わたしの本棚 |#1 対立を生きていく、平等性と個性を追う苦しさ
ー”生きがい”ではなく、”死にがい”。ー
タイトルに強く惹かれ手に取り、気がつくとあっという間に読み終えていました。
一年ほど前、多様性をテーマに描き、その物語の持つ力に圧倒された朝井リョウさんの作品、「正欲(2021年)」の前身となるような言葉が散りばめられた本作品は、8人の作家がリレーした「螺旋プロジェクト」において平成の時代を描いた小説です。
朝井さんが考える平成の時代において、物語のキーワードとなる「対立」をどのように描くのか、とても気になっていた作品でした。