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「守護霊」「前世」の初出は?

  文字通り、守護霊や前世の初出について調べたい。ざっと検索したところ、日本では浅野和三郎が「Guardian Spirit」の訳語として「守護霊」を提唱し定着したとのこと。いわゆるカトリックの守護天使が由来ならば、トマス・アクィナス以前に遡るわけだが、果たして、これらは、どのように習合・変化したのか。また「前世」は、それこそ古代のインドに遡るのだろうが、その宗教外での受容史やいかに?

 気になる点がいくつかある。明治期・浅野和三郎以前に「守護霊」的な理解は、日本人に存在したのか。神仏の御加護や先祖の守りと「守護霊」に差異があるのか。江戸時代の宗教観、民俗理解、俗信・迷信・伝承の研究をひもとかねばならない。浅野が輸入した「守護霊」はまさしくキリスト教的守護天使の訛りとしての欧米スピリチュアリズムであろうから、日本のどんな概念を器として習合したのか、気になる。

 またアブラハムの宗教以前の「守護天使≒守護霊」理解はどうか。どの時点で成立したのか。「前世」についても同様である。古代インド以前のそのような宗教や習俗を確認することはできるのだろうか。

 2014年、ガリラヤ湖の近所で城壁または記念碑ともいわれる約5,000年前の遺跡が見つかった。キリスト教徒にとって、新約聖書以前のガリラヤ湖畔を想像することは難しい。しかし人類は、旧約以前よりガリラヤ湖畔にいたであろうから、当然、考古学的調査は可能である。

 「守護霊」や「前世」といった、一見、現代では取るに足りない内容も世界宗教のつながりで考察できそうである。または「守護霊」「前世」を前提する人々を特定の宗教カテゴリとして想定した上で分類することも、ある程度は有意義だと思う。

 アブラハムの宗教の余波として、その余波がどのように日本と習合したのか、という思想史的課題として、「守護霊」「前世」の初出が気になっている。少し興味をもってアンテナを張っておきたい。何か良い書籍をご存知の方はお知らせいただけると大変ありがたい。

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