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アグレッシブさが増した新スゥープス

24-25シーズン開幕節ゲーム2
●岐阜スゥープス69-85トライフープ岡山

【試合の概要】
B3参入後、7シーズン目を迎えた岐阜スゥープス。開幕初戦はトライフープ岡山を相手に99-81で逆転勝利。ゲーム2は残念ながらエネルギー不足で2連勝とはならなかったが、新チームはこれまで以上の「スピード」と「アグレッシブさ」を感じさせてくれた。

【第1Q】19-26
#2古賀、#4エドソムワン、#7高橋、#11ローガン、#24卜部

確実にやってくれそうな雰囲気を醸し出していたライアン・ローガン主将

立ち上がりは悪くなく、エドソムワンと卜部のシュートで4点を先行。出足の速い守備でスティールも4本を記録したが、バスケットカウントで余計なフリースローを与えたことでリードを広げられず。逆に終盤はミスからあっという間に大きなリードを奪われてしまった。

【第2Q】35-50(16-24)
#2古賀、#4エドソムワン、#7高橋、#11ローガン、#24卜部

エドソムワンのパワーあふれる豪快ダンク

髙橋のカットインやエドソムワンのダンクシュートなどで4点差まで追い上げたが、アウトサイドから気持ち良くスリーポイントを打たれてしまい、なおかついい守備からの速攻で決め切れない場面もあり、もったいない前半となってしまった。

【第3Q】53-67(18―17)
#2古賀、#7高橋、#11ローガン、#24卜部、#42フォトゥ

髙橋がアグレッシブで速いバスケの核

後半は立ち上がりから激しいバトルが繰り広げられ、両チームともにファウルが多い展開に。その中で髙橋が気持ちの見えるプレーでチームを引っ張り、速い攻撃を仕掛けていったものの、その差を大きく詰めることはできなかった。

【第4Q】69-85(16-18)
#2古賀、#4エドソムワン、#7高橋、#11ローガン、#33荒川

得意のスリーで最後まで見せ場を作った卜部

第4Qの序盤はなかなかシュートが決まらず22点差と逆転はほとんど不可能な流れに。それでも終盤に卜部が2本のスリーポイントを決めるなど最後まで戦う姿勢は見せた。

【試合の総括】
第2戦の流れを書いていくと、あまり文字数を増やしたくないこともあり、負け試合の表現ばかりになってしまったが、攻守ともに随所でスピード感のある良いプレーを見せていたことは間違いなく、今季のスゥープスは新時代に入ったと感じさせた。もちろん反省点は多くあったゲームだが、選手たちはそれを克服する道筋が見えているはず。今後も大きな期待を持ってチームを追っていきたい。

