未来七月号

食物の帰路としてある血液の流れたゆたう臨月の十

「黒子など要らない」と告げし半月のち視線はつまり他人の空似

暑くなりて上着を捨てる未だ来ぬ海岸開きを思う日中に

答え乞う、たがいに乞うは過ぎて後音残る骨のごとくに寂しい

僕なりに傷つくこととは深く、それは深く雨の打つ曲がり角

いつの間に仲良くなりしあの子らの航路(ライン)経てくらき肉体白し

調律を終えて浮く間の顔可愛くズルズルと来る音律のごと


※曲れる谿の雅歌欄

いつも選歌ありがとうございます。


#短歌
#創作

ポエム、詩、短歌などを作ります。 最近歴史に興味があります。