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イーロン・マスク(上)を読んだぞ

今回は最強(恐)の起業家イーロン・マスクの伝記が出ていたのでこれは読むべきでしょということで(上)だけ読みました。

なかなか分厚かったですが、どこを読んでも面白くすぐに読みきれることができました。また、聞いたところによると著者はスティーブ・ジョブズの伝記も出版しており、そちらもなかなか面白いみたいです。(下)と合わせて近いうちどちらも読みたい。

ということで、この本を読んだ要点をまとめようと思う。

# 頭のいい人々とうまく協力し、ソクラテス流の手法で、共通する目的を達成すること

これは同窓会誌で質問された「クイーンズ大学に通った2年間で一番重要な学びは?」に対する答えである。

イーロン・マスクについては、しばしば独裁的なイメージがありますが、実際には周囲との協力を重視しているようです。さらに、この本では彼が異様に専門家に質問し、わからないことに対して徹底的に調査する(させる)描写が頻繁に登場し、そのスタイルは周囲に頼る(というよりも攻める)というものです。

やはり自己完結せず、専門家に意見を求めることの重要性は明らかである。

さらにソクラテス流の手法という部分も注目すべきです。
ソクラテスは「無知の知」で有名な哲学者であり、この手法は当時、相対主義に基づく価値観で悪政を行う政治家に対して質問を繰り返す手法だと考えられます。

この手法を使用することで、ある主張に矛盾が生じる仮説を繰り返し質問することで最終的に正しい仮説を見つけることができるという考え方です。ここからもイーロン・マスクが執拗に質問し続ける性格が浮かび上がります。

# 会社に投資する意思のないものは創業者になり得ない

これはスペースXの創業時、別の企業で働いていたミューラー氏をエンジン設計のトップに誘った際に考えたことである。

ミューラー氏はスペースXが潰れるリスクがあるとして2年分の報酬に関して第三者預託を要求しました。この行為によりミューラー氏はあくまで社員であり、スペースXの共同創業者ではないとされています。イーロン・マスクによれば会社に投資する意思のないものは創業者になり得ないとの考えです。やる気と汗とリスクが揃わなければ共同創業者にはなれない。

リスクと友達になろうと心に誓った。

# 要件は全て勧告として扱え

ちょっと長いので引用を貼っておくが、物理法則以外は全て疑えということ。なぜそうなっているのか、なぜそうしないといけないのか、徹底的に考えて脳に汗をかくことから逃げてはいけない。

これは「要件」だからしなければならないと口にした技術者は、マスクにとことんやりこめられる。その要件はだれが作ったのか、と。「軍」とか「法務部」というレベルではなく、その要件を実際に作った担当者個人の名前まで押さえておけというのだ。 「エンジンを試験するとか燃料タンクの認証を取るという話になると、マスクに『なぜやらなければならないんだ』と尋ねられるんですよ」とティム・ブザは言う。ボーイングからの転職組で、発射と試験を統括するバイスプレジデントになる人物だ。「『それが要件だと軍の仕様で決まってるんです』って答えると、『それはだれが書いたんだ? どういう理屈でそうなってるんだ?』って突っ込まれます」

# 気が狂いそうな切迫感を持て

# 失敗して学べ

# なんとかしろ

体育会系が言いそうな三拍子。

# 最初の車を出せるのは1回だけなんだ。だから、その車は、できるかぎりいいものにしなければならない

これはテスラの設計レビュー会議で放った一言。もちろん期日はギリギリ。

ちなみにスティーブ・ジョブズも次のような言葉を残しており、デザインに徹底的にこだわる姿勢は稀代の起業家の共通点として見えてくる。

「普通の人にとって『デザイン』というのは、みてくれのことさ」──ジョブズは、昔、こう語っている。「そんなのデザインじゃない。デザインというのは人工物の基礎となる魂のようなもので、製品やサービスを包む外層という形で自己表現するんだ」

# アルゴリズム

ここでは詳しく説明しないが、5つの戒律が定められている。そこから導き出される例が次のように紹介されていた。

・技術系管理職は実戦経験を積まなければならない。たとえばソフトウェアチームの管理職なら仕事時間の20%以上は実際にコーディングをしていなければならない。ソーラールーフの管理職なら、自分も屋根に上って設置作業をしなければならない。そうしなければ、馬に乗れない騎兵隊長、剣の使えない将軍になってしまう。
・仲間意識は危ない。相手の仕事に疑問を投げかけにくくなるからだ。仲間を苦しい立場に追いこみたくないという意識が生まれがちだからだ。これは避けなければならない。
・まちがうのはかまわない。ただし、自信を持った状態でまちがうのだけはやめよう。
・自分がやりたくないことを部下にやらせてはならない。
・解決しなければならない課題に直面したら、管理職に伝えて終わりにしないこと。階級を飛ばし、管理職の下の人間と直接会うこと。
・採用では心構えを重視すべし。スキルは教えられる。性根をたたき直すには脳移植が必要だ。
・気が狂いそうな切迫感をもって仕事をしろ。
・規則と言えるのは物理法則に規定されるものだけだ。それ以外はすべて勧告である。

中でも「気が狂いそうな切迫感を持て」はすごく響いたので、キリキリの期限を宣言して気を狂わそうと思う。

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