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論文が公開されました

 この2年間ほど、国立看護大学校の友滝愛さんを筆頭に、医療情報学の専門家で東京大学病院所属の横田慎一郎さんとウィル訪問看護ステーション江戸川の岩本で、ウィル訪問看護ステーションおよびウィルクラウドでも活用している「オマハシステム」に関する研究論文のシステマティックレビューに取り組んでおり、この度Computers Infomatics Nursing誌 に投稿・アクセプト、掲載されました。

こんな方におすすめしたい!

・オマハシステムを使ってどんな研究できるんだろ?を検討したいとき
・他のターミノロジーのレビューで、どんな論文が発表されているか分類したりマッピングしたいときに。

・私たちの提案する分類を、研究を検討する際のたたき台として利用するなど

この研究のポイント


2012年以前の文献においてオマハシステムを使ったレビューは行われており、そのレビューでは研究のタイプとそのトレンドが示されていました。またオマハシステムで収集されている3種類のデータについての分類が中心でした。
 ・KBSというアウトカムデータの分析 analyze client outcomes
 ・診断名の分析 analyze client problem
 ・看護介入の分析 analyze clinical process
 ・ターミノロジーの分析 advanced classification research (他のターミノロジーとの互換性の研究など)
 ・それ以外 others

しかし2012年-2019年でレビューをすると「その他」の占める割合が多いこことがわかり、今回は「その他」を私たちでさらに再分類して定義しました。

新たな分類

以下は、今回の研究でオマハシステムに関する文献について新たに分類をすることができた項目です。
・利用者(患者、家族、地域・コミュニティ)以外の人をアセスメントするために使うもの:看護師や看護学生の教育介入などの場面で使用するものなど
・構造化されているデータセットとしてオマハを使用:オマハのデータを最初からターゲットにしてデータ収集してるというよりも、構造化されたデータの利点が買われて?機械学習などの分析で使われたもの
・オマハシステムを使ったエンコーディング:すでに集めているデータや文書などの網羅性や特徴を記述するために、オマハをいわば参照リストとして使うもの
・オマハをフレームワークとして使用:オマハのデータを使うというよりも、オマハを使うことそのものが介入のコア要素の1つとしている場合など
・臨床情報システム:ICTにオマハを組み込もう!という取り組み全般
・文献レビュー:オマハが含まれている文献レビュー

掲載されたページ


Tomotaki, Ai PhD, RN; Iwamoto, Taiki MSN, CNS, RN; Yokota, Shinichiroh PhD, RN Research Types and New Trends on the Omaha System Published From 2012 to 2019, CIN: Computers, Informatics, Nursing: March 15, 2022 - Volume - Issue -
doi: 10.1097/CIN.0000000000000887

※ e-appendixには、各分類別の論文リストつきです!

今回の筆頭および共著のお二方

国立国際医療研究センター 国立看護大学校 看護学部 人間科学 情報学 助教
 博士(看護学)(2020年3月 千葉大学)
 修士(保健学)(2008年3月 東京大学)
 学士(保健学)(2004年3月 東京大学)
これまでの主な研究活動
 2002年広島県立保健福祉短大看護学科(当時)卒。東大医学部健康科学看護学科の学士編入と看護師の臨床経験を経て,研究を通じた臨床現場への貢献に関心を持つ。東大大学院修士課程で疫学・生物統計学を学んだ後,臨床医主導の研究支援やデータ利活用の事業に携わる。2015年より看護系大学教員となり、看護情報学、看護師のエビデンスに基づく実践をテーマにした研究に取り組んでいる。
看護師、保健師、博士(医学)(東京大学)。専門は医療情報学。
東京大学医学部 講師 / 同附属病院 企画情報運営部 副部長。
主に医療データ二次利用と知的情報処理に関する研究に従事。
業績詳細は https://bit.ly/yokotas-tky をご参照ください。


ウィル訪問看護ステーションでは、訪問看護・リハビリの実践でオマハシステムを日常的に利用しています。ご興味があればいつでも見学にお越しください。


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