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3年ぶりの夏制覇へ、逆転で出場権獲得

日本クラブユース東海PPトーナメント
名古屋グランパスU-18 〇3-2 清水エスパルスユース

【試合の概要】
今季の日本クラブユース東海PPトーナメントは、昨季限りでJFA福島アカデミーが活動を終えたことにより3チームでの争い。その中で唯一プレミアリーグを主戦場としているグランパスU-18がシードの扱いとなり、ジュビロ磐田ユースを破って勝ち上がった清水エスパルスユースとの試合に勝てば、7月22日から行われる全国大会に出場できる。

トップチーム初先発の1年生千賀翔大郎を激励する3年生杉浦駿吾


【試合の流れ】
序盤からゴールの奪い合いとなった。開始5分、立ち上がりからギアを上げて攻め込んできたエスパルスに先制点を許してしまったが、その2分後に森壮一朗のロングフィードから抜け出した大西利都が冷静にGKとの1対1を制して試合を振り出しに戻す。しかし9分にセットプレーの流れから失点し、グランパスの1点ビハインドで試合が進んだ。

 追いかける展開に攻め込む場面は増えたが最後のフィニッシュがなかなか決まらない。1点のビハインドで前半を折り返すことになるかと思われた42分、ウィングバックとしてトップチーム初先発となった1年生千賀翔大郎が右サイドから攻め込み、ボランチの野村勇仁がポケットを取る。そこでは前をふさがれボールを戻したが、ペナルティエリアの手前で待っていたのは八色真人。左足で虹を描くようなミドルシュートを突き刺し、グランパスは再び同点に追いついた。

#14八色真人のミドルシュートで前半のうちに追いついた


 後半は完全にグランパスが主導権を握った。カウンターからポストに当たるシュートを浴びる危ない場面はあったものの、何度も得点のチャンスを作りハーフコートゲームのような展開に。そして後半42分、グランパスは敵陣でFKのチャンスを得ると、キッカーの池間叶とキャプテンの青木正宗がじっくりと相手のポジションを分析。池間はGKがキャッチできない絶妙な位置とスピードのボールを送ると、こぼれ球が森の前に。それを難なく押し込んでグランパスが全国大会進出を決めた。

決勝点を奪った#20森壮一朗、このジャンプが一番高かったかもしれない
ユースファミリーとも喜びを分かち合う


 展開的にはもっとゴールを奪っていてもおかしくない試合だったが、そこはトーナメントならではの緊張感や難しさと捉えたい。その中で2度追いつき90分間で逆転まで持っていった選手たちの奮闘を称えたいと思う。ただあくまで目標はここではなく、グループリーグ3連敗だった昨季の全国大会のリベンジであり、21年大会以来の全国優勝。それを成し遂げるために油断なく準備を進めていきたい。

【選手コメント】
大西利都
「先制点は(森)壮一朗からのパスだったんですけど、そこの縦の関係はいつも共有しているところで、絶対に1本はチャンスがあるって話していました。その中で良い質のパスが来て、それを流し込むだけでした。
プレミアでもそうですけど、先制されても追いついたり勝ち越したりできる力はあるって分かっていたので、先制された後の試合運びはうまくできていたと思います。でもやっぱり先制して試合を優位に進めることが1番だと思うので、全国大会までに意識を変えてやっていきたいと思います」

1点目のゴールと最前線でのチェイスで勝利に貢献

森壮一朗
「(池間)叶くんが蹴る前に眼が合って、ボールはちょっとズレたんですけど、ちょっと高めでGKが弾くなと思ったので、ちょっと後ろにポジションを取って、そうしたらちょうどこぼれてきたので決めることができたって感じです。
最近、左(CB)から真ん中になって、見える位置や視野も広がって自分的にはやりやすくなりました。そこから縦パスを刺したり、1点目の利都のゴールのような背後は常に僕も見ているので、そこに出せばチャンスになるし、守備面では最初はカバーやポジショニングを考えながらでしたけど、終盤になるにつれて間延びした状態が続いたので、そこは自分が中心になってコミュニケーションをとって、ラインやポジショニングを修正していきたいと思います。
去年のクラブユースは全国に連れていってもらって3敗して帰ってきて苦い思い出がありますし、去年の悔しさを晴らすという意味でもまずはグループステージは突破して、大学の進路とかにも関わってくると思うので、チームのためにみんなで戦って、優勝を取りに行きたいと思います。そのためには勝負強さということを掲げていて、今日みたいな1発勝負の試合で、追いかける展開になってもしっかり勝ち切れたというのは、チームとして成長している部分だし、先制点を取ることも重要で、もっと練習から先制点を意識して、勝癖をどんどん付けて優勝を目指していきたいと思います」

#20森壮一朗は決勝点と1点目のアシスト

池間叶
「(青木)正宗と話していたのは『自分のところに落としてくれれば入る』と言われたので、正宗と壮一朗のところを狙いました。自分のキック的にはちょっと強くなって伸びたことでGKもキャッチできなかったので結果オーライかなと。
自分は仕掛けるタイプではないので早目にクロスを上げてチャンスを作りたいと思って臨みました。相手の守備も左サイドが結構空いていたので、チャンスは多かったんですけど、それがなかなか結果につながらなかったというのはまだまだだと思うので、自分のクロスで結果を出せるようにやっていきます」

#6池間叶は正確なクロスで決勝点を導き出す

千賀翔大郎
「練習からスタメンだなと思っていたので、今週はずっと緊張をしていて試合前もすごく緊張してたんですけど、3年生の先輩たちがすごく声を掛けてくれて、試合中もミスする場面がありましたけどカバーをしてくれたので、思い切ってプレーすることができました。
真人くんのシュートの場面も落ち着いて勇仁くんとパス交換できて、ほとんど真人くんの得点だとは思いますけど、アシストがついたので感謝をしたいです。
こんなに早くトップチームで先発できるとは思っていませんでした。自分的には今日のプレーに満足できていないので、もっともっと練習から上の学年の先輩たちに対しても引かずに自分の強みを出して、勝利に貢献できるようにパワーを与えていきたいと思います。上の学年はすごく強度が高いので、もっと連続して高い強度でプレーして、90分間フルに出て戦えるようになりたいです」

#30千賀翔大郎はトップ初先発でも落ち着いたプレーでバーに当たるシュート (クロス?)も

八色真人
「自分がゲームをコントロールしないといけないと思っていたので、失点しても得点しても冷静にというのをずっと考えてプレーをしていました。(プレミアの)広島戦が終わってからボールをつなぐ意識が出てきて、チームメートも自分を信頼してボールを付けてくれることが多くなったことで、自分も安心して降りていくことができるようになったので、やっぱり練習の中で信頼関係を作り上げてきたことが、この試合で少しは発揮できたのかなと思います。
シュートの場面は、ずっとどこかでシュートを打ちたいと思っていて、いい時間帯だったし枠に速いボールを打てば入るなと。最近は強いシュートの練習もしてきたので、その練習の成果が出たなと思います。1-2で折り返すのか2-2で折り返すのかで全く違うと思うので、そういう部分では良かったと思います」

#14八色真人のミドルは時間的にも効果大だった

*八色真人選手のコメントを中心にしたこの試合のエピソードをグランパスウォッチャーにて公開しております。有料コンテンツですがよろしければぜひご覧ください。

今後も名古屋グランパスユースの試合を中心に取材活動を進めていきます。いいねや活動支援を頂けるとかなり助かります。
支援していただいた方にはおまけとしてこの日撮影したものを何点か公開しています。

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