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AWSでAdaptive bitrateに対応する

Adaptive bitrate(ABR)について

Adasptive bitrateとは
普段利用しているYoutubeなどのストリーミング動画などにおいて無くてはならない技術で、
可変ビットレート、多重ビットレート、マルチビットレートという呼び方もされます。
ビットレートというのは、情報の転送量のことで、1秒間に何bitの情報が転送できるかとうことを表せています。
Adasptive Bitrate(可変ビットレート)は情報量を通信状態に応じて変更させるという技術です。
具体的に、以下の図のように電波が良い時⇒高解像度、電波が悪い時⇒低い解像度、というように受信する側の電波状況に応じて変化させて、動画が停止しないようにするシステムです。

マルチビットレート

(通信状況:普通の場合は720p、悪い場合は480p、良い場合は1080pというように通信状況に応じて出力を変えます。)
(通常、解像度が高くなるほど、ビットレートが高くなる)

メリット
・電波状況が悪くなっても、動画が停止しづらく、視聴者が快適に動画視聴出来る

どうやって実現するのか
以下の図を例にすると、3本の動画をあらかじめ準備しておいて、それを視聴者の電波状況に合わせて、表示する動画を切り替えているという仕組みになります。

マルチビットレートーファイル


ここで、実装にあたって1つ手間になってくることは、この解像度・ビットレートが違う動画をそれぞれ用意する必要があるということです。
ただ、AWSではこの工程も動画ファイルをアップするだけで、自動で行えるようになります。

AWSでAdaptive Bitrateに対応する

動画変換をするMedia Convert で複数解像度の動画を出力する
AWSでVODの動画配信をする際に、Media Convertというサービスを利用して、mp4などのファイルから、ストリーミングに対応するためにHLSの形式に変換する必要があります。
その変換時に異なるビットレートのファイルを出力する形でAdaptive Bitrateに対応していきます。
その際に、Media Convertの中の設定で以下の2種類の方法が存在します。

①手動で出力のパターンを追加する
Media Convertの中の設定での中に変換して出力する動画の設定が出来る箇所があります。
そちらで、以下のキャプチャのように720p、480pと自分で出力の設定を追加して、この設定をした解像度、ビットレートの動画を用意するという方法です。
ーメリット
・変換の追加料金がかからない(自動ABRの機能は追加で請求があります)

ーデメリット
・元々ファイルサイズが小さく変換の必要がないものでも、異なるサイズで出力してしまう。

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②自動ABR
自動ABRは動画を、視聴者が快適に視聴できるビットレートで分割してくれて、用意するビットレートの種類も自動で決めてくれます。
(設定で最大で作成する動画の数、ビットレートの範囲を設定できます)

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ーメリット
・手間がかからない
・動画毎に最適なビットレートの種類の動画を出力してくれる

ーデメリット
・追加の料金がかかる(数によっては逆に節約できるかもしれない)

大量の動画をアップロードして運用していく場合は、自動ABRの設定が運用していく上で、メリットが大きいため、こちらを使うことが多くなるかと思います。


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