深草の図式コレクション
図式主義
一般に、n項図式は(n-1)項図式の組合せ(足す・掛ける・割る)によって成立している。
零項図式(否定図式、無)
これは時に否定神学や同一哲学とも呼ばれる。あらゆる図式(分類、範疇)あるいは対立・区別を否定する。ちゃぶ台返しや夢オチに最適である。
一項図式(一元論、シングルトン)
汎神論または唯物論がこのような形態を取ることがある。根底的な同一性・内在性を認め、外部を認めない。対立の「地平」を見極める議論の際に頻出する。内部に構造をつくることによって入れ子型に発展することがある。
二項図式(二項対立、コンビ)
★無数に存在し、n項図式の基礎となる場合が多い。
左翼:右翼、社会主義:資本主義、スキゾ:パラノ、前衛:伝統、原因: 結果、男性:女性、合理主義:神秘主義、データベース:シミュラークル、解体:保守、革命派:体制派、ポストモダン:モダン、モダン:プレモダン
陰陽、上下、左右、前後、是非、真偽、善悪、美醜、聖俗、肯定否定、仕事遊戲、好景気不景気、必要条件充分条件、足し算掛け算、絶対相対、可能現実、社会個人、賢愚、損得、徳不徳、経済不経済、幸不幸、一般特殊、原則例外、戦争平和、愛憎、有無、狼羊、泥棒警官、AC/DC、B.C./A.D.、今昔、有限無限、二進法など。
発展形として、無限累進(後退)や螺旋状過程(ジグザグ・プロセス)に至ることがある。
三項図式(三幅対、三すくみ、トリオ)
【三次元型】二項図式×3型、つまり三つの対立図式を組み合わせたもの。例えば、真・善・美(真偽+善悪+美醜)、政治・経済・文化などである。
【合成序列型】二項図式+二項図式。二つの二項図式を一つの共通項を中心に組み合わせたもの。上・中・下、獣・人・神、過去・現在・未来、前世・現世・来世、プレモダン・モダン・ポストモダン、作品:キャラクター:萌え要素、普遍:特殊:個別、古代・中世・近代などである。これらの場合、両極端は純粋で、中央要素に二重性・不純性を含ませることが多い。この二重性は場合によっては「矛盾」と呼ばれる。
【単純序列型】松・竹・梅、ホップ・ステップ・ジャンプのような場合では三つは対等または単純な順序関係にあり、で二項対立は無い。
【三すくみ型】グー・チョキ・パーなど。三つの相互関係が組み合わされている。
【入れ子型】(二項図式+一項図式)男性:女性:人間。二項対立に対して、それらをサブセットとする、共通点となる項または集合が示される。
【発展形】樹形図と網状図(集権型と分権型)、一つの項から二つの項へバイナリに枝分かれするか、もしくは、三つの項が相互に何らかのつながりをもってネットワークになる。
四項図式(四肢的構造、カルテット)、
【二軸型】二項図式×二項図式。クラインの四元群、共同主観的存在構造、ノーランチャート、(唯物論:観念論)×(記述的:規範的)、上下左右、東西南北など。
【中割れ型】三項図式+二項図式。統一→分裂→統一(段階的三項図式の中央項に二項図式を仕込む)。
【段階型】PDCAサイクル(段階+循環)、春夏秋冬、古代・中世・近世・近代。この場合、古代・中世・近代に「近世」を分析して挿入している。
【要素型】四元素説、四天王、仁・義・礼・智、生・老・病・死
cf.西部『知性の構造』
五項図式
五行説(木・火・土・金・水)、五大陸、五臓、五芒星など。
六項図式
【大澤型】三項図式×二項図式。大澤真幸の文学的時代論などはこれを使っている。六腑、六芒星などもここに入れておく。
七項図式
ドラゴンボール、七つの海、七曜制、七つの大罪。
八項図式
八犬伝、八進法、八正道、前後左右上下(二項図式^3)
九項図式
【三三型】三項図式×三項図式
三‐三構成、九品中正、ヘーゲル的範疇、ビジネススクリーン(GE&マッキンゼー)
十項以上……
【10】十進法、十干、【11】五臓六腑、【12】十二支、十二ヶ月、ダース、【24】24時間、【30】一ヶ月30日、【60】十干十二支(六十年)、六十進法、【100】百分率、世紀(百年)、【108】煩悩、【365】一年、【1000】千分率、千年紀、三桁区切り、千手観音、【10000】四桁区切りなど。
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