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「全試合戦いたい」バスケット選手としての重大な決断

岐阜スゥープス #17杉本憲男インタビュー

世界中が未曾有の混乱に陥ったこの時期に、あえて起業に踏み切ったバスケット選手がいる。B3岐阜スゥープスの杉本憲男選手(35歳)。クラブチーム時代からシューティングガードとして5度の全国制覇、B3参入に大きく貢献してきたベテランだ。なぜ今バスケットボール選手と会社社長という二足の草鞋を履こうと決心したのか。そこには家族やクラブに関わる全ての人たちへの強い想いがあった。

会社名に込めた想いと壮絶な生い立ち

 外国籍以外の選手は本業を持ち、働きながらB3リーグに挑戦している岐阜スゥープスの選手たち。#17杉本憲男選手は、幼児らに運動を教える体育指導の会社に勤めながらバスケットボール選手として活動してきた。しかしこの春、13年間勤めた会社を辞めて独立。少人数で子どもたちに運動指導をする「サンクスアクティビティ」という名の会社を立ち上げた。

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杉本:“サンクスアクティビティ”という名前にしたのには2つの理由があります。まずは自分がここまでやってこられたことに対して、常に感謝の気持ちを持ち続けている、そしてそれをずっと忘れないでいようと言うこと。もうひとつは、子どもたちに“当たり前のことを感謝できる人間になってもらいたい”ということです。

 実は僕、結構ハードな生い立ちで、1歳の時に父を交通事故で亡くしています。僕もその車に同乗していて、父は僕をかばうようにしてくれていたそうです。その後は4人の男兄弟を母がパートをしながら一人で育ててくれました。だから世間で言う当たり前がうちには当てはまらない。本当にここまで健康に育ててくれた母や兄たちに対して感謝していますし、いま自分には3人の子どもがいますが、妻や義理の両親も含めて家族には感謝してもしきれません。だから会社のロゴも家族全員で書いたんですよ。

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