【コメント】
小林康法HC

--試合を振り返って
 昨日の試合に比べると、試合には落ち着いて入ることはできたんですけど、強度の部分で昨日よりも相手に自由にプレーさせてしまった。前半に同じようなシチュエーションで、スリーポイントを決められてしまったので、次はやらせないこと。私たちのディフェンスは相手のやりたいことにいかにストレスを与えるのか、邪魔をできるのかというところなので、そこを80分間やり切る力がまだまだ足りなかったと思います。
 うちのディフェンスもオーバーヘルプをしてしまって、ローテーションも遅れてというケースになっていたので、そこが上手くやれたらもうちょっと違う展開になっていたと思うんですが、上手く守ろうとしたというか、相手に先手を取られた感じでした。
 私たちのスタイルはアグレッシブにいくことで、アグレッシブはいい言葉ですけども、良い判断ではなかった部分も少しあって、そこから相手にアドバンテージを与えてしまったところもありましたし、簡単なミスからスコアを与えてしまったところもあって、そういう隙から相手に余裕を与えてしまうと、まだ勝ち切ることは難しいと思います。
 今日は岡山さんのインテンシティが非常に高くて、いいプレーをされていたと思いますけど、自分たちから勝利を手放した負けだと思うので、自分たちにフォーカスをして、私たちがやるべきことをやれたかどうか、そこをしっかりと振り返って来週に向けて準備をしたいと思います。
--攻守における速さやアグレッシブさを感じたがこだわりは?
 田中(昌寛)GMからオファーをいただいた時もそうですし、もともと僕が知っている岐阜スゥープスは、ディフェンスからトランジションのチームでしたので、そのスタイルでさらに突き抜けるような、やっぱりチームにはいろいろなスタイルがありますけど、私たちは本当に激しいディフェンスからオフェンスにつなげるというところで、まずB3で1番になりたいと思います。そこはチームとして意識をしてやっていますし、その中でいい判断ができるようにならないといけないと思います。そこにプラスして今日の第2戦で感じたのは、少しガス欠してきて強度が下がったりとか、走れなくなったりしたこと。そこに関しては起用法や采配の部分でもあるので、フィジカルのタフネスとメンタルのタフネスを上げていくこと、チームとして成長しないといけません。
--HCとして初めての指揮を執った感想は?
 多くの方に応援していただいて、今シーズン、私たちに対する期待の大きさをしみじみ感じましたし、身の引き締まる思いでした。やっぱり一つでも多くの勝利をスゥーピーにお見せできるように、特にホームでは負けてはいけないと、その自覚を持って闘いたいですし、勝利も大事ですけど、私たちのやるべき姿、闘う姿勢だったり、前向きな姿勢だったり、絶対に弱い姿を見せないで、前向きな姿を必ず届けられるように準備をしたいと思います。
 実は、このOKBアリーナは私が現役を引退したアリーナです。高校時代にウィンターカップの予選で負けてしまって、その試合はキャプテンだったのに、ファールトラブルでほとんど試合に出られないまま、不完全燃焼で引退して、大学からは学生コーチになりました。そのアリーナでこうしてHCとしてのキャリアをスタートできた、しかもこれだけ多くの方の前でリーダーとしてコートに立てたことはすごく感慨深いですし、本当にすごく幸せだなと。その環境に感謝をして、僕が出来ることはこのチームをさらに良くして恩返しをする、岐阜を盛り上げるということなので、リーダーとして前向きに、今日の負けをしっかりと生かせるようにやっていこうと思います。
 
ダニエル・フォトゥ

--試合を振り返って
 みんながやる気に満ちていて、やろうとしていた部分はありましたが、相手の外国籍選手にオーバーヘルプという意味でちょっと寄り過ぎてしまって、日本人のシューターをちょっとフリーにしてしまったと思います。相手も(第1戦から)いい感じで修正してきました。どこでやられているのか、こちらも試合中に早目に気付いてアジャストする必要があったと思います。
--苦しい展開でも最後まで戦いきりましたが?
 コートに立っている時間は、1分でも1秒でも、ずっとやり切るということを自分自身と約束しています。点数とかは関係ありません。やるべきことをやるというのを自分自身と約束をしながら、チームの流れがあまり良くなくても、雰囲気が落ちてきた時でも、自分が気合いを入れるためにアグレッシブにプレーをします。
--日本のバスケットボールの印象は?
 日本人のPGは非常に速いですし、自分自身がやってきたバスケットとはちょっと違うというのは感じました。開幕戦で多くの人が会場に足を運んでくれました。負けている状況でも後押しをしてくれて、本当にスゥーピーの方々に感謝しています。
--お兄さん(アイザック・宇都宮ブレックス)からアドバイスは?
 兄はいろんな経験のある中で、「日本のバスケが最強、最高」といつも言っています。バスケも文化もブースターも、日本が1番好きだと。日本人は相手を相手尊敬すれば尊敬が返ってくるという文化を持っています。それを本当に大事にしています。
--今日も100%やり切ったが、でもまだできる部分もあると思うが?
 そうですね。試合よってチームに対して何が必要か、リバウンドだったり得点だったり、いろいろありますけど、自分の役割を果たすために、チームに必要なことを毎日やる。アグレッシブさをなくさないように、自分自身の100%をやり切らない時間帯は1ミリもないようにやっていきます。これからも期待をして下さい。

