることが可能です。
FD-JA では、ルールさえ守っていればすぐに執筆作業に取りかかれます。WD-JP では、近いうちにコンテストが開かれる予定です。

最後に、The Backrooms JP Wiki 公式 Twitter のリンクを載せておきます。https://twitter.com/BackroomsJPwiki


(この記事はここで終わりです。)


ライセンスの表示

この記事は、その全文が CC BY-SA 4.0 で公開されます。

https://backrooms.fandom.com/ja/wiki/Backrooms_Wiki は、その全文が CC BY-SA 3.0 で公開されます。

http://japan-backrooms-wiki.wikidot.com/ は、その全文が CC BY-SA 3.0 で公開されます。

Level 11 η は Sansyo-do-Zansyo が 2022 年に公開したものです。

この記事で Level 11 η の画像として使用した画像はSuguru Yamamoto により 2015 年に公開されたもので、下記のリンクで CC BY 2.0 で公開されています。
https://www.flickr.com/photos/116243018@N08/18803606791/

Level 303 η は リモコンのリモコン が 2023 年に公開したものです。

以下は、この記事で Level 303 η の画像として使用したものです。この画像は Michael Coghlan により 2018 年に公開された"Closed Market"を リモコンのリモコン がトリミングしたもので、下記のリンクで CC BY-SA 2.0 で公開されています。https://www.flickr.com/photos/89165847@N00/30834260328

Level 475 η は にわとりさん が 2023 年に公開したものです。

この記事で Level 475 η の画像として使用した画像は Parkig により 2006 年に公開された"梅田スカイビル場内.JPG"で、下記のリンクで CC BY-SA 3.0 で公開されています。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%E6%A2%85%E7%94%B0%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%93%E3%83%AB%E5%A0%B4%E5%86%85.JPG

Level 560 η は zoni999 が 2023 年に公開したものです。

この記事で Level 560 η の画像として使用した画像は zoni999 により 2023 年に公開された"青き氾濫.png"で、下記のリンクで CC BY-SA 3.0 で公開されています。https://backrooms.fandom.com/ja/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E9%9D%92%E3%81%8D%E6%B0%BE%E6%BF%AB.png

Level 4444 η は Hexirp が 2023 年に公開したものです。

この記事で Level 4444 η の画像として使用した画像は "B9F839BD-3E34-4900-BFBF-27F29064E307.jpg" です。 "B9F839BD-3E34-4900-BFBF-27F29064E307.jpg" は "brown wooden door in dark room photo" を複製したものです。 "brown wooden door in dark room photo" は Roman Denisenko が投稿したものです。

Level 23 N は Hoojiro_san が 2023 年に公開したものです。

この記事で Level 23 N の画像として使用した画像は"SANY0001"を Hoojiro_san と Einoshima が加工したものです。この画像は下記のリンクで CC BY-SA 2.0 で公開されています。
http://japan-backrooms-storage.wikidot.com/file:6543543-32-9dxr
"SANY0001" は booby bubio が 2008 年に公開したものです。この画像は下記のリンクで CC BY-SA 2.0 で公開されています。
https://www.flickr.com/photos/duck75/3050050962

Level 113 N は Tarabagani5252 が 2022 年に公開したものです。

この記事で Level 113 N の画像として公開した画像は arditpg により 2008 年に作成された"cloudy"で、下記のリンクで CC BY 2.0 で公開されています。
https://www.flickr.com/photos/arditpg/2460294666/

Level 549 N は incorrectsummary が 2023 年に公開したものです。

この記事で Level 549 N の画像として使用した画像は Lalo Martins により 2005 年に公開された"My apartment"で、下記のリンクで CC BY-SA 2.0 で公開されています。
https://www.flickr.com/photos/lalomartins/370851313/

Level 720 N は personal_mark が 2023 年に公開したものです。

この記事で、ヘッダーと Level 720 N の画像として使用した画像は PtrQs により 2011 年に公開された"20110923 Romo 0260 Sol Sort DSCN2889 PtrQs.jpg"を personal_mark が加工したものです。"20110923 Romo 0260 Sol Sort DSCN2889 PtrQs.jpg"は下記のリンクで CC BY-SA 4.0 で公開されています。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:20110923_Romo_0260_Sol_Sort_DSCN2889_PtrQs.jpg

Level 808 N は HokuhokuPoteto が 2023 年に公開したものです。

この記事で Level 808 N の画像として使用した画像は HokuhokuPoteto により 2023 年に公開された"群衆"で、下記のリンクで CC BY-SA 3.0 で公開されています。
http://japan-backrooms-storage.wikidot.com/file:8486410-4-t132


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?