見出し画像

人を学ぶ

とある施設にお邪魔してきました。



映画の取材のためにコンタクトを取り、難しいだろうなと断られるのを覚悟していたけど、熱意と誠意を持って意図をお伝えすると

ご対応下さった副所長の青木さんが、とても丁寧でメールの一言一言にも人柄が表れてくるような素敵な方でした。



今日はなんだか朝からすごく緊張していました。変な誤解を与えてしまわないだろうかと。そんな不安を抱きながら電車に揺られて向かいました。

そうしたら、僕の不安をよそに予想をしていたよりも遥かに真摯に向き合って下さいました。

子育ての現場も見せて頂き、お子さんを取り巻く家族や支援の仕方など様々な実現場に触れる機会を与えて下さいました。

感情が振れすぎてしまうような瞬間もありました。


俳優というのは「人を学ぶ」職業だと思っているので、僕にとってはその瞬間もまた賜り物でした。


ご協力下さった

『うめだ・あけぼの学園 子ども相談支援センター』

青木副所長様
加藤施設長様

には感謝の念が尽きません。



今日の日を、大切にしたい。

僕なりの形で世に伝えていけるよう努めて参りたいと思います。









帰り道。

少しだけ足を伸ばして、僕にとっての懐かしの街に行ってきました。



17年ぶり。



僕が銀行に入行して、配属された寮がこの街にはありました。僕の東京生活はここから始まった。

「五反田?聞いたことある!東京の大きい街やん!」
と思ってウキウキしながら行ってみたら





五反野だった。



17年ぶりに訪れてみると

地形は覚えていたから、大きく変わったなぁとは思わなかったけど、商店街に連なっているお店は何一つ覚えていなかった。



「何も覚えてなかった」のではなく

「何も見ていなかった」のかな。



正直、僕はこの街が嫌いだった。


配属先こそ、銀座に程近い一等地。
千代田区丸の内一丁目一番。



同期は六本木の寮に配置されたりして
「なんで俺ココやねん!」って思ってた。


朝一は日比谷線が死ぬほど混むし
微妙に駅から遠いし
何より、


僕のイメージしていた『東京ライフ』ではなかった。



だからココに住んでいた頃は、街の良さを全て見逃してしまっていた。





それでも唯一、寮の近くにあったミニストップだけは覚えている。



土砂降りの日だった。
バケツをひっくり返したような大雨。


色んな事が納得いかず
ただイライラしていた。


新しいスーツだったけど、
なんだかヤケになって傘を
捨ててきた。


帰りにミニストップで弁当を買った。


したら、なんか無性に悲しくなって。


なにやってんのかなぁって。


弁当もろとも、ずぶ濡れになって帰った。




今の俺なら、もっと真剣に目の前の事に取り組むのにな。

もっと勉強するだろうにな。



あの頃は

「カッコイイもの」

に囚われていた。



カッコイイ生活
カッコイイ服装
カッコイイ仕事



十分すぎるくらい恵まれていたのにね。

どうやら恵みを捨てたい性分らしい。

正確には、恵みに甘えたくないのかな。

それは今でも変わらないど。





そんな事を考えながら、17年ぶりの道を歩いた。





あのミニストップは、
なくなっていた。








前に進んでるね。

街も

僕も。









P.S.
五反野はとても住み良い、素敵な街です。

久しぶりに行くと、また住んでみたいなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?