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2024年、初夏・北海道への旅
2024年、初夏・北海道への旅もあっという間に終わってしまいました。
僕たちは大阪夏の陣へと駒を進めたわけですが、
ラスト数日間の北海道もまた、僕たちにとって大切な日々となりました。
僕と相方の彰夫は道北、名寄市に滞在し
その間、朱鞠内湖のある幌加内町長や名寄市市長、名寄市立大学の学長との面談があり
両市町でのロケハンをグングン進めました。
大半のロケ地の目処がついたので、どうしても見ておきたかった肝心要の
『朱鞠内湖』に行ってきました。
ところで。
朱鞠内湖のウェブサイトには、このように書かれてあります。
『朱鞠内湖。そこには、限られた人しかいけない』
僕が初めてこの地に来た昨年の11月。
見えないバリアのようなもので、この地に全く受け入れられていない気がしていました。
当時は熊被害の直後で舟も借りられなくて、毎日この湖に来ても湖の入り口である前浜からは一歩も前に進めず
シナリオのアイデアも浮かばない、美しい景色を見る事もなく、何も得られないまま、ただただ前浜から湖を眺めて帰る、という不毛な時間を過ごしました。
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その期間が一ヵ月続きましたが、次に来た2月には、湖は凍り、湖面には雪が積もったおかげで、僕が行きたかった浮島まで湖面を歩いて行きました。普通はモービルに乗らないと行けないくらい遠いのですが、まあ俺らアホなんで、歩いたよね。
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そして、今回。
初めて湖が凍っていない状態で前浜から前進することができました。
二人で舟に乗り、オールで漕いで朱鞠内湖上に浮かぶいくつかの島を周りまながら
本編の中でも最重要カットの一つとなる撮影ポイントから、撮影のシミュレーションをしてきました。
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最初は漕ぎ方も分からず、全く舟が動かなかったんですが、2時間も漕いでいるとどんどん上達してくるもので、ロウリングハイになっていました 笑
若干今ボート乗りたくてうずうずしてるくらい、ちょっとハマってます 笑
映画を作り始めると、色んな事ができるようになってくるんですよね。
話は逸れましたが、
こうして朱鞠内湖の中に少しずつ立ち入ることも叶い
町や市の撮影協賛を得る事もできました。
ロケ地も大半が決まりました。
少しずつですが、朱鞠内湖が、この地が僕を受け入れ始めた事を感じずにはいられません。
『莉の対』も大変でしたが
『朱鞠』の制作には、莉の対には無かった、乗り越えないといけない障壁がいくつかあります。
そのうちの半分はこの半年間でクリアできたと思います。
残りの半分は、マジで強敵です。
だけど、乗り越えていきたいと思います。
それだけ僕は『朱鞠』を見たい。
人生を賭けてでも、『朱鞠』を作りたい。
と思うようになったんです。
そんな『朱鞠』はこの人との出会いで生まれました。
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昨年の11月。教授と過ごした日々は、僕の一生の宝物です。
そしてその宝物を、作品にするんですから、人生を楽しみまくっていますよね。
今回の旅でも、教授の家に泊まらせて頂きました。
夜遅くに到着した僕たちはご挨拶もできなかったのでそのまま寝ちゃったんですが、朝起きると教授は僕の顔を見るなり
「田中さん、ドライブ行きましょ!」
と言って僕を連れ出してくれました。
彰夫はまだ寝ていたので、こっそり二人で行ってきました。
教授が見せてくれた
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この茶色の地面一面に黄色の菜の花が咲くそうです。
僕はまだ出会ったことがない景色ですが、『朱鞠』の中で僕がカメラに収めたい景色の一つです。
『朱鞠』がカンヌに行くために、僕には北海道の景色という武器が必要になります。しかも、派手なものではなく、どことなく哀愁を感じる、上質な景色。
教授は毎朝ドライブが日課で、色んな美しい場所を知っています。観光地ではない、教授だけが知る、上質な場所の数々。僕は勝手に教授を「最高のロケ地コーディネーター」だと思っています 笑
そんなこんなで、今回の黄教授との時間もまた、実りある時間になりました。
11月、2月、そして6月。
もう3回も会いました。
こういう丁寧な時間の重なりが、僕の映画作りの原点だし、最大の魅力であり強みだと思います。
ひょんな事で、名寄市在住の歌手で俳優のミッキーカーチスさんにもお会いすることができました。
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ミッキーさんには映画について色々とアドバイスをもらうなど、僕たちにとってワクワクするようなお話も聞かせて頂きました。
なんとミッキーさん主演の短編映画『運命屋』は全編名寄で撮影されたそうなので、11月に公開されたら僕も観に行こうと思います。
色々なワンダーに溢れていた2024年初夏・北海道への旅。
実りある日々でした。
また一歩前進して帰ってきます。
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