卜部兼慎

--同じ形でやられる部分もあり、もったいない試合だった。
 そうですね。今日は入りからまずしっかりしようというところがありましたが、相手もスカウティングしてきて、僕たちのディフェンスの動きに対応してきたので、やりたいディフェンスが最初はできていましたけど、途中からうまく裏をかかれてしまったし、止めるべき選手や当たっていた選手を抑え切れなかった。外国人選手同士のところは頑張ってくれていたので、あとは僕たち日本人がどれだけ入れさせないかというのがカギだったと思います。そこがちょっとできていなかった。相手もスリーを気持ちよく打っていたので、もったいなかったと思います。
--小林HCは足が動いていないのではなく逆に動き過ぎた、オーバーヘルプだったと言っていたが。
 そうです。そのオーバーヘルプは、行くところと行かないところの判断が結構難しくて。そこは次戦に向けて、映像を見て何がダメだったのか、どこをヘルプすべきだったのか、僕なりに反省したいと思います。
--卜部選手個人としては素晴らしいプレーをしていたと感じます。
 いや、僕の結果はどうでもよくて、やっぱりチームが勝つことなので、負けたということは僕が何か足りていないところがあるということ。逆に言うと、それが伸びしろだと思うし、康さん(小林HC)が入って7月から準備をしていますけど、ドルフィンズ(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)も(結果が出るまでに)数年もかかっているんですよ。でも僕らは数年では長すぎるので、このワンシーズンで成長していきたいし、できるだけ早い段階で今のバスケのスタイルを完成させたい。試合や練習から、地道に1日1%でもいいので成長していくべきだと思っています。
--このアリーナでプレーした経験もありますが味方になって印象は?
 本当に心強いです。本当にその一言ですね。敵の時は本当に嫌でした。呑み込まれる感じがすごく強くて。逆に味方になってすごく頼もしかったです。その期待に応えないといけないし、やっぱりスゥープスのホームゲームに来て良かったと思ってもらえるように、子どもたちが「こういう選手になりたい」と、目標になるべき選手を見つけてくれたらすごくうれしいと思います。
--スゥープスはどんなチームで、その中で自分は何を成し遂げたい?
 岐阜スゥープスはオフェンスよりはディフェンスのチームだと思っています。シュートが入る入らないは水物なので。しっかりディフェンスして、なんなら前からプレッシャーをかけて、そういう流れを作るチームだと思っています。その中で僕の役割は1番から4番まで、誰とマッチアップしても康さんの言うことを遂行すること。どこのポジションだろうがHCの求めるものをしっかりとやりきるだけかなと思います。あと、外からスゥープスを観ていた時は「すごく仲のいいチーム」だと思っていたし、相手チームに対しても敬意を払ってくれるチームという印象がすごくありました。それは中に入っても変わらずに相手も味方同士もリスペクトしていますし、めっちゃいいチームだと思います。人間を大切にするチームで、そこに惹かれたのも入団した理由です。
--開幕節2戦で見えたものは?
 そうですね、良い未来しか見えていないです。

YUKI(岐阜スゥープスチアリーダーズキャプテン)

--新シーズンが始まりました。新キャプテンとして緊張したのでは?
 本当に緊張しました。私は5年目で、初めてキャプテンをやらせてもらって、今まで先輩方が築き上げてきたものを、私も後輩に伝えていかないといけないという責任も感じていましたし、開幕に向けて本当にハードな練習をしてきたので、それにみんながしっかりついてきてくれたことに感謝をしています。それに本当にたくさんのスゥーピーの方たちや、岡山のブースターの人たちもいらっしゃってくれて、一緒に選手にエールを贈ってくれて、本当に熱気がすごかったですし、その熱気で自分たちもパワーをもらって踊ることができました。
--今後どんなことを表現していきたいですか?
 ルーキーが2名加わりました。元々岐阜スゥープスを応援していたメンバーなので、スゥープスを応援するっていう思いはすごく強いと思います。2階席にもその熱が伝わるように、パフォーマンスはもちろん、声を出す練習もしましたし、スゥーピーのみなさんについてきてもらえるように体全体で表現していきたいです。
--YUKIさんは感染症で厳しい時代も経験していますね。
 そうですね。私はちょうどその時に入団したので、席数も少ない時がありましたし、いろいろな思いがあり過ぎて(涙)。それが今年はほぼ満員じゃないかというくらい入ってくれて、西濃建設さんの冠というところもあったと思います。その中でパフォーマンスさせていただけることがとてもうれしいですし、これだけ大勢の方のパワーが合わさると、こんなに大きな響きになるんだって感動もありました。もっともっと頑張っていきたいって感じさせてくれました。

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