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会場全員が一体となったホーム最終節

2022年4月16日GAME1
岐阜スゥープス96-86しながわシティ

新型コロナの影響により練習できたのはわずか2日間。メンバーも9人で臨まざるを得なかったしながわシティ戦だったが、全員の力がうまくかみ合い、ホーム最終節の初戦は96点を奪う快勝劇となった。

IGNITEを熱唱する増本選手

この日は岐阜トヨペットがマッチデーパートナー。同社で働く増本優太が試合前に「IGNITE」を歌いブースターを盛り上げると、その熱が試合にも大きく伝わった。

スターターは古賀森人、福井航介、山田洋介、アレックス・フロレスカ、ジェイス・ジョンソンの5人。古賀の連続得点で立ち上がりからリードを奪ったが、一番目を惹いたのはベテランの山田洋介。「山田は無理なことはしないし、若い選手を生かそうとやってくれますから」(田中聡HC)と、周囲を上手く使うパスでチーム全体のリズムを上げた。

それでも思うようにリードは広げられずに15-15で迎えた第1ピリオド終了間際。福井からのパスを受けた増本が得意の3ポイントシュートを放つと、ボールはキレイにリングに吸い込まれた。

序盤から試合のリズムを作った山田洋介選手

このブザービーターで勢いをつけたスゥープスは、福井の効果的な3ポイントや外国人勢がインサイドの強さを発揮し着々と加点。前半を12点のリードで折り返す。

第3ピリオドは古賀の得意なドライブが光る。「ディフェンスが寄ってこなくて、前ががら空きだった」(古賀)と、相手の守備の甘さを突き得点を重ねる。だが、この試合の登録メンバーで唯一のPG福井が足を痛めるアクシデントに襲われた。

そのピンチを救ったのは、こちらもベテランの杉本憲男。過去にもPG陣の相次ぐ負傷で、代打としてPGを務めたこともあったが、今回もしっかりとその役割を全う。「今日は試合に出られなかった田中(昌寛)さんと、試合に前にどういうフォーメーションが相手に有効か話し合っていたので、ゲームの進め方が良かった」(杉本)と、事前の準備から予習できていたことで、落ち着いてゲームをコントロールできた。

第4ピリオドは少し追い上げられたものの、最後は杉本からパスを受けた増本が3ポイントシュートをしっかり沈めて終了のブザー。コロナによるピンチをチームが一体となって乗り越えた。

PGの代打だけでなくディフェンスでも活躍した杉本憲男選手

田中聡HC
--試合の感想は?
「今日は9人しかいなかったですけど、一人ひとりが自分の仕事をしっかりとやってくれました。大きなミスもなく、ターンオーバーも今季一番少なかったですよね。やっぱりチームですね。バスケットボールは」
--注意したことは?
「練習ができなかったし、残り試合がまだあるのでケガが心配でした。ジェイス(ジョンソン)が転んだ時にはびっくりしましたけど、たいしたことはなくて良かった。メンバー交代には苦労しました。コーチ人生でこれだけメンバーチェンジをしたのは初めてでした。人間恵まれている時よりも、こういうピンチの時の方が、みんな一つになれるんでしょうね。今日はそれを学びました」
--ホーム最終戦でした。残り試合もありますが今季の感想は?
「勝たないといけないチームには、しっかりと勝つことができました。あとは上位チームに4試合中1つでも勝てるような、そういうチームにならないと、上位に行けないなと感じています」

古賀森人

得意のドライブなど18得点4アシストの活躍

--ホーム最終節、どんな思いでコートに入った?「いつも通り、変に力を入れずにメンタルもそうだし、プレーもそうですね。人数が少ないという言い訳をせず、いつも通りやろうと臨みました」--新人としてこの1年を振り返って。「楽しくできました。長いようで短いシーズンでしたけど、自分がやりやすい環境をみんなが作ってくれて、みんなが僕の特長を理解してくれたので活躍できたというか、良いシーズンになったと思います。働きながらバスケットをするのは、最初こそ辛かったですけど、今はもう慣れたし、バスケだけで生活している人たち、プロ契約している人たちに勝つと『こっちは仕事しているのに、もうちょっと悔しがった方がいいんじゃないの』って感じのメンタルを手に入れちゃったので、仕事しながらでも関係ないです」--今年感じた手応えと課題は?「フィジカル面で押し込まれる場面があったので、来シーズンはもっと身体を強くしていきたいですね。通用したのは、ドライブ、意外に3ポイントも入ったし、高さも勝っているし、『顔も』(と中野大介マネージャーが横やり)。そうですね、顔も勝っている(笑)。負けるところないですね」


杉本憲男


--PGが一人というピンチを救いました。
「2年前もPGがケガでやりましたけど、今年は二人ともケガがなく、途中で(高橋)快成や(清野)飛鳥が入って、もうPGをやることはないなと思っていたんですけど、こういうことになったので、もう一回イメージを頭に入れてやりました。HCから『PGをやろうと考え過ぎ、自分のシュートを考えろ』って言ってもらって、そんなに意識しないでできましたし、要所で指示も出してくれたのでとてもやりやすかったですね。あとは森人がボールを運ぶのを手伝ってくれたり、インサイドの選手はスクリーンに立ってくれたり、周りのサポートがあったので出来たと思います」
--ブースターも喜ぶ勝ち方だったが?
「誰が悪いわけでもないですけど、(前節の)試合がなくなってブースターさんの楽しみも消してしまった。それで何とかこの試合まで熱量を絶やしたくないと、ツイッターで#all for boosterとハッシュタグをつけてやったら、ブースターさんがすごく反応してくれて。それで選手たちも意識が離れずにいましたし、ブースターさん同士で意識を高めてくれてすごくうれしかったですし、今日は皆さんの顔を見てバスケットが出来て幸せでした」
--今季を振り返って
「今までで一番一体感のあるチームになったと思います。過去3年間はジャイアントキリングとか奇跡の勝利みたいなのが多かったですけど、今季は地力で勝てたという試合が多かった。圧倒的に負ける試合もありましたけど、どの相手にも戦う姿勢は見せられたと思います。あと、若手を成長させることも僕らの役割で、自分が出なくてもいい勝ち方ができた時は、今までより喜びが大きかったですね」

MIKU(岐阜スゥープスチアリーダーズ)

今シーズンも最高の笑顔とパフォーマンスを見せてくれた
チアのみなさんありがとう!

--今季ホーム最終節でしたが?「今シーズンは、昨シーズンよりも期間がちょっとだけ長いなと思っていたんですけど、もう最終戦ということで、あっという間だったなっていうのが一つで、そのあっという間の期間でもメンバー全員のパフォーマンス力が上がったと思うので、それも含めてブースターさんたちには楽しんでいただけたんじゃないかなって思っています」--状況がいろいろ変化して大変そうだったが?「一緒に練習してきたメンバーがいなくなって悲しいこともあったし、このホーム最終戦も開催されるかどうかというところだったので、無事にみんなに集まっていただいて、直接ありがとうは言えないですけど、自分たちのパフォーマンスで盛り上げることで、少しでも感謝を伝えられればなと思って踊りました」--個人としてこの一年はどうでしたか?「楽しくできました。いろいろ考える部分もあったんですけど、自分自身にくよくよしていてもいられないので、明るく元気に、マスクをしていましたけどいつも笑っています。どんな状況でも笑顔を届けられるチアになれたのかなって少し思っています」--MIKUさんにとってスゥープスはどんなチーム?「自分自身と一緒に成長を感じているというか、チームも成長しているし、自分も成長していてすごくうれしい。チームの一員なんだなって思わせてくれるチームですね」